Kyoto Music Caravan 2023「スペシャル・コンサート」
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2024年3月30日(土)15:00開演 大谷圭介.指揮/京都市少年合唱団、小林千恵(ピアノ) 阪哲朗指揮/京都市立芸術大学特別合同ステージ 座席:自由 |
舞台転換の時間を利用して、下手袖で副学長の大嶋義実と高野裕子がトーク。大嶋は3月31日で定年退職を迎えるため、「沓掛キャンパスで最初に卒業した学生で、崇仁キャンパスで最初に退職する教員」という「ありがとう沓掛キャンパスコンサート」でも紹介したネタを披露。堀場信吉ホールについては「ネーミングライツではない。信吉先生を後世に伝えるために名付けた。信吉先生は京大オケの事務局も務めた。同志社大学で行なわれた信吉の葬儀に京大オケが演奏した」と説明しました。
2団体目は、京都子どもの音楽教室。初めて存在を知った団体でしたが、1953年に京都府音楽教育連盟の主催、京都市教育委員会の後援で、子どもの早期音楽教育を目的に設立されたとのこと。現在は京都市立芸術大学音楽学部の教育研究機関で、京都市立芸術大学音楽学部長が室長を務め、京都堀川音楽高校の教員などが演奏アドヴァイザーを務めているとのこと。大嶋は「信吉先生が作った」と紹介しました。オーケストラは小4から中3までの生徒に、教室研究員や賛助やОBも含めて43名。合唱は、ソプラノ12名と14名で、指揮台の前に集まって歌いました。おそらくはひな壇で歌うことを想定していたものの、聴こえなかったからかもしれません。指揮は明石幸大(京都市立京都堀川音楽高等学校教諭、京都子どもの音楽教室 演奏アドヴァイザー)。ラター作曲/For the beauty of the earth(このうるわしき大地に)を演奏。英語で歌いましたが、合唱があまり聴こえません。まとまりが難しい作品かもしれません。1曲だけだったのがもったいない。
3団体目は、京都市ジュニアオーケストラ。指揮は京都市ジュニアオーケストラ合奏指揮者を務める大谷麻由美。京都市交響楽団創立60周年記念特別演奏会を指揮し、今年度の関西吹奏楽コンクールで大津シンフォニックバンドを指揮しました(結果は銀賞)。ベートーヴェン作曲/交響曲第1番より第1楽章を演奏しました。縦線のずれが少し気になりました。大谷は腕が細い。
大嶋は「このホールは傾斜がきついが、壁が近寄ることで豊かな響きが生まれる。本当は敷地がなかっただけ」と笑わせつつ、「このホールを建てたことは後悔させない。血の通った音が将来的に響いてほしい」と期待を込めました。
4団体目は、京都市立京都堀川音楽高等学校。礼服を着ているので、高校生には見えません。指揮は京都子どもの音楽教室に続いて明石幸大。明石は京都堀川音楽高校の音楽科専任教諭で、前身の京都市立音楽高校出身です。若い。ワーグナー作曲/歌劇「タンホイザー」序曲を演奏。前半の遅いテンポは響きが直線的でしたが、後半はよくなりました。この曲は京都市交響楽団常任指揮者の沖澤のどかが1月に訪問した際に指導しました。
休憩後は、京都市立芸術大学特別合同ステージ。京都市立芸術大学の有志メンバーと、前半に出演した4団体の合同ステージで、オーケストラは総勢60名。京都市立芸術大学が32名、京都市立京都堀川音楽高等学校が9名、京都市ジュニアオーケストラが16名、京都子どもの音楽教室が3名の編成。衣装ではどの団体なのか見分けがつきません。合唱団は81名。ソプラノ33名、アルトが30名、テノールが9名、バスが9名で、団体の内訳は、京都市立芸術大学が21名、京都市立京都堀川音楽高校が49名、京都市少年合唱団が7名、京都子どもの音楽教室が4名でした。合唱団は衣装で団体が分かり、雛壇に3列で並んで、楽譜を持って歌います。指揮は阪哲朗。昨年4月から京都市立芸術大学音楽学部指揮専攻教授に就任しました(2017年度から2022年度まで務めた前任の下野竜也は客員教授に就任)。山形交響楽団常任指揮者、びわ湖ホール芸術監督などを務めていて、京都市立芸術大学作曲専修の出身です。
ラター作曲/グローリアを演奏。京都市立京都堀川音楽高等学校第46回オーケストラ定期演奏会で聴きました。合唱団は音量十分で、第1楽章はモティーフが特徴的。第2楽章は中盤から盛り上がます。ソプラノとアルトのソロは中央の4人で分担。第3楽章は華やかで、「Kyoto Music Caravan 2023」を締めくくるにふさわしい演奏。17:20に終演しました。
「Kyoto Music Caravan」は2024年度は実施されないようですが、京都市内の各地で演奏が聴ける取り組みはぜひ継続して欲しいです。なお、前京都市長の門川大作が着物で来場していました。また、4月1日から京都コンサートホール第5代館長に就任する鷲田清一(京都市立芸術大学前学長)も来場していました。3月29日に急に発表されたので驚きましたが、第4代館長の広上淳一はミュージックアドバイザーに就任します。関係者が一緒に写っている写真が、松井市長のX(@matsuikoji)に掲載されています。