同志社交響楽団第10回海外公演出発演奏会
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2026年3月1日(日)15:00開演 同志社大学寒梅館ハーディーホール 岡本陸指揮/同志社交響楽団 ウィルヘルム/同志社カレッジソング 座席:2P列28番 |
同志社交響楽団を初めて聴きました。1925年(大正14年)に創立されて、同志社大学と同志社女子大学の学生を中心に、約160名が所属しています。正課ではなく課外活動のオーケストラです。今年度は過去最多?の51名の新入生が入団したとのこと。昨年に創立100周年を迎えました。立教大学と長年交流があり、毎年「同立交歓演奏会」を東京と京都で交互に開催していて、今年の6月で65回を数えます。
同志社交響楽団の海外公演は1980年のアメリカ演奏旅行が初めてで、1998年以降は3年に1度行なっています。定期的に海外公演を行なっている学生オーケストラは、関西では同志社交響楽団が唯一とのこと。コロナ禍を経ても、海外公演の伝統が続いているのはすごいことです。記念すべき10回目となる今回の海外公演は、チェコ・プラハのドヴォルザークホール(チェコ・フィルハーモニー管弦楽団の本拠地)で、現地時間の3月9日(月)19:00開演で開催されます。参加する団員は、過去最大規模の125名とのこと(ちなみに前回は98名)。なお、プラハで演奏するのは今回が5回目で、前回(2023年)も新田ユリの指揮で同ホールで公演しました。後述するクラウドファンディング支援者に届いたニューズレター(詳細は後述)によると、今回の海外公演は総額6000万円以上の予算規模で、団員一人当たり487,000円(!)を徴収しているとのこと。すごい高額です。現地のホール代は270万円とのことですが、移動費が高いんですね。経済的な理由で参加を断念した団員もいるとのこと。
本公演は海外公演の8日前に、出発前演奏会として開催されました。プラハ市と京都市は姉妹都市提携から今年で30周年ということもあり、本公演と現地プラハでの公演は京都市後援事業となりました。演奏する曲は、ロシア系やナチスに関する曲を外して選曲したとのこと。前週の2月22日にはフェアウェルコンサート2026(京都市呉竹文化センターホール)を開催したので、本番が毎週あるなかなかのハードスケジュールです。
海外公演の開催に向けて、同志社交響楽団のOBを中心とした「響友会」が主体となり、クラウドファンディング「同志社交響楽団をプラハへ送る!」が1月9日からREADYFORで実施されました。目標金額は125万円で、一口1000円(+システム利用料220円)から支援できました。リターンは、本公演への招待、海外公演の準備状況をニューズレターで配信、6月に開催される第19回京都公演(京都府長岡京記念文化会館)の招待でした。本公演の入場は無料でしたが、クラウドファンディングの支援者は座席を確保するとのことで、一口だけ支援しました。座席の希望はGoogleフォームで入力しました。その後、クラウドファンディングの支援者は、本公演のリハーサル(10:30~13:00)の見学も可能との連絡がありました。クラウドファンディングの特典が後から増えて、至れり尽くせりです。
指揮者は岡本陸。1988年生まれの27歳で、洛星高等学校の出身です。2025年にドラティ国際指揮者コンクールで最高位(1位なしの2位)を受賞しました。佐渡裕が指揮するスーパー・キッズ・オーケストラにも在籍したことがあり、現在は同オーケストラの副指揮者を務めています。フィンランドのヘルシンキを拠点に活動しています。合奏指導を務めていた第17回京都市ジュニアオーケストラコンサートのアンコールを指揮したり、母校の洛星交響楽団チャリティーコンサート2024の練習を指導したりしました。
同志社大学の寒梅館は、烏丸今出川の北西にある室町キャンパスに立地しています。ロースクール(司法研究科)とビジネススクール(ビジネス研究科)が設置されています。ハーディーホールは840席で、地下1階にあります。みんなで創る講演会「亀田誠治への挑戦状'2010 〜君の声が亀田に届く〜」で行ったことがあります。
14:00開場でしたが、13:45頃に着いたところ大行列で、予定より早く開場。当日先着の自由席でしたが、クラウドファンディングの支援者は上述したように座席が確保されていました。招待受付コーナーに立ち寄ると、スタッフから座席が伝えられました。2階最前列のいい席でした。ありがとうございます。1000円しか払ってないのに申し訳ないです。なお、上記のGoogleフォームで、座席位置の希望を上手側か下手側かを問う項目があったのですが、中央に撮影カメラが置かれているためということが分かりました。ちなみに2階席は1階席前方の階段から上ります。座席にはサイドテーブルがついています。
立派なパンフレットで、作品ごとのメンバー配置図も挟み込まれていました。また、今回の海外演奏会のロゴ入りシールが全員に配布されました。プログラムに掲載された団員名簿によると、団員は160名です。同志社大学以外では、同志社女子大学18名、京都女子大学2名、京都建築大学校1名、京都大学1名、立命館大学3名がいます。ハープ1名は賛助です。
ハーディーホールのステージは横に長く、ステージとの距離は近い。地下1階だからか、客席内では携帯電話の電波がつながりません。14:35からステージでプレコンサート。アナウンスがよく聴こえませんでしたが、おそらくドヴォルザークの弦楽五重奏曲を演奏。ヴァイオリン×2、ヴィオラ、チェロ、コントラバスの編成だったので、弦楽五重奏曲第2番でしょうか。ゆっくりした曲ですが、音程がかなり目立ちました。10分で終了。開演10分前に、ほぼ満席になりました。
開演前に海外公演実行委員長と広報長の学生がMC。「本公演では海外公演と同一プログラムを演奏する」と説明し、海外公演は3年前から準備して、2025年4月に飛行機が決定したことや、京都市の後援をもらって本公演のプログラムに松井孝治京都市長の祝辞が掲載されていること、昨年11月に初めて岡本の指揮で練習したことなどの準備プロセスが紹介されました。また、クラウドファンディングについては、「125万円が目標で、一人1万円の負担軽減を目指している。現在の達成率は74%で、クラウドファンディングの仕様上、あと1週間で30万円が必要。目標額を超過した場合は3年後の海外公演に積み立てる」と説明しました。
メンバーは女性が多い。プログラム1曲目は、ウィルヘルム作曲/同志社カレッジソング。同志社大学だけでなく、同志社学園のすべての学校の校歌です。カール・ウィルヘルム(Carl Wilhelm)が1854年に作曲したドイツ民謡「ラインの護り(Die Wacht am Rhein)」と同じメロディーです。1909年に校歌に制定されました。歌詞は英語で、作詞者はヴォーリズ建築で有名なウィリアム・メレル・ヴォーリズです。指揮者なしで演奏。聞き慣れた同志社大学応援団の演奏よりもテンポが速い。この曲は歌詞付きで聴きたいですね。
プログラム2曲目は、ドヴォルザーク作曲/序曲「謝肉祭」。岡本は若くスラッとした体型です。指揮者の譜面台はなし。ステージが狭くて、置くスペースがないからかもしれません。速いテンポで、タンバリンが二人もいるのでかなり目立ちます。中間部は丁寧に演奏しましたが、ホールの響きがデッドで、楽器の生音が直接聴こえます。木管楽器のソロは健闘しました。ステージマナーに慣れておらず、演奏後に変な間ができました。メンバーの入れ替え。コンサートミストレスは曲ごとに交代しました。
プログラム3曲目は、芥川也寸志作曲/交響管弦楽のための音楽。なんと前回(2023年)の海外公演でも演奏した作品です。第1楽章は音量を抑えた演奏。コールアングレのソロが上手い。第2楽章は速いテンポで、岡本がよく動きましたが、大阪音楽大学第66回定期演奏会での井上道義の指揮を思い出しました。粗いですが、作品の雰囲気は出ました。
休憩後のプログラム4曲目は、ブラームス作曲/交響曲第2番。直近ではセイジ・オザワ 松本フェスティバル スクリーンコンサートで聴きました。ブラームスらしい響きにこだわらず、ロマンティックに聴こえる演奏。人数が多いヴァイオリンが主体ですが、音色がカサカサしているので、透明感やなめらかさが欲しい。また、中低弦の音量がもっと欲しい。岡本の指揮は振りが大きい。第1楽章はフルートが上手い。第2楽章は冒頭のチェロの音程が目立ちました。ヴァイオリンの抑揚があまりないのも残念。第3楽章は速いテンポ。第4楽章はチェロとコントラバスが人数が多くないからか元気がない。
岡本がマイクを持ってMC。「同志社交響楽団を指揮するのは今回が2回目で、3~4年前にクリスマスのメサイアでご一緒した」と話しました。また、「3年前の海外公演の際、ウィーンに住んでいたので、一緒にウィーンを観光した」と話しました。意外な接点があったんですね。本公演については、「取り出して演奏するとうまくいくが、全体を通すとうまくいかないことが多かったが、今日はベストの演奏ができた」と本公演の演奏を評価。「3月6日に出発するが、ロビーで募金箱を持ってお待ちしています」と話してクラウドファンディングをPR。アンコールとして、ドヴォルザーク作曲/スラヴ舞曲第1集より第1番を演奏。前回の海外公演でもアンコールで演奏した作品です。勢いよく締めくくりました。17:00に終演。演奏後のロビーは大混雑でした。なお、この後17:30から1階のレストラン「アマーク・ド・パラディ 寒梅館」で、プラハ公演壮行会が開催されて、クラウドファンディング支援者も参加できました(会費は6000円、私は不参加)。
本公演では目に見えて分かるミスもあったので、本番までに改善する機会になったことでしょう。京都大学交響楽団や立命館大学交響楽団に比べると聴き劣りがするので、京都市を代表して海外で演奏するなら、演奏の完成度をもう少し上げて欲しい気はします。せっかくチェコフィルの本拠地でドヴォルザークを現地の人に聴いてもらうなら、もう少し頑張ってほしいところはありました。
クラウドファンディングは、3月4日に目標金額を達成して無事に成立しました。3月9日に終了し、最終的には160人から146万円の支援がありました。同志社交響楽団のX(@do_kyo_)などの情報を総合すると、海外公演は3月6日に日本を出発し、約24時間に渡る移動でプラハに到着。3月9日(月)のドヴォルザークホールでの本番のチケットは完売してスタンディングオベーションが起こったとのこと。その後、ドイツのミュンヘンを観光して、13日に無事帰国しました。クラウドファンディング支援者を対象に、現地からのライブ配信(Google Meet、5分程度)も行なわれました。その後、同志社交響楽団のYouTubeチャンネルで「第10回海外公演記念動画」(約7分)がクラウドファンディング支援者のみの限定で公開されました。出国から始まり、機内の様子、ドヴォルザークの墓やプラハ市役所の訪問など滞在中の様子などが撮影されています。現地での最終調整の様子も映っていますが、肝心の本番の演奏は一瞬だけです。
また、岡本がMCで触れた「同志社クリスマスコンサート」(2022.12.25 京都コンサートホール大ホール)で指揮した演奏の動画は、同志社大学学生支援センターのYouTubeチャンネルにアップされています(フンパーディンク「ヘンゼルとグレーテル序曲」、シューベルト「交響曲第5番」、チャイコフスキー「くるみ割り人形組曲」抜粋、ヘンデル「メサイア」抜粋)。なお、3年前の「同志社交響楽団第9回海外公演出発演奏会」(2023.2.24 京都コンサートホール大ホール)の動画も同志社交響楽団のYouTubeチャンネルに掲載されています。指揮者の新田ユリのインタビュー動画付きで、「同志社カレッジソング」、芥川也寸志「交響管弦楽のための音楽」、ドヴォルザーク「スラヴ舞曲第1番」は本公演と同じですが、ホールの違いのせいか、3年前の方が上手く聴こえますね。
