京都音楽博覧会2014 IN 梅小路公園


2014年9月21日(日)15:10開演
梅小路公園 芝生広場

椎名林檎(vox)、林正樹(piano)、斎藤ネコ(violin)、グレート栄田 (violin)、山田雄司(viola)、藤森亮一(cello)、佐藤芳明(accordion)

座席:自由


くるりが主催するイベント「京都音楽博覧会」に、椎名林檎が初めて出演しました。「椎名林檎 ちょっとしたレコ発 2014 〜大阪港へ逆輸入〜」から、約3ヶ月半ぶりのライヴです。椎名林檎にとってひさびさの野外ステージでの公演で、おそらく「RISING SUN ROCK FESTIVAL 2008 in EZO」以来でしょうか。

「京都音楽博覧会」は2008年から始まって、今年で8年目。「京都音博」の略称で呼ばれています。梅小路公園は自宅から徒歩圏内で、こんなに近くで椎名林檎と会えるとは驚きです。ちなみに、椎名林檎が京都で演奏するのは、「東京事変 “DOMESTIC!” Just can't help it.」(2006年4月30日 京都会館第一ホール)以来、8年半ぶりでした。

「京都音楽博覧会」の趣旨は、オフィシャルホームページに掲載された兵庫慎司の文章「初心者の方のための「京都音楽博覧会」解説」が分かりやすい。それによると、「全然知らなかったアーティストがそのフェスに出ていて、観る。で、それっきりの時もありますが、それが自分の音楽人生において重大な出会いになったりする可能性もあります」ということで、知らないアーティストに出会うことが狙いのようです。今年は全部で8組が出演しますが、うち海外が4組を占めるという多国籍なイベントになりました。
なお、前日には「京都音博 presents くるり京都秋の宝探し大会 2014」が開催されました。10:00開始、18:00終了で、会場は京都市内全域。料金は1000セット限定で2700円で、特賞は「くるりメンバーとすっぽん鍋」でした。くるりファンには見逃せないイベントでしょう。 

チケット確保
チケットは全席自由で8888円。5月26日(月)から始まったオフィシャルホームページの先行受付に申し込みました。6月12日(木)に抽選結果が発表されて、無事に購入できました。当日券は、前売り段階で完売したため発売されませんでした。チケットは8月下旬になってから発送されました。

開場
開演は12:00ですが、10:30に早くも開場。10:30頃に到着しましたが、すでに多くの人が集まっていました。まずリストバンド交換所で、チケットとリストバンドを交換しました。リストバンドがあれば再入場可能です。「RISING SUN ROCK FESTIVAL 2008 in EZO」のように、タイムテーブルや場内マップの配布はありませんでした。リストバンドの交換を終えた人が、すでに入場列を作っていました。あまりにも多くの人が並んでいて驚きました。会場外にテントを張っている人もいました。
会場の梅小路公園芝生広場は、普段は市民等に開放されていて自由に出入りすることができます。梅小路公園のホームページを見たところ、18日(木)から設営が始まったようです。このライヴでは、芝生広場の西側に入退場口を設けて、東側(大宮通り側)に西向きに特設ステージが設営されました。芝生広場のすぐ北隣は京都水族館で、イルカスタジアムでショーをするイルカが跳んでいる姿が少し見えました。会場内への食べ物や飲み物の持ち込みは自由でした。なお、七条入口広場では「花咲くワールドグルメパーク」が開催され、多くの出店が並びました。
ステージの左右にはモニターが設置されて、後ろからでもステージの様子が見えました。ステージの近くは「スタンディングゾーン」で、後ろの「シートゾーン」。シートゾーンのほうがスペースは圧倒的に広く、レジャーシートに座っている人ばっかり。通路どころか足の踏み場がないほどで、こんなにたくさんの人が来ているとは驚きでした。ステージを見ているとは思えないような場所で陣取っている人や、木陰でたたずんでいる人も多数いて、ほとんど宴会のような状況でした。天気は快晴で、熱中症になりそうなほど暑かったです。
梅小路公園七条入口 グッズ販売 リストバンド交換所 リストバンド 花咲くワールドグルメパーク(七条広場公園) 入退場口 シートゾーン シートゾーン

グッズ購入
今回のツアーに合わせて「2014秋の特殊開発グッズ」が製作されました。SR猫柳本線によると「秋の爽やかさを、これら特殊開発グッズでぜひご堪能ください」とのこと。「椎名林檎 ちょっとしたレコ発 2014 〜大阪港へ逆輸入〜」に続いて、今回も「手旗」は制作されませんでした。「Vネック 泥棒猫 白 Mサイズ」(5000円)を購入しました。白い半袖シャツに、黒猫が右手で林檎を転がしているデザインが表裏にぎっしりプリントされています。「泥棒猫」のネーミングは、スペシャルゲストを予感させるネーミングでしたが、事前に気がつきませんでした。
「レジャーシート 色盛り」(1500円)も野外イベントでは使い勝手がよさそうでしたが、デザインが「カラーバー」で、広げるのには少し格好が悪いのでやめました。なお、今回は「レシート(商品お買上明細票)」が発行されませんでした。また、翌日から「林檎班好事家ストア」と「SR猫柳本線猫キヲスク」でWeb販売も始まりました。

開演! (全体の感想は後述します)
お目当ての椎名林檎を先に記して、その他のアーティストは出演順に掲載します。当日のタイムテーブル(出演順)は、当日10:30に京都音楽博覧会Twitter(@kyotoonpaku)で発表されました。芝生広場の隣にある京都水族館のイルカショーに配慮したタイムテーブルになっているとのことで、イルカショーが終わるまでステージの間隔が開く時間帯がありました。

<椎名林檎(from 福岡)> 15:10〜
東京事変が解散した「東京事変 Live Tour 2012 Domestique Bon Voyage」後のライヴでは毎回編成が異なっています。「椎名林檎 ちょっとしたレコ発 2014 〜大阪港へ逆輸入〜」は893(ピアノ、アコーディオン、コントラバス、ドラムス)で、「椎名林檎十五周年 党大会 平成二十五年神山町大会」「椎名林檎十五周年 班大会 平成二十五年浜離宮大会」ではそれに加えて、弦楽四重奏とハープを加えた編成でした。今回はどういう編成で演奏されるのかも注目でした。
開演前に伴奏メンバーがステージに登場。ステージ向かって左から、ピアノ(林正樹)、ヴァイオリン(斎藤ネコ)、ヴァイオリン(グレート栄田)、ヴィオラ(山田雄司)、チェロ(藤森亮一)。右端にアコーディオン(佐藤芳明)が立って演奏しました。全員同じ浴衣を着ていますが、右側が黒色、左側が白色という変わったデザインでした。今回はドラムスがありません。マイクの音量調整のため、グレート栄田がDeep Purpleの「Smoke on the Water」の冒頭を演奏すると、他のメンバーにも波及して合奏。観客からは手拍子と拍手が送られました。
メンバーが再入場して、ピアノのGの音でチューニング。1曲目は「いろはにほへと」。前奏で椎名林檎が下手から走って登場。白の浴衣に、黒の葉っぱのデザインでした。ちょっと茶髪でした。チューニングしたばかりでしたが、ヴァイオリン(斎藤ネコとグレート栄田)の音程がヤバい。
椎名林檎のMC。「椎名林檎です。暑い中お疲れさまでございます」と挨拶。「真っ昼間からお目にかかれて光栄です。夜行性でございますので」と話し、「東京からもう一人夜行性の女を招いてきました。ご紹介しましょう。石川さゆり」と話して、サプライズゲストで石川さゆりが茶色の着物で登場。大歓声のなか、2曲目は「カーネーション」。石川さゆりが歌っても違和感がありません。「よろこび映す」で少し音程が狂いました。「かじかむ指ひろげて」からのサビが演歌チックです。最後の「一つだけ」をリタルダントで歌って色っぽい。椎名林檎は後ろで座って聴いていました。
石川さゆりのMC。「歌いに来たのではなく見に来ようと思っていたら、(椎名林檎が)一緒に歌わないとおっしゃった。過去に2度出たことがある」と出演の経過を説明しました。石川さゆりは京都音楽博覧会には2009年と2011年と出演しています。また、「今年は午年なので、馬の帯!」と話し、後ろを振り返って帯に描かれた馬を披露しました。「私たち今すごく仲良しなの」と話しました。椎名林檎は「渡辺あや(カーネーションの脚本家)に、この曲は本当は石川さゆりさんが歌うのがいいと言われたので、石川さゆりさんをイメージして曲を書いた。念願かなってうれしい」と話しました。石川さゆりはこの曲について「林檎さんらしい難解なところがあって、ネコさんも難解なアレンジで」と話しました。
椎名林檎が「せっかくだから一緒に歌わしてくださいますか」と話すと、石川さゆりは「やっちゃう?」と応じて、3曲目は「名うての泥棒猫」。椎名林檎が石川さゆりに提供した作品で、石川さゆりのシングル「暗夜の心中立て」(2014年4月2日発売)のカップリング曲です。CDでも斎藤ネコが編曲を担当しています。ちなみに「泥棒猫」とは猫のことではなく、「男を奪った女性」という意味です。石川さゆりと椎名林檎が並んで歌いました。石川さゆりが巻き舌を披露。「勝手に舞い込んで来たものを」からは、椎名林檎がバックコーラスを担当。石川さゆりの椎名林檎は声質がよく似ています。CDでは椎名林檎のバックコーラスが石川さゆりに隠れていましたが、このステージでは椎名林檎の歌声が前面に出ていました。「「全てを手に入れる女」と、云われちゃあ」の辺りで、石川さゆりがタイミングよりも早く歌ってしまいました。石川はすぐに修正しましたが、舌を出しました。椎名林檎が後から追いかけて輪唱になってしまいましたが、椎名林檎は石川さゆりにつられないで歌いました。歌い終わると、石川さゆりが「ごめんなさい。ちょっと間違えちゃった」と話しました。観客から「かわいい」と声がかかると、石川は「おばさんに何言うんだい」と答えました。
椎名林檎が「歌ってみていただきたい曲、あまり歌っていらっしゃらない曲を最後に1曲」と話して、4曲目は「最果てが見たい」。椎名林檎が石川さゆりに提供した作品で、石川さゆりのアルバム「X -Cross II-」(2014年4月23日発売)に収録されています。CDでも林正樹が編曲とピアノを担当して、佐藤芳明がアコーディオンを演奏しています。石川さゆりの歌い方は椎名林檎に似ています。椎名林檎は後ろのイスに座って聴きました。石川さゆりは歌い終わると、「おじゃましました」と言って退場しました。
ここで椎名林檎がメンバー紹介。「ピアノ 林くん。ヴァイオリン ネコさん、栄田さん。ヴィオラ 山田さん。チェロ 藤森さん。アコーディオン 佐藤くん」と紹介しました。「あとちょっとだけおつきあいくださいませ」と話して、5曲目は「丸の内サディステック」。ライヴでよく歌われる英語歌詞で始まるバージョンです。椎名林檎は西日がまぶしいようで、左手を目のところに置いて日光を遮りながら歌いました。2番の「報酬は入社後並行線で 東京は愛せど何も無い」のところで、歌詞がごっちゃになって、「東京は入社後」と歌ってしまって、すぐに「間違えた」と言いました。珍しい。
6曲目は「歌舞伎町の女王」。斎藤ネコ編曲では「賣笑エクスタシー」でも歌われましたが、今回は新しい編曲でした。巻き舌が復活。ステージを左右に歩きながら歌いました。いつものように口笛も披露。
7曲目は「NIPPON」。6月11日にシングルがリリースされましたが、「椎名林檎 ちょっとしたレコ発 2014 〜大阪港へ逆輸入〜」では歌われなかったので、ライヴ初披露です。CDよりもかなり編成は小さいですが、名曲ですね。「もっと煽って唯今は」は音域がかなり高い。
椎名林檎のMC。「今日は招いてくださってありがとうございます。くるりのみなさんも。前から存じ上げてましたが、すてきなイベントですね。近々どこかでお目にかかれたらと思います」と話して、8曲目は「ありあまる富」。1番はピアノ伴奏、2番から他の楽器も加わりました。間奏は斎藤ネコのソロ。椎名林檎は後奏の途中で礼をして退場しました。後奏は長く、斎藤ネコが冴えました。15:50に終演しました。

全部で8曲を披露しましたが、すべて椎名林檎名義の作品でした。なんと言っても石川さゆりがサプライズゲストで登場したのが驚きでした。特殊開発グッズ「Vネック 泥棒猫」のネーミングが石川さゆりを連想させるものでしたが、事前に気がつきませんでした。2014年4月6日に放送されたNHK「SONGS 石川さゆり 椎名林檎を歌う 〜花の京都 芸の心にふれる〜」では、椎名林檎と石川さゆりが、八坂神社、鴨川、島原大門、輪違屋(わちがいや)を訪れました。石川さゆりは椎名林檎との出会いについて「2011年の紅白歌合戦で、何か一緒に作れたらいいですねなんてお話をさせてもらったのが一番最初の出会い」と語りました。また、椎名林檎は中村勘三郎から亡くなる前に「「さゆりさんに書くんでしょ。すごく楽しみにしてるね」と言われた」と明かしました。「名うての泥棒猫」は、中村勘三郎はザ・ピーナッツが大好きで、1曲そういうのもお書きしたいなと思っていた」と語りました。石川さゆりは「今度じゃあ着物でやっちゃう?」と話すと、椎名林檎は「はい、ぜひ」と応じ、石川さゆりは「いろんなところでいろんなことを。事件を起こしましょうね」と応じていました。この「事件」が今回の京都音楽博覧会での共演にあたるのかもしれません。
椎名林檎 ちょっとしたレコ発 2014 〜大阪港へ逆輸入〜」には出演しなかった斎藤ネコカルテットとの共演も意外でした。ドラムなしの編成は初披露でしたが、アレンジも悪くなく、椎名林檎らしさがよく出ました。音量は控えめでしたが、逆にうるさくなくてよかったです。
ライヴ直前の9月19日には、5年ぶりのオリジナルアルバム「日出処(ヒイヅルトコロ)」が、11月5日にリリースされることが発表されました。また、11月末からは「林檎博'14 ー年女の逆襲ー」も開催されます。二度目の出産を経て、椎名林檎の活動が活発になってきました。

1. いろはにほへと (作詞・作曲:椎名林檎)
2. カーネーション (作詞・作曲:椎名林檎)
3. 名うての泥棒猫 (作詞・作曲:椎名林檎)
4. 最果てが見たい (作詞・作曲:椎名林檎)
5. 丸の内サディスティック (作詞・作曲:椎名林檎)
6. 歌舞伎町の女王 (作詞・作曲:椎名林檎)
7. NIPPON (作詞・作曲:椎名林檎)
8. ありあまる富 (作詞・作曲:椎名林檎)


以下は、椎名林檎以外のアーティストを、出演順に紹介します。

<サラーム海上の音楽遊覧飛行(from 高崎)> 11:30〜
<トミ・レブレロ(from アルゼンチン)> 12:10〜
<サラーム海上の音楽遊覧飛行(from 高崎)> 12:45〜

この3つは見ていません。『ROCKIN'ON JAPAN』(2014年12月号)によると、「サラーム海上の音楽遊覧飛行(from 高崎)」は、中近東やインドの音楽に詳しいサラーム海上が、くるりの岸田繁とトークしながら進行して、12:00にはくるりが開催宣言を行ったようです。トミ・レブレロはバンドネオン奏者だったので、見ておいた方がよかったかもしれません。

1.Negro Jefe
2.Noche en la pampa
3.Siete Dias
4.Matsuo Basho
5.Doctorado en Santiago de estero
6.Familia Equina
7.Cuando a Caballo


<ヤスミン・ハムダン(from レバノン)> 12:55〜
女性です。今回が初来日とのこと。緩い曲が多かったですが、声がいい。1曲目「HAL」のエキゾチックな雰囲気がよかったです。このライヴの趣旨にふさわしい、いい音楽と出会えました。挨拶は日本語で話しました。伴奏はギター、ドラム、キーボードの三名。30分ほどで終了しました。

1.HAL
2.Deny
3.Ne diya
4.Beirut
5.Aziza


<サム・リー(from イギリス)> 13:45〜
イルカショーが終わるのを待ったため、少し遅れてスタート。男性ヴォーカルが「Old England song」を歌いました。伴奏はヴァイオリン、ドラム、ピアノ・琴・三味線の三名。琴と三味線はこのライヴのための特別編成なのでしょうか。縦ノリの曲はなかったため、会場から手拍子もなく、静かに聴いていました。

1.Wild Wood Amber
2.Airdog
3.The Ballad of George Collins
4.Jews Garden
5.Goodbye My Darling


<tofubeats(from 神戸)> 14:10〜
tofubeats(トーフビーツ)は男性一人。この時点で15分押しで、14:25から始まりました。ステージ上に置かれた机のような機械を操作しながら、マイクを持って歌いました。6曲歌いましたが、切れ目なく演奏しました。ビート感ある曲が多い。3曲目「Don't Stop The Music」は、突然ステージにいない女性の声が聴こえてきたのでびっくり。この曲は森高千里がフィーチャリングで参加しています。森高千里の声は特徴的なのですぐに分かりました。なかなかいい曲です。この頃からレジャーシートに座っていた人が立ち上がりはじめました。5曲目「ロックンロール・ハネムーン」はくるりの曲。好意的な反応でした。tofubeatsは初めて聴きましたが、作品のクオリティが高くて気に入りました。今後の活躍に注目したいです。

1.No.1
2.No.1(remix)
3.Don't Stop The Music
4.朝が来るまで終わる事の無いダンスを
5.ロックンロール・ハネムーン(tofubeats remix)
6.水星


<ペンギン・カフェ(from イギリス)> 16:25〜
ヴォーカルなしの9人編成。ROVOのイギリス版といった感じですが、ビートがきつくなく、野外コンサート向きです。反復が多い。カントリー風の曲もあります。4曲目「Swing the cat」は、同じフレーズが繰り返されますが、だんだんテンポが早くなる曲で、分かりやすい。なお、3日後の24日(水)には京都コンサートホール(アンサンブルホールムラタ)でも演奏会が開催されましたが、チケットが完売したようです。17:05に終了。

1.Telephone and rubber band
2.Catania
3.Solaris
4.Swing the cat
5.Perpetuum Mobile
6.Found Harmonium
7.Black Hibiscus
8.Beanfields
9.Salty Bean Fumble


<くるり(from 京都)> 17:45〜
トリはくるりです。開演までの間、くるりのPVが左右のモニターに流れました。少し早めに17:42にスタート。レジャーシートに座っていた人もほぼ全員が立ち上がりました。やはりくるリが一番のお目当てのようです。岸田繁がイスに座ってアコースティックギターを弾きながら歌いました。その左隣で佐藤征史が立ってベースを演奏。その左隣でファンファン(女性)がトランペットを演奏しました。くるりは3人編成ですが、ステージは9人で演奏。「サスペンダーズ」という名前の男二人のバックコーラスもいました。メンバー紹介では「ユーホニウムとパソコン」などユニークな担当楽器もありました。昭和っぽい音楽で、刺激的なビートはありません。まったりムードで、観客は身体を揺らしながら静かに聴いていました。芝生広場の周りには照明設備がないため、会場内はほどよい暗さになって、ステージの照明効果もきれいでした。また、日が落ちると涼しくなってきました。
岸田のMC。「くるりはオーガナイザーの役目で、最後に演奏させてもらっています。今日の音博は楽しかったですね。(音博が始まった時にはなかった)京都水族館ができて、徐々ににぎわいつつある。今後も(8年目にちなんで)末広がりでやっていきたい」と話しました。また、「音博は僕らにとっては大みそかみたいなもの」とぼそぼそと話しました。アンコール前のMCでは、「石川さゆりさんが出演したのは反則だよね」とコメント。最後に「イルカありがとう、近隣住民の方ありがとうございます」と話して、岸田が拍手すると、観客からも拍手が起こりました。
アンコール2曲目「宿はなし」は、『ROCKIN'ON JAPAN』(2014年12月号)によるとこのライヴでいつも最後に歌われる曲とのこと。19時頃に終演しました。

1.2034
2.日本海
3.Brose&butter
4.Liberty&Gravity
5.time
6.三日月
7.Jubiliee
8.グッドモーニング
9.loveless
10.東京
E1. There is(always light)
E2. 宿はなし


全体の感想
ライヴイベント全体の雰囲気に好感が持てました。「RISING SUN ROCK FESTIVAL 2008 in EZO」や「テレビ朝日ドリームフェスティバル2011」のように、開演前のオープニング映像はなく、アナウンスなどの前触れもなく、開演時間になれば突然ステージが始まりました。運営側から必要以上に盛り上げたり煽るような演出はないため、焦ることなく自分のペースで音楽を楽しめました。基本的に静かな進行で、観客の中にもガツガツした人は少なかったです。オフィシャルホームページに掲載された兵庫慎司の「初心者の方のための「京都音楽博覧会」解説」には、「音は小さめ」と書かれてありましたが、それほど気になりませんでした。雨天決行だったので、天気がよくてラッキーでした。DVD化も期待したいですが、発売されたのは一部年度(2011年)のみのようです。
なお、『ROCKIN'ON JAPAN』(2014年12月号)および『SWITCH』(2014年11月号)に記事が掲載されました。
終演

2014.11.27 記


椎名林檎 ちょっとしたレコ発2014 〜大阪港へ逆輸入〜 椎名林檎 林檎博'14 −年女の逆襲−