RISING SUN ROCK FESTIVAL 2008 in EZO


	
<東京事変> 2008年8月15日(金)19:00開演
椎名林檎(vox)、伊澤一葉(key)、浮雲(guitar)、亀田誠治(bass)、刄田綴色(drums)

<椎名林檎> 2008年8月16日(土)20:20開演
椎名林檎(vo,p)、斎藤ネコカルテット(斎藤ネコ(1vn)、グレート栄田(2vn)、山田雄司(va)、藤森亮一(vc))

石狩湾新港樽川ふ頭横野外特設ステージ SUN STAGE

座席:自由


「RISING SUN ROCK FESTIVAL 2008 in EZO」に、椎名林檎が2夜連続で出演しました。今年で10周年を迎えた野外ロックフェスティバルです。初の北海道旅行をかねて参戦です。
2日間にわたって行われる野外ライヴですが、2日目はオールナイトで、「RISING SUN」の名前が示すように3日目の朝に朝日を見て終了です。期間中は、会場内のテントサイトにテントを張ることができます。都会では考えられないスケールの大きなライヴイベントです。

椎名林檎も今年でデビュー10周年を迎えました。椎名林檎は「RISING SUN ROCK FESTIVAL in EZO」に過去2回出演していて、今回が3回目の出演です。最初の出演は、記念すべき第1回(1999年)。斎藤ネコ(ヴァイオリン)と椎名林檎(ピアノ)だけのステージでした。他の出演者を見ても、2人だけの楽器編成によるステージは異色でした。このときの映像を見たことがありますが、強烈な印象が残っています。「時が暴走する」は鳥肌が立ちましたね。続いての出演は第8回(2006年)で、ZAZEN BOYSにゲスト出演。「KIMOCHI」を歌いました。3回目の今年は、「東京事変」(15日)と「椎名林檎」(16日)の、バンドとソロでそれぞれ出演しました。東京事変としては「東京事変 live tour 2007 Spa & Treatment 」以来のライヴ。椎名林檎としては、2005年12月13日・14日の「林檎班」限定イベント(恵比寿ガーデンホール)以来で約3年ぶりと思われます。椎名林檎のステージで、誰が伴奏するのかも注目のひとつでした。

チケット確保
チケットの一般発売は、6月28日(土)でした。その時点では、まだ夏休みの予定が分からなかったので見送り。7月中旬に「通し入場券」(14,000円)を購入しました。定員は各日35,000名のようで、そんなに早く完売にはならないようです。続いて、シャトルバス(地下鉄麻生駅〜ライヴ会場)のバス券(600円×4枚)も購入しました。また、10周年記念誌『RISING SUN ROCK FESTIVAL 10』を購入して、ライヴの雰囲気を予習しました。付録のDVDに第1回の模様が収録されていて、椎名林檎も映っていました。

北海道へ
初の北海道旅行は、京都から北海道にどうやって移動するかが問題でした。移動日程がお盆の帰省ラッシュと重なってしまったため、なかなか予約が取れなくて困りました。もともと飛行機には乗らないことにしているので、フェリーか電車が候補です。せっかく北海道に行くのでライヴだけではもったいないということで、6泊7日の日程に決定。東北新幹線で八戸まで行って、函館経由で札幌入りすることにしました。特急スーパー白鳥で初めて青函トンネルを通過しました。函館観光も楽しかったです。
ライヴ前日の14日(木)の午後に、函館から特急スーパー北斗に乗って札幌入り。北海道の夜は肌寒く感じられたのと明日の天気予報が雨だったので、すすきの周辺で買い出し。レインコート、パーカー、帽子、レジャーシートを購入しました。同じようにRISINGに参加するであろう人が見られて、早くも前日から札幌に集結しているようでした。

1日目 15日(金) 会場へ
1日目は11:00開場、15:00開演です。朝から小雨が降るあいにくの天気でした。午前中は札幌市内を観光。12:00頃に地下鉄南北線に乗って、終点の麻生(あさぶ)駅へ向かいました。地下鉄の車内は、ライヴ会場に行く人でいっぱいでした。
地下鉄南北線(さっぽろ駅)

12:20頃に麻生駅着。ここで会場直行のシャトルバスに乗り換えます。改札口を出てびっくり。なんとシャトルバスを待つ大行列が地下道にできていました。待つことをまったく考えていなかったのでびっくり。計算が外れました。仕方なく列に並びます。いきなり体力を試されました。30分並んで、シャトルバスに乗れました。乗車の際に、事前に購入したバス券を渡します。公式ホームページには「バス券は必ず事前にご購入の上ご利用ください」と掲載されていましたが、当日に現金600円を出せば乗せてくれるようです。
地下鉄南北線麻生駅 RSRシャトルバス乗り場の掲示(麻生駅) シャトルバスを待つ行列(麻生駅地下通路) シャトルバス

天気は傘がないと困るほど雨がきつくなっていました。シャトルバスは西5丁目樽川通、石狩手稲通、新港中央1交差点を通って会場へ。予想以上に遠くて、とても歩いていける距離ではありませんでした(約15km)。40分バスに乗って、13:30頃に会場前に到着。バスの中から見えたのは、会場への入場待ちの大行列。思わずため息。バスを降りるとかなりの大雨が降っていました。レインコートを着て並びます。昨日レインコートを買っておいて大正解でした。なんだか難民の群れのような行列で、異様な光景です。悲愴感すら漂うなか、約1時間並んで14:40頃にようやく入場できました。入場ゲートには「WELCOME TO RISING SUN ROCK FESTIVAL GET HAPPY 2/366 DAYS!!」と書かれていました。「2/366 DAYS」の意味するところは、1年のうちこのライヴが行なわれる2日間だけこの会場が使われるということでしょう。会場を設営する前に、草刈りをするそうです。入場時にリストバンドをつけてもらいます。
入場待ちの行列 入場ゲートが見えてくる 入場ゲート 通し券リストバンド

会場はとにかく広くて、本当にびっくり。都会では想像できないほどの広さです。北海道ならではですね。入場ゲートからはSUN STAGEがはるか遠くに見えます。入場ゲートの近くにもテントサイトがあってテントが張ってあってびっくり。しばらく会場内を見学しました。ステージは全部で7つあります。「SUN STAGE(約30,000人収容)」「EARTH TENT(約4,000人収容)」「RED STAR FIELD(約5,000人収容)」「MOON CIRCUS(約5,000人収容)」「GREEN OASIS(約3,000人収容)」「BOHEMIAN GARDEN(約3,000人収容)」「CRYSTAL PALACE(約800人収容)」の7つで、各ステージを移動するのには最短でも約5分かかります。各ステージ間を移動する途中に、リストバンドをチェックする検問があります。腕を上げてリストバンドを見せるか、スタッフとハイタッチして進みます。また、なんと24時間営業のコンビニ(ローソンとサンクス)が臨時で開設されます。インターネットカフェもあります。トイレの数もかなり多い。インフラは予想以上に充実していました。
入場ゲートからSUN STAGEを望む SUN STAGE SUN STAGEレジャーサイト RED STAR FIELD GREEN OASIS HAPPINESS Tent SiteとMOON CIRCUS トイレ EARTH TENT グッズ売場 ローソン サンクス インターネットカフェ


<東京事変> 15日(金)19:00〜19:50 SUN STAGE
メインステージSUN STAGEは、中央に「スタンディングゾーン」があって、その両横に「レジャーサイト」があります。「レジャーサイト」では、ブルーシートをひいて座って見ることができます。また、ステージの両横にモニターが設置されていて、出演者の顔などが大きく映し出されます。スピーカーは大音量なので、後ろのほうでも絶対に聴こえます。開演前に、ローソンで焼きそばとジャイアントフランクを買って食べました。せっかくなのでスタンディングゾーンに行こうとしたのですが、スタンディングゾーンの手前に柵があって、それ以上前に行くことができませんでした。残念。もう少し早くから準備しておけばよかったです。盛り上がりたい人はこの柵の前に行くようにしましょう。
1曲目「丸の内サディスティック」に乗って、メンバーが上手から登場。メンバーの衣装は浴衣でした。椎名林檎は黒い羽織に白色の着物。短髪のおかっぱ頭で、右に白いヘッドドレスをつけていました。距離が離れていたので、ステージはあまりよく見えませんでした。椎名林檎が「お目にかかれて光栄です」という簡単なMC。2曲目は「ランプ」。「交差点が受け止める大量の思惑よ」の歌詞は、ステージに集まった聴衆を前にした自らに置き換えたのかもしれません。休みなしで3曲目は「ミラーボール」。コアな東京事変ファンが多数集まっているようで、「ああもう堪らない」から、椎名林檎がやる前に多くの聴衆が腕を左右に振りました。ベースの通音とドラムの打ち込みに続いて、4曲目は「歌舞伎」。ソロの部分でメンバー紹介ができるので、この曲はライヴの定番になっていますね。椎名林檎はいつものように拡声器で歌いました。休みなしに、5曲目は「OSCA」。同じく拡声器で歌いました。この曲は盛り上がりますね。刄田綴色は、最初に登場したときは上着を半分脱いで片肩を出していましたが、OSCAのときまでに暑くなったのか上着を全部脱いで上半身裸で演奏していました。
ここで、MC。椎名林檎が「北海道内の方が多いですか」と話し、「一番遠くから来てると思う人」と聞くと、聴衆から「北京」と「ニューヨーク」という声が上がりました。海外から来ているなんて聴衆を含めてびっくりしていました。また、椎名林檎が今の時間帯は「スチャダラパーと重なっていて見に行けない。マボロシは見に行けなかったけど、BARBEE BOYSは見る」と話しました。BARBEE BOYSは「東京事変 “DOMESTIC!” Just can't help it.」で「C'm'on Let's go!」をカバーしたので興味があることは知っていましたが、スチャダラパーとマボロシは、あまり出てこないバンドだったので意外でした。椎名林檎がメンバーに「申し上げたいことはありませんか?」と振りました。伊澤一葉は「雨が上がってよかったですね」と話してウケていました。亀田誠治は「師匠」という聴衆の声に、「そんなに求めないでください」といやらしい声で言って爆笑を誘っていました。「すごい気持ちいいね。やってて楽しいです」と話しました。メンバーもMCに慣れてきた感があります。
曲に戻って、6曲目は「ピノキオ」。椎名林檎はこの曲だけギターを弾きました。7曲目は「キラーチューン」。「険しい日本(ここ)で逢えたんだ」の歌詞で歌われているシチュエーションに、この場所はぴったりですね。8曲目は「黒猫道」。椎名林檎が笛を吹いて、エアホーン(パフ)を鳴らしました。「立ち止まって撫ぜられるのも」から男性メンバーのバックコーラス(パパパ)が入りますが、ちょっと音量が大きすぎてバランスが変でした。野外なので仕方ないですか。椎名林檎が短くMC。明日はソロで登場することを言って、最後の9曲目は「閃光少女」。泣けました。初披露された「東京事変 live tour 2007 Spa & Treatment 」でも聴きましたが、歌詞の内容がよく分かりませんでした。改めて聞くと「私は今しか知らない 貴方の今に閃きたい」という歌詞がとてもマッチしました。すごい名曲ですね。スバルSTELLAのテレビCMでも使われていたので、聴衆のノリもよかったです。伊澤一葉がギターを弾いていました。後奏で椎名林檎が先に退場しました。演奏中はほとんど雨が降らなくてよかったです。
東京事変を野外ライヴで聴いたのは初めてでしたが、これまでに聴いたホールでのライヴのなかでもベストパフォーマンスでした。椎名林檎の声の伸びが最高。狭いライブハウスなどと違って、野外ライヴのさえぎるものが何もない環境はアーティストにとっても演奏しやすいのでしょう。マイクテストではスピーカーのうるさいくらいに大きな音量にびっくりしましたが、本番はスカッとした聴きやすい音響でした。また、椎名林檎のラ行の巻き舌が少し聴けました。しばらく聴けなかったので珍しい。聴衆のノリも自然と手拍子や掛け声が起こるなど大盛り上がりでした。初めて東京事変を聴いた人も虜にしてしまう魅力ある演奏でした。北海道で東京事変ファンを増やしまくったのではないでしょうか。

辺りはすでに暗くなっていました。テントサイトには照明設備がほとんどないので本当に真っ暗でした。自然の中にいる雰囲気ですね。SUN STAGE周辺のHEAVEN'S TENT SITEは、夜も音がうるさいのであまり寝れないでしょう。
終演後に、グッズ売場で椎名林檎・東京事変のグッズを購入。グッズ売場は出演した全アーティストのグッズを取り扱っていますが、椎名林檎・東京事変の列だけが異様なほど大行列でした。並びすぎ。このライヴイベントのためのグッズを準備したからでしょう。「Tシャツ”レフト・ビハインド”濃紺M」(3500円)と「Tシャツ”ワイドシャット”グレーM」(3500円)を購入しました。「レフト・ビハインド(濃紺)」は、ほとんど黒色です。銀箔で、ハサミ、メガネ、スプーン、フォークなどが描かれています。「ワイドシャット」は、長靴、オーボエのような楽器、弦楽器の弓などが描かれています。つづいて、RSRオフィシャルグッズを購入するための列に並びましたが、多くのグッズがすでに完売していました。「パンフレット」がお目当てでしたが、すでに完売したとのこと。明日10:00に再入荷して発売するとのことで、また明日来ることにしました。
このあとに、20:20〜21:10(GREEN OASIS)で「小谷美紗子」を聴きに行く予定があったのですが、時間がなくなってしまったのと、「閃光少女」の余韻にひたりたかったので、今日はこれ以上聴きたくないと思ったのでやめました。また、23:00〜23:50(RED STAR FIELD)の「山下洋輔ニュー・カルテット」にも興味があったのですが、シャトルバスの運行が23:30で終わってしまいます。タイムテーブルにも「for CAMPERS」の表示がしてありました。会場内で野宿をすればいいですがリスクが高いのであきらめて帰りました。20:45頃に退場。復路のシャトルバスはほとんど待たずに乗れました。バスの中から、駐車場付近の沿道にタクシーが行列を作って並んでいるのが見えました。出費はすごくかかりますが、タクシーに乗れば帰れないこともないですね。
東京事変(SUN STAGE) グッズ売場 入場ゲートからSUN STAGEを望む

1.丸の内サディスティック (作詞・作曲:椎名林檎)
2.ランプ (作詞:椎名林檎 作曲:浮雲)
3.ミラーボール (作詞・作曲:浮雲)
4.歌舞伎 (作詞・作曲:椎名林檎)
5.OSCA (作詞・作曲:浮雲)
6.ピノキオ (作詞・作曲:伊澤一葉)
7.キラーチューン (作詞:椎名林檎 作曲:伊澤一葉)
8.黒猫道 (作詞:椎名林檎 作曲:伊澤一葉)
9.閃光少女 (作詞:椎名林檎 作曲:亀田誠治)

 


2日目 16日(金) 会場へ
2日目は13:00開演でしたが、10:00からグッズ販売が始まります。昨日買えなかったRSRオフィシャルグッズを買うために、朝早く起きました。9:40頃に麻生駅に到着。まだ早いので、並ばずにシャトルバスに乗れました。天気は雲はあるものの晴天でした。10:10頃に会場に到着。再入場ゲートを通って10:20頃に中に入れましたが、グッズ売場にはすでに大行列ができていました。こんな早くから並ぶなんてお互いすごいですね。販売開始40分で、早くも売り切れ商品が出たとのアナウンスがありました。約1時間並んで「パンフレット」(600円?)と「ARTIST Tシャツ黒M」(2500円)を購入しました。「パンフレット」には、出演アーティストからのメッセージが寄せられています。「東京事変」には「私、生まれて初めての夏Fesです.どうぞ宜しく願います.ukigmo」という浮雲のメッセージとともに、大きなカニの絵が描かれています。カニのハサミがギターになっているのがおもしろい。絵が上手ですね。「椎名林檎」には女の子のスカートが扇風機の風でめくれる絵。「キャー 夏。」と書かれています。椎名林檎らしい絵です。「ARTIST Tシャツ」には、出演したアーティスト名がずらりと書かれています。「東京事変」と「椎名林檎」の名前が1枚のTシャツに書かれているので貴重でしょう。なお、RSRオフィシャルグッズは、公式ホームページで先行予約で販売していました。確実に手に入れるためにはホームページから事前に予約したほうが賢明でしょう。
再入場ゲートへ向かう 再入場ゲート グッズ売場に並ぶ行列


<椎名林檎> 16日(土)20:20〜21:10 SUN STAGE
椎名林檎は20:20からSUN STAGEでスタート。その前はMr.Children(18:10〜19:10)で、間に休憩が1時間以上もありました。Mr.Childrenが終わるとすぐにスタンディングゾーンに行きました。がんばって前から10列目くらいに陣取りました。開演までまだ1時間以上あるのにすごい人です。ステージセットは、ステージの左側にピアノ、右側には透明のフィルムで覆われたサッカーゴールのような囲いが斜めに置かれていました。その装置のなかにイスと譜面台が4個置かれました。
開演前になんと花火が打ち上げられました。けっこう長い時間続いて、がんばってくれました。聴衆からは大きな拍手。メンバー4人が、白衣を着て下手から登場。上述したサッカーゴールの中のイスに座りました。ヴァイオリン2、ヴィオラ1、チェロ1の編成でした。つづいて、椎名林檎が白い上着と黒いズボンで登場。「林檎班」女史近影に掲載された写真を見たところでは、白いジャケットには歌詞が印刷されていたようです。会場ではさすがにそこまでは確認できませんでした。椎名林檎はピアノのイスに座りました。注目の1曲目は、聴いたことがない曲で、歌詞が英語でした。後の椎名林檎のMCで、バート・バカラック(Burt Bacharach)の「Alfie」だったことが分かります。有名な曲らしいですが、私は初めて聴きました。椎名林檎はイスに座って歌うので、立って歌うよりも姿があまりよく見えませんでした。後ろの人が椎名林檎見たさにものすごく押してきます。押し合いへしあいで大変でした。あまり演奏を集中して聴ける環境ではなかったです。気分が悪くなる人も出ていました。また、モニターにはステージの様子とともに、歌詞が字幕で表示されました。他のアーティストでは歌詞は表示されなかったので、椎名林檎のリクエストでしょう。歌詞も含めて楽しんでほしいのか、一緒に歌ってほしいからなのか、意図は分かりませんでした。
2曲目は「ポルターガイスト」。3曲目は「化粧直し」。淡々と進みます。4曲目の「罪と罰」で、椎名林檎が初めてピアノを弾きました。林檎のピアノを生で聴いたのは今回が初めてでしたが、歌声に気が行ってしまって、じっくり聴けませんでした。惜しいことをしました。休みなしに5曲目は「とりこし苦労」
ここでMC。椎名林檎が斎藤ネコカルテットを紹介。1曲目は、バート・バカラックの「Alfie(アルフィー)」だったことを紹介。バート・バカラックは、椎名林檎が「好きな作曲家」とのことで、来日したときに家族で見に行ったとのこと。なんと「バート・バカラックから曲を頂戴した」とのことで、今回初めて披露しました。椎名林檎はいろんなアーティストと親交がありますね。曲名は「You」。もちろん歌詞は英語です。モニターには日本語の訳詞も表示されていたようです。7曲目は「駅前」。8曲目は「歌舞伎町の女王」。この曲は10年前のステージでも披露しています。9曲目は「茎(STEM)」。英語の歌詞です。演奏が終わると、斎藤ネコカルテットのメンバーを起立させて、一人ずつメンバー紹介。藤森亮一(チェロ)、山田雄司(ヴィオラ)、グレート栄田(第2ヴァイオリン)を紹介。後で調べたところ、チェロの藤森亮一はNHK交響楽団の首席チェロ奏者とのこと。知りませんでした。斎藤ネコ以外の3名は退場しました。また、「これで私が用意した曲は終わりですが、最後に1曲」ということで、椎名林檎が斎藤ネコと初めて録音した曲「同じ夜」を演奏。椎名林檎はステージ中央で立って歌いました。斎藤ネコがピアノ伴奏を担当しました。斎藤ネコがピアノを弾くなんて超レア。
椎名林檎としては10年ぶりのRISING出演で、もしかしたら10年前のセットリストをそのまま再現して演奏するかもしれないと思いましたが予想が外れました。曲目は、バート・バカラック(Burt Bacharach)以外は、東京事変時代の曲もありましたが、すべて椎名林檎が作詞・作曲した曲でした。東京事変として活動するときと、椎名林檎としてソロで活動するときでは、曲の選択にも意図があるようです。また、前日の東京事変のステージとは、明らかにキャラクターを変えて臨んでいました。MCも少なく、あっさりしていてそっけない。椎名林檎の二面性を思い知りました。聴衆は手を挙げて踊るようなことはなく、静かに聴いていました。前日の東京事変のステージを見て、今日も盛り上がろうとした人は、期待外れだったでしょう。前で見るよりも、モニターの歌詞を見ながら後ろのほうで聴いたほうがよかったですね。少しモヤモヤ感が残るステージでした。
それにしても、30,000人収容の大ステージで、ピアノと弦楽四重奏だけで聴かせるとはすごいです。ただし、10年前はピアノとヴァイオリンの2名だけでしたが、今回は5名。10年前のステージ内容を知っているため、衝撃度は低かったです。
11月末には「椎名林檎 生林檎博'08 〜10周年記念祭〜」がさいたまスーパーアリーナで3日間行なわれますが、こんな感じのステージになるでしょうか。
椎名林檎(SUN STAGE) 花火

1.Alfie (作詞・作曲:Burt Bacharach & Hal David)
2.ポルターガイスト (作詞・作曲:椎名林檎)
3.化粧直し (作詞・作曲:椎名林檎)
4.罪と罰 (作詞・作曲:椎名林檎)
5.とりこし苦労 (作詞・作曲:椎名林檎)
6.You (作詞・作曲:Burt Bacharach?)
7.駅前 (作詞・作曲:椎名林檎)
8.歌舞伎町の女王 (作詞・作曲:椎名林檎)
9.茎(STEM) (作詞・作曲:椎名林檎)
10.同じ夜 (作詞・作曲:椎名林檎)

 


以下は、東京事変・椎名林檎以外のアーティストを、出演順に紹介します。

<安藤裕子> 15日(金)15:30〜16:20 RED STAR FIELD
安藤裕子は名前を聞いたことがある程度しか知りませんでした。RED STAR FIELDのトップバッターです。小雨が降るなか始まりました。安藤は緑色のキャミソールワンピースに黒の上着の衣装でした。安藤は腰を曲げたりかがめたりして歌いましたが、盛り上がりはいまひとつ。縦ノリの曲がもともと少ないです。曲想からしても、昼間ではなくて夜に聴きたいです。安藤は声域は広いですが、声量があまりありません。その割には、伴奏が重厚すぎ。あまり野外向きライヴでないですね。隣のSUN STAGEの音が漏れて聴こえて、うるさく感じました。月桂冠「つき」のCMで使われた「のうぜんかつら(リプライズ)」がやはり名曲ですね。ピアノ伴奏だけで十分です。MCも少なかったです。終わる頃には雨が少し上がりました。
安藤裕子開演前(RED STAR FIELD)

1.HAPPY
2.み空
3.ドラマチックレコード
4.のうぜんかつら(リプライズ)
5.海原の月
6.パラレル
7.The Still Steel Down
8.聖者の行進


<矢野顕子> 15日(金)17:00〜17:50 RED STAR FIELD
安藤裕子から引き続いて見ました。RED STAR FIELDは地面に藁がひいてあるのですが、立っているとけっこう足腰の負担になるので、ステージの横に立てられている木の柵にもたれて見ることにしました。風が強くなってきたので、パーカーを着ました。意外に寒い。雨は少しおさまりました。
矢野顕子はピアノの弾き語りなので1人で登場。1曲目から魅了されました。声もピアノも表情が多彩。即興的な部分もあって、笑ったり、つぶやいたり、ささやいたり、いろんな表情で歌います。自然体で、楽しみながら歌っています。ピアノも多彩なアーティキュレーションを駆使して、自由自在に奏法を操ります。楽譜の領域を超えていますね。ここまで完成度が高いと、他の楽器はいりません。人間味があふれる演奏でした。
後半では過去にイベントで同じだったという奥田民生の「股旅」のカバーを披露。「前進前進」という歌詞が印象的です。原曲を聴いたことはありませんが、矢野顕子色に染まった演奏で、アレンジを超えた再創作といえるでしょう。すばらしい。「ごはんができたよ」は、何かのテレビCMで使われていましたが、生で聴くとまた格別。ラストは「ひとつだけ」。川村結花がFMで生演奏でカバーしたのを聴いたことがあります。名曲ですね。
また、MCもおもしろい。「今日の飛行機はくるりの岸田くんと同じだった。くるりには雨はやめさせられなかったけど、私はどう?」と、雨がやんだことを聴衆にアピール。また「朝から「狼スープ」というラーメン屋さんでラーメンを食べた。おいしいというか衝撃ですね」と話しました。「狼スープ」は矢野顕子が立ち寄ることが多いとのこと。日本語版と英語版の2種類のCDがリリースされるようで、「お金がある人は両方買ってください。お金がない人はしょーがないよねえ」と言って笑わせました。また、「業務連絡。ピアノのモニターをもう少しください」とスタッフに伝えました。周囲の音で、自分の音が聴こえにくかったのでしょう。隣にあるRED STAR CAFEの音も結構うるさかったです。
矢野はもう50歳を超えていますが、世代を超えて楽しめる音楽といえます。唯一無二の存在です。また聴きたいです。
矢野顕子開演前(RED STAR FIELD) 矢野顕子のピアノ(RED STAR FIELD)

1.BAKABON
2.おいてくよ
3.さようなら
4.When I Die
5.Evacuation Plan
6.変わるし
7.雷が鳴る前に
8.股旅
9.ごはんができたよ
10.ひとつだけ


<押尾コータロー> 16日(土)13:00〜13:50 GREEN OASIS
2日目は朝早く起きて「パンフレット」と「アーティストTシャツ黒M」が購入できたので、会場内を散策。昨日と違って、やっぱり野外ライヴは晴天に限りますね。SUN STAGEのレジャーサイトは朝早いだけあって、まだまだ空きスペースがあります。12:00頃からRED STAR FIELDで、マイク調整をかねた洋楽のライヴが始まりました。スタッフかと思いましたが、なんとアーティスト本人だったことが判明。13:00からRED STAR FIELDではじまる「OVERGROUND ACOSTIC UNDERGROUND」というアコースティック・バンドです。外人さんがヴァイオリンを弾いていました。昼ごはんは、FOOD COURT「SOUND RESTRAUNT」で北海道名物のジンギスカン丼を食べました。
SUN STAGEへ SUN STAGE レジャーサイト FOOD COURT「SOUND RESTRAUNT」 ジンギスカン丼700円

押尾コータローは、一度生演奏を聴いたことがあります。GREEN OASISはテントが張ってあります。他のステージとは異なり、座って見るのがルールのようで、立って見たい場合は後ろで立って見るとのこと。押尾コータローがジーパンにアロハシャツの衣装で登場。「10周年おめでとう。会いたかったでー」というMCで演奏がスタート。しかし、いきなり弾き間違えたようで「もう1回やらせてください」と言ってMCからやり直し。笑えました。押尾コータローは歌いません。アコースティックギター1本で演奏しました。また、ずっと立って演奏しました。ギターを叩いたり弾(はじ)いたり多様な奏法を駆使。ギター1本でよくここまで表現できるものです。まさに驚異的。どうやっているかスロー映像で見たいです。両手をネックの部分で演奏して、ギターをシンセサイザーのように聴かせました。ただし、どの曲も曲想が似ていて、ワンパターンに聴こえてしまうのが残念です。坂本龍一の「戦場のメリークリスマス」はうっとり聴かせました。なお、曲によって演奏するギターを変えていました。同じアコースティックギターでもいろいろあるんですね。
MCもおもしろく、曲間で「次はチューニングをお聴きください」とか、「夢は持ち続けなかなわへんで」などと話しました。また聴衆からの「男前!」という掛け声には、「もっと言って」と反応。全員で「男前!」とコールさせました。途中で聴衆にウェーブをさせたりしました。ラストでは「狭いですね。伸びをしましょう。ご起立ください」と言って、聴衆全員を立たせました。そのまま最後の1曲に。「次は大雨という曲ですが、今日は大丈夫でしょう」と言って演奏。ノリがいい曲なので、この曲は聴衆を立って聴かせたかったのでしょう。聴衆も手拍子で盛り上がりました。
GREEN OASISへ GREEN OASIS 押尾コータロー開演前(GREEN OASIS)

1.Rushin'
2.サバンナ
3.戦場のメリークリスマス
4.ブラックモンスター
5.PEACE!
6.Big Blue Ocean
7.翼〜you are the HERO〜
8.HARD RAIN


<ゴンチチ> 16日(土)15:20〜16:10 GREEN OASIS
RED STAR FIELDでは、先ほどリハーサルを見た「OVERGROUND ACOSTIC UNDERGROUND」(13:00〜13:50)が本番のステージをしていました。次の時間は、「アナム&マキ」(14:10〜15:00 GREEN OASIS)に興味がありましたが、朝早起きしたので疲れてしまいました。RED STAR CAFEの近くで寝転がりました。ただし、ステージの音が結構うるさくて寝れませんでした。また風も強かったです。寝るのをあきらめて、RED STAR CAFEでアイスコーヒーを飲みました。
RED STAR CAFE

ゴンチチは名前だけ知っていました。ソプラノギターやウクレレの二重奏です。2人がスーツで登場。最初に「どっちがゴンでどっちがチチか知ってる?」と聞いて、向かって左に座るゴンザレス三上と、右に座るチチ松村をそれぞれ紹介。ゴンチチは、ゴン+チチだったんですね。ロックフェスティバルにしては、少し異なるジャンルからの出演と言えるでしょう。出演アーティストの中でも最年長かもしれません。それでも、RISINGには今回で3回目の出演とのこと。また、今年で結成30周年を迎えたとのことです。
繊細な音楽で、ゆったりした曲にうっとりしました。ゴンザレス三上がメロディーを弾いて、チチ松村が伴奏する役割分担のようです。「季節も全然あってない」と言って演奏した「枯葉」は、聴かせる編曲でした。マンダム「ルシードL」のTVコマーシャルで使われていた「放課後の教室」も披露。途中で「リズム感のある曲を」ということで、パーカッションでつじこうすけが登場。若かったです。また、チチ松村が「激しいのをやるみたいです」と一旦退場。ゴンザレス三上とつじこうすけの2人で、ハイテンポな曲(Acoustic eel)を演奏。演奏後に、戻ってきたチチ松村が「よーがんばったね」とゴンザレス三上の肩をもみました。ゴンザレス三上は「つかれました」と話しました。
曲間のMCは、独特のゆっくりしたテンポで話されて、漫才のようにおもしろくて笑えました。リリースされたCDを「頼むから買って」と話しました。また、お菓子のチョコボールのキャラクター「キョロちゃん」のファンクラブに、ゴンザレス三上が入会したところ、メールニュースに「「(夏休みの)宿題は済んだかな」と送られてきた」と話して大爆笑。チチ松村が「ゴンチチちょっと気に入りましたか」と聴衆に聞くと大きな拍手。「でもすぐに忘れるんですよ」と話して爆笑。北海道から来ている人に手を挙げさせましたが、かなり多くの手が挙がりました。遠方から来ている聴衆は少数派のようです。
押尾コータローとは違った演奏スタイルで、ギターの魅力を伝えてくれました。テクニックではなく、音色や間で聴かせました。ただ、他ステージの音がうるさかったのが残念。

1.歩いても歩いても
2.忘我の調べ
3.課外授業
4.B-72
5.枯葉
6.スカボロフェア
7.放課後の音楽室
8.ソロゴンの辻
9.Acoustic eel
10.My favorite things


<元ちとせ> 16日(土)16:40〜17:30 GREEN OASIS
開始前からGREEN OASISのテントに人がぎっしり埋まっていました。元ちとせが水色の上着で登場。伴奏は、チェロ、キーボード、パーカッションという変わった楽器編成でした。元ちとせはウラ声が独特ですね。声がよく通ります。踊りながら熱唱しました。彼女の声はあまり好きではなかったのですが、このステージでちょっと苦手が克服できたかもしれません。MCは意外に普通のきれいな声でした。RISINGへの出演は5年ぶりのとのこと。出演できて喜んでいました。髪を後ろでしばっていましたが、北海道なので「まりもっこり」を意識したとのこと。途中で「アラム&マキ」がゲストで出演。元ちとせのために書いた曲「あかこっこ」を披露しました。リズミカルでノリのいい曲でした。「アナム&マキ」のステージは見に行きませんでしたが、聴くことができて一石二鳥でした。曲を提供するとは、フェスティバルならではですね。

1.ワダツミの木
2.いつか風になる日
3.甘露
4.Perfect
5.あかこっこ
6.恐竜の描き方
7.カッシーニ
8.蛍星


<Mr.Children> 16日(土)18:10〜19:10 SUN STAGE
日が傾いてきたので上着を着ました。また、ローソンでおにぎり2個と焼きそばを買って腹ごしらえ。Mr.Childrenのステージは遠くから見ました。Mr.Childrenは、今年の夏は、5つの野外フェス(ap bank fes '08、HIGHER GROUND 2008、SETSTOCK'08、RISING SUN ROCK FESTIVAL 2008 in EZO、音楽と髭達2008"ONE")に連続出演して話題となりました。RISINGには初出演とのことですが、夕暮れ時のいい時間帯に出演です。また、他のアーティストのステージは50分間ですが、Mr.Childrenは1時間という特別待遇でした。
SUN STAGEは多くの人が集まっていました。レジャーサイトがブルーシートでぎっしり埋まりました。やっぱりMr.Childrenはスタンダードということでしょうか。レジャーサイトの後ろで立って見ました。桜井和寿は黒Tシャツに青ジーパンで登場しました。ギターを弾いたりハーモニカを吹いたりしました。マイクのバランスの問題なのか、桜井和寿の声が聴こえにくかったです。知らない曲が多かったですが、アルバム「シフクノオト」に収録されている「くるみ」「掌」「HERO」はなつかしく聴けました。最後の1曲は「GIFT」。NHK北京五輪放送テーマソングで、テレビでよく流れていました。MCでは「レコーディングのときからこのステージをイメージしていた」と話しました。終盤の「ララララ」は、聴衆と手を振りながら大合唱。私も少しうるっときました。また、桜井和寿は途中のMCで聴衆と一緒に夕焼けを見たり、初めて出演したRISINGのステージに深い感銘を受けたようです。
Mr.Children(SUN STAGE) 夕焼け

1.Worlds end
2.HANABI
3.少年
4.横断歩道を渡る人たち
5.くるみ
6.フェイク
7.掌
8.HERO
9.GIFT


<ZAZEN BOYS> 16日(土)21:50〜22:40 SUN STAGE
椎名林檎の次はZAZEN BOYSです。ZAZEN BOYSを見るのは、COUNTDOWN JAPAN 06/07-WEST-以来です。ただし、ZAZEN BOYSの終了時間と、pe'zmokuの開始時間がバッティングしました。ZAZEN BOYSは、来週の「SOCIETY OF THE CITIZENS vol.2」でも聴けるので、レジャーサイトに座って途中まで見ることにしました。2007年3月にベースの吉田一郎が加入して、メンバーが4人になりました。向井秀徳の「マツリスタジオから〜」という口上を間に挟むステージは、独自のスタイルですね。「全人口の80%以上が変態」と絶叫したりしました。ただし、向井秀徳のシャウトはあまり聴こえませんでした。ニューアルバム「ZAZEN BOYS 4」に収録される新曲「Honnoji」「ダルマ」は7拍子でした。変拍子が好きなバンドですね。聴衆もこのリズムに乗るのは大変でしょう。空にはきれいな月が出ていました。
ZAZEN BOYS(SUN STAGE)

1.SUGAR MAN
2.HIMITSU GIRL'S TOP SECRET
3.Honnoji
4.DARUMA
5.Metal Fiction
6.Asobi
7.I Don't Wanna Be With You
8.KIMOCHI
9.COLD BEAT
10.RIFF MAN


<pe'zmoku> 16日(土)22:40〜00:00 GREEN OASIS
ZAZEN BOYSの途中で、SUN STAGEからGREEN OASISへ移動。通りかかったRED STAR CAFEでは、北京五輪の野球1次リーグの星野ジャパンVS韓国の中継が放送されていて、たくさんの人が座って観戦していました(この試合は日本が負けました)。
pe'zmokuとは、「PE'Z」の5名と、ヴォーカルとギター担当の「suzumoku」の合体ユニット。pe'zmokuとしては、去年デビューしたばかりです。PE'Zには、東京事変で「H是都M」として活動していたヒイズミマサユ機が所属しています。最近では「H ZETT M」名義でソロ活動も行なっています。
GREEN OASISは、お昼のときよりもステージに照明が増設されていました。また、お昼は座って聴きましたが、夜はスタンディングになっていました。後ろのほうでは座って見ている人がいました。思ったほど混んでいませんでしたが、せっかくの機会なので前で立って聴きます。
メンバー6名が赤いとんがり帽子をかぶって、赤いメガネをかけて登場。これがpe'zmokuのお決まりの衣装のようで、最前列近くの聴衆も赤いとんがり帽子をかぶっていました。「とがってますか」と聴衆にアピール。盛り上がりは東京スカパラダイスオーケストラよりも控えめですが、充実した演奏を聴かせます。良質な音楽ファンが集まっている印象を受けました。前半は適度な盛り上がりでしたが、Ohyama "B.M.W" Wataruが「もっとみんなのぶさいくな顔が見たい」と話して、後半は激しく盛り上がりました。ヴォーカルのsuzumokuの音程が不安定なのが残念。また、先月リリースしたデビューミニアルバムは5曲しか収録していないので、このライヴのために新曲を書き下ろすのが大変だったとのこと。「7割新曲です」と明かしていました。最後の「蒼白い街」は今回がライヴ初演のようです。『MUSICA』vol.18 2008年10月号に掲載されたセットリストも「新曲」とクレジットされていました。
ヒイズミマサユ機を初めて見ました。ステージの近くで見られたのでラッキー。手の指にチカチカ点灯するイルミネーションの装置をはめていました。細かいところで目立とうとするのがおもしろい。演奏しながら、頭を振ったり、腰を振ったり、足踏みしたり、大股で歩いたり、ジャンプしたり、聴衆を盛り上げるのに一役買っていました。東京事変のライヴDVDでも見ることができますが、すばらしいパフォーマンスでした。もう少し長く東京事変にいてほしかったです。
pe'zmoku(GREEN OASIS)

1.Drum Thunder
2.酒気帯び散歩(Re-constructed by pe'zmoku)
3.新曲
4.新曲
5.帰り道
6.新曲
7.密室
8.Nica's Dream
9.新曲
10.新曲
11.新曲
12.盲者の旅路(Re-constructed by pe'zmoku)
13.それでもそれでもそれでも
14.流星群
15.ギャロップ
16.蒼白い街


<椎名純平> 17日(日)00:30〜01:20 GREEN OASIS
日付が変わって、引き続きGREEN OASISです。椎名純平は言うまでもなく椎名林檎のお兄さんです。「椎名林檎×斎藤ネコ+椎名純平」名義で「この世の限り」をリリースしました。もしかしたら椎名林檎がサプライズ出演するかもしれないと期待しました。意外にも聴衆はガラガラで、椎名林檎とは大違いでした。
開演前のマイク調整で、なんと椎名純平本人が登場。特徴的な歌声が聴こえたので、もう始まったのかと、惹きつけられるように聴衆が次第に集まりました。楽器編成は、ギター、ベース、ドラム、キーボード(椎名純平)。「椎名純平 & The Soul Force」という名前で活動しているようです。椎名純平は灰色のジャケットにシルクハットの衣装でした。メガネをかけていました。椎名純平はステージ左のキーボードを弾きながら座って歌いました。しかし、キーボードはあくまで伴奏の位置づけとしているようで、間奏などでソロはありませんでした。ソロはギター(竹内朋康)がほとんどでした。竹内のギターがなかなかいい雰囲気で聴かせました。スピーカー音量が大きめで、よく響きました。「DISCO」の前には、椎名純平が「音楽好き?」「踊るの好き?」と聴衆に聞いて、「ではディスコ好き」と話して演奏を始めました。また、聴衆に「ディスコ」のコールをさせました。
テンポの遅いゆったりした曲が多かったです。椎名純平もMCで「まったりした曲が続くけど」と話しました。また、昨日のBARBEE BOYSのステージを見たようで「最高だったね」と話しました。ちなみに、椎名林檎の話はまったくしませんでした。おそらく会場のどこかで会ったと思うのですが。椎名林檎も登場しませんでした。
あっという間でしたが、椎名純平の甘い声をじゅうぶんに堪能できました。最後はあまり声が出ていなかったのが残念。「椎名純平 & The Soul Force」としての活動は、今年6月に始まったばかりのようですが、音楽性が一致したいいメンバーと巡り合えたように感じました。

1.イントロ
2.世界
3.searchin'
4.あざらわう月
5.Groove Inside Of You
6.Waltz
7.白昼夢
8.DISCO
9.ショウタイム


<ROVO> 17日(日)01:30〜02:30 RED STAR FIELD
椎名純平のステージが終わって、SUN STAGEに戻る途中で、RED STAR FIELDで演奏されていた音楽に耳を奪われました。RED STAR FIELDの大トリのROVO(ロヴォ)が演奏していました。なんとも不思議な音楽です。神秘的と言ってもいい。予定していませんでしたが、かなり遠くから座って見ることにしました。途中で横になって少し寝てしまいましたが…。音量がかなり大きい。演奏は、背景に和音を重ねて盛り上がった後に、重厚なリズム音型を加えるという曲が多かったです。究極の反復音楽と言えるでしょう。歌は歌いません。もっぱら楽器のみですが、1曲が長い。MCもなく淡々と進みます。照明効果もすごかった。ROVOのプロフィールを見たところでは、ヴァイオリン担当の勝井祐二が「何か宇宙っぽい、でっかい音楽をやろう」ということで、バンドを結成したようです。ツインドラムということで、ドラムを2台で演奏していたようです。気がつきませんでした。
聴衆の拍手に応えて、アンコールを2曲披露しました。どのアーティストもアンコールはありませんでしたが、大トリの特権でしょう。最後は前に行って聴きましたが、聴衆も激しく盛り上がるのではなく、体を適度に動かして純粋に演奏を楽しんでいました。お目当てのアーティストではありませんでしたが、すばらしい演奏と巡り合うことができました。ふと立ち寄った演奏に立ち寄れるところが、野外ライヴの魅力と言えるでしょう。今回のライヴでの大きな収穫でした。
ROVO(RED STAR FIELD)

1.VITAMIN!
2.AGORA
3.KOO
4.SUKNA
5.CADO
EN1.KNM
EN2.極星


<東京スカパラダイスオーケストラ> 17日(日)04:30〜05:30 SUN STAGE
深夜になってかなり寒くなってきました。体を温めるため、FOOD COURT「SOUND RESTRAUNT」でスープカレーを食べました。SUN STAGEでは、サニーデイ・サービス(3:00〜4:00)が演奏していました。レジャーサイトは、ブルーシートでぎっしり埋まっていましたが、多くの人が寝ていました。サニーデイ・サービスは、「忌野清志郎 & NICE MIDDLE with NEW BLUE DAY HORNS plus 仲井戸“CHABO”麗市」が忌野清志郎のガンの治療で出演キャンセルになったため、急遽出演が決まりました。とても穏やかな演奏で、子守歌効果にはぴったりだったことでしょう。東の空が次第に明るくなってきました。まだ寒いので、ローソンでかきあげうどんを食べました。
ナッカムのスープカレー スープカレー サニーデイ・サービス(SUN STAGE)

4:30から大トリの東京スカパラダイスオーケストラが出演。彼らの生演奏は、COUNTDOWN JAPAN 06/07-WEST-で聴いています。メンバーが白いスーツで登場。サニーデイ・サービスでは寝ていた人が起きて、手拍子したり、その場でジャンプしたり。とにかくすごい光景です。宗教儀式に近い。3万人規模のラジオ体操といった感じ。半端じゃない盛り上がりでした。スカパラは北海道でもすごい知名度ですね。掛け声やアクションも見事にそろっていました。ライヴの帝王と言っていいでしょう。MCでは、谷中敦が「ここまで残ってくれてありがとう」「超セクシーな夜明けだね」「セクシーに踊ってくれよ」と話しました。同じ頃にSUN STAGEの左の東の空から、太陽が顔を出しました。きれいな日の出でした。スカパラの演奏中に荷物をまとめて帰る人もいました。明日から仕事でしょうか。
演奏終了後に、アンコールを求める拍手。谷中が「まだ元気あるんか」と言って再登場。また、「世界中のライヴに行っているけど、RISINGは世界一」と話しました。
東京スカパラダイスオーケストラ開演前(SUN STAGE) SUN STAGE左横から昇る朝日 東京スカパラダイスオーケストラ(SUN STAGE)

1.(We know it's)All or Nothing
2.TONGUES OF FIRE
3.A Song For Athletes
4.Warrior Chant
5.Punch'nSway
6.SKA ME CRAZY
7.ルパン三世'78
8.追憶のライラック trumpet dub ver
9.Perfect Future
10.White Light
11.Pride Of Lions
EN1.Come On !


帰路
アンコール終了後、RISING SUN ROCK FESTIVALプロデューサーの山本博之氏が挨拶。「すばらしい朝日です」と感激していました。また、「家に帰るまでがRISINGです」と話しました。
すべてが終わって帰ろうとしたところ、帰路のシャトルバスを待つ大行列ができていました。また並ばされるのかとがっかりしましたが、もう並ぶのには慣れましたね。約50分並んで、6:30にシャトルバスに乗れました。シャトルバスの中ではみなさん爆睡されていて、とても静かだったことは言うまでもないでしょう。7:15にホテルに着。11時まで寝ました。午後から札幌市内を観光して、翌日に電車で帰りました。
なお、8月下旬に、RSR公式ホームページで「RSRオフィシャルグッズ事後通販」が受けつけられました。売れ残ったグッズが一斉放出されたようです。せっかくなので、「RSRタオル紺」(300円)を2枚購入しました。今のところまだ届いていません。
シャトルバスを待つ行列 「家に着くまでがライジングサンロックフェスティバル!!です」 シャトルバスを待つ行列

全体の感想
1日目の雨は本当にどうなることかと思いましたが、2日目はいい天気でよかったです。悪天候でも多くの人が集まって、みんな音楽が好きなんだと実感しました(私もそのなかの1人でしょう)。ちなみに、会場では場内アナウンスがまったくありません。自分で考えて行動する、他人に迷惑をかけないというのが暗黙のルールでしょう。何もない僻地にこれだけの人が集まるのはすごいですが、わずか1時間程度の出演のために、わざわざ来てくれるアーティストはもっとすごいでしょう。RISINGの10年間の実績のなせる業でしょう。本当に感謝しなくてはなりません。野外ライヴの魅力は、移動中などふと立ち止まって聴けることです。お気に入りのアーティストを新たに発見できるでしょう。今回はROVOを聴けてよかったです。
会場内はとにかく広いですが、いろんな音が鳴っていてかなりにぎやかです。他のステージの音がかぶることも多かったです。逆に静かな場所が欲しいですね。耳が少し疲れました。

今後行かれる方へのアドバイス
来年以降に行かれる方に、今年行った私から気づいたことをいくつか書きます。参考になればうれしいです。
<服装> 一番気をつけなければならないのは服装でしょう。夜は風が強くて本当に寒いです。とても夏とは思えない気温です。逆に、昼間は日光が燦燦と降り注いで暑いです。対策として、服装は3枚用意しておくといいでしょう(1枚目:半袖Tシャツ、2枚目:長袖セーター、3枚目:長袖パーカー)。深夜は3枚着ても寒かったです。
<食料> 意外に苦労しませんでした。コンビニも出店もあまり並ばずに買えました。売り切れる心配もないでしょう。非常食でパンをカバンに入れていましたが、結局会場内で食べることはありませんでした。あえて言えば、ペットボトルの水があれば水分補給には困らないでしょう。食事は会場内にまかせて、その分荷物を減らしたほうが賢明です。なお、テントサイトではバーベキューをしている人もいました。野外キャンプのような楽しみ方もあるでしょう。
<睡眠> 会場内を移動するだけでもけっこう体力を消耗します。ずっと起きているのはかなりきついと思うので、適度に睡眠をとりましょう。私も2日目は2回ほど横になりました。
<宿泊> 通し券の価格に+500円〜+3,000円を上乗せすると、テントサイトのチケットが購入できます。会場との往復移動や、朝早くから夜遅くまでライヴを楽しみたい方は会場内で宿泊したほうがメリットが大きいでしょう。実際にテントサイトにテントを立てずに、折りたたみイスだけ持ち込んでいる人もいました。また、会場内でテントのレンタルもできるようです。ただし、この季節にお風呂に入れないのはきついかもしれません。
<夜間移動> 会場内は照明が少ないので、夜は真っ暗です。テントサイトに宿泊される方は、懐中電灯は必需品でしょう。また、昼間のうちに会場内を下見しておいたほうがいいです。
<雨対策> 天気予報で雨が降る心配がある場合は、レインコートを事前に用意しましょう。
<グッズ購入> 1日目に完売しても2日目に再入荷するので、2日目の朝早くから並んだほうがいいでしょう。並ぶのがいやな場合や絶対に手に入れたい場合は、RSR公式ホームページから、先行予約で販売されるので利用しましょう。ただし、予約期間が限られているので注意しましょう。

2008.9.29記


参考文献:『RISING SUN ROCK FESTIVAL 10』
       『MUSICA』vol.18 2008年10月号



東京事変 live tour 2007 Spa & Treatment SOCIETY OF THE CITIZENS vol.2