京都市交響楽団第697回定期演奏会


  
    2025年2月15日(土)14:30開演
京都コンサートホール大ホール

準・メルクル指揮/京都市交響楽団
アレクサンドラ・ドヴガン(ピアノ)
京響コーラス

ラフマニノフ/パガニーニの主題による狂詩曲
ラヴェル/バレエ音楽「ダフニスとクロエ」全曲

座席:S席 3階C2列27番


2025年2月の京響定期は、準・メルクルが指揮しました。第670回定期演奏会に続いて、京響とは3回目の客演です。現在は、台湾国家交響楽団(NSO)音楽監督、インディアナポリス交響楽団音楽監督、オレゴン交響楽団首席客演指揮者を務め、2025年シーズンから、ハーグ・レジデンティ管弦楽団首席指揮者に就任します。ポストが4つもあるとは多忙ですね。本公演の前後でも、九州交響楽団と山形交響楽団を初めて指揮しました。

チケットは、京響友の会「チケット会員」の「セレクト・セット会員(Sセット)」の「クーポンID」を使用しました。2月4日に全席完売しました(ポディウム席の発売はなし)。

京都市交響楽団のX(@kyotosymphony)によると、なんと3日間京都コンサートホールで練習が行なわれました。これまでは京都市交響楽団練習場で2日間練習した後に、本番前日にホール練習でしたが、3日間ともホール練習は破格の待遇です。第692回定期演奏会でホール練習が1日増えて、京都コンサートホール×京都市交響楽団プロジェクトVol.5「井上道義×ブルックナー交響曲第8番」でも2日間ホール練習だったのは、京都市交響楽団長の松井京都市長の尽力かもしれません。

ロビーでは、京響70周年ロゴの投票が行なわれました。京響は来年の2026年に70周年を迎えますが、準備が早い。3つのロゴ候補が掲示されていて、シールを貼って投票します。私は、ロゴ候補②がいいと思いました。5月17日(土)の第700回定期演奏会で発表されます。

14:00からプレトーク。「みなさまこんにちは」と日本語であいさつして、その後は英語でした。各曲の紹介は後述します。15分で終了しました。

コンサートマスターは、泉原隆志(コンサートマスター)。特別客演コンサートマスターの石田泰尚が、先週にKCH的クラシック音楽のススメVol.5「石田泰尚 ヴァイオリン・コンサート」を開催したので、そのまま本公演に出演するかと思いましたが、早くも京都を離れたようです。本当にお忙しい。客演首席ヴィオラ奏者は、佐々木亮(NHK交響楽団首席ヴィオラ奏者)。客演首席チェロ奏者は、ルドヴィート・カンタ(オーケストラ・アンサンブル金沢名誉楽団員)。なお、2月1日付でオーボエ副首席奏者として、藤本茉奈美(元広島ウインドオーケストラオーボエ奏者)が入団しました。第690回定期演奏会に客演奏者として出演していましたが、オーボエ奏者が4人に増えて何よりです。

プログラム1曲目は、ラフマニノフ作曲/パガニーニの主題による狂詩曲。ピアノ独奏は、アレクサンドラ・ドヴガン。ロシア生まれの女性です。なんとまだ17歳で、京都市交響楽団のXによると、2022年10月以来2年ぶりの共演です。プレトークで、準・メルクルは、主題のメロディーを実際にピアノで弾いて、「他の作曲家の変奏曲と違うところは、違うテーマが出てくるところ」と説明。「第14変奏はファンファーレ、第15変奏はびっくりするほど速い。第18変奏は違うテーマが出てきて最も美しいメロディー」と話しました。この作品は、京都市交響楽団が頻繁に演奏する作品で、ラフマニノフではピアノ協奏曲第2番や第3番よりも演奏頻度が高く、京響で聴くのは実に5回目です(過去の4回は第527回定期演奏会オーケストラ・ディスカバリー2012 〜こどものためのオーケストラ入門〜 「名曲のひ・み・つ」第1回「作曲家に隠された真実(作曲家編)」大阪特別公演第664回定期演奏会)。
ドヴガンが赤紫のドレスで登場。長身の細身の体型で、若い。腕は細いですが力強さはあります。全体的にやや速めのテンポでしたが、ピアノは速く弾きたそうで、ミスタッチも少しありましたが、勢いでカバー。準・メルクルは、全曲譜面台なしで指揮。指揮台を左右に動き回って、頻繁にドヴガンとアイコンタクト。オーケストラはロシア音楽とは思えない色彩感があり、音色が明るく温もりがありましたが、前半はちょっとアンサンブルが落ち着きませんでした。第23変奏2小節の全休符を長めにとって、1小節のピアノの余韻を聴かせました。

拍手に応えてドヴガンがアンコール。ショパン作曲/ワルツ第7番Op.64-2を演奏。テンポ設定が非常にユニークで、中間部がすごく速い。最初と最後は力を抜いてほろっとくる名演でした。音色もショパン向きと言えるでしょう。

休憩後のプログラム2曲目は、ラヴェル作曲/バレエ音楽「ダフニスとクロエ」全曲。プレトークで、準・メルクルは、ディアギレフを紹介した後、「ラヴェルで最も長い曲(オペラを除けばという意味でしょう)。LOVEを強く押し出して、ラヴェルには珍しく情熱的な作品」と紹介して、愛のテーマのメロディーをピアノで弾きました。「フルートはパンの神をあらわす。コーラスは「歌詞がない人の声」という楽器。最後はパーティーになる。みなさんも幸せな気分で家に帰ってほしい」と話しました。

京響は第661回定期演奏会で第1組曲と第2組曲を、第678回定期演奏会で第2組曲を演奏しましたが、全曲を聴くのは、東京都交響楽団第677回定期演奏会Bシリーズ以来です。京響コーラスがポディウム席に並びました。ソプラノ26、アルト23,テノール16、バス13名で、左が女声で、右が男声でした。楽譜を持って歌いました。打楽器はティンパニを含めて8名で、チェレスタ、ジュ・ドゥ・タンブル、ハープ×2と大人数です。
第1部の「序奏」は、合唱は風が吹くような表情で、オーケストラの響きが濃い。続く「宗教的な踊り」や「全員の踊り」はテンポが速い。「夜想曲」のウィンドマシーンは、雛壇最後列の中央に置いてあって見やすい。合唱だけで始まる「間奏曲」は、スコアの指定はpですが、最初から大きめで歌い、休みなく続く第2部の「戦いの踊り」はやや速めのテンポ。強奏ではもう少し金管を鳴らしてもいいでしょう。
第3部の「夜明け」は速めのテンポなのがもったいない。「無言劇」のフルートソロがすばらしい。「全員の踊り」は、合唱入りで聴くのはやはりいいですが、合唱はもっと音量があってもいいでしょう。

準・メルクルは、カーテンコールの出入りを走って出てきました。京響の長所をより伸ばしてくれる正攻法の指揮でした。オーケストラの響きが豊かで潤いがあるのは、ホール練習の成果でしょうか。ライヴならではの本番の爆発力があってもよかったです。京響コーラスはポディウム席がぎっしり埋まるほどもっと人数が多くてもよかったでしょう。合唱がこの作品の表情の切り換えをリードするくらいがちょうどいいかもしれません。

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(2025.3.15記)


第8回京都市立芸術大学サクソフォン専攻生によるアンサンブルコンサート「Saxtation」 京都コンサートホール・ロビーコンサートVol.18「沓野勢津子 マリンバ・コンサート」