京都コンサートホール・ロビーコンサートVol.22「雅楽演奏会」
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2026年6月28日(日)11:00開演 京都コンサートホール1階エントランスホール 黒谷雅楽会 管絃 平調音取 越天楽 座席:自由 |
京都コンサートホールのロビーコンサートが、今年度も3公演開催されます。これまではソロやデュエットが出演しましたが、今年度は趣向を変えて、個人ではなく団体が出演します。今年度の1回目は、黒谷雅楽会(くろだにががくかい)が出演しました。雅楽はコンサートホールでは通常は演奏されないので、貴重な機会で、京都らしい企画です。
入場無料で事前申込不要で、40分間のコンサートです。定員を超える場合は立ち見となりました。開場20分前に到着しましたが、30人くらいが並んでいました。予定より10分早めて、10:20に開場。いつもとイスの配置が異なり、中央には赤い絨毯が敷かれてあり、靴を脱いで座って見ることもできました。200人くらいが集まりました。
プログラムによると、黒谷雅楽会は金戒光明寺にて職員有志を中心に立ち上げ、1989年にくろ谷雅楽会として新たに発足しました。宝ヶ池プリンスホテルや伊丹アイフォニックホールなどで演奏実績があるとのこと。京都コンサートホールのX(@KCH_Kyoto)によると、本公演のリハーサルもくろ谷金戒光明寺でリハーサルを行なったようです。また、黒谷雅楽会一同からの「スマホでは伝わらない、この響き。」という別紙が封入されていて、「雅楽は千年以上にわたり受け継がれてきた日本最古の音楽です」と説明されました。なお、くろ谷金戒光明寺は、Kyoto Music Caravan 2025「弦楽四重奏コンサート 音楽劇「アトリエ王国 旅する王様」」で行きました。
烏帽子をかぶって、小豆色の着物を着て登場。意外に少なく7人での演奏でした。赤い絨毯の上で正座で演奏しました。前列は向かって左に楽箏(つまり箏)、右に楽琵琶(琵琶)。後列は5人で、左が龍笛、その左から2人が篳篥、その左から2人が鳳笙(笙)でした。
プログラム1曲目は、管絃 平調音取(ひょうじょうねとり) 越天楽(えてんらく)。雅楽の代名詞とも言える有名な曲で、越天楽とは「天にも届くほど素晴らしい音楽」という意味。なお、「管絃」とは、「舞を伴わない器楽合奏」の意味とのこと。笙の音色がふわーっと始まると、一気に雰囲気が変わりました。まさに「スマホでは伝わらない響き」です。前列の楽箏と楽琵琶は、メロディーではなく打ち込みを担当します。旋律を演奏する篳篥は、楽器の長さは短いですが、音量は大きく、よく響きました。
篳篥担当の男性がMC。「今回はフル編成ではなく、本来はさらに前に打楽器が3人いるが、下見のときにうるさくなると思って外した」とのこと。通常の雅楽の編成では、鞨鼓(かっこ)、楽太鼓(がくだいこ)、鉦鼓(しょうこ)の打楽器が加わります。「雅楽の起源は、神社ではなくお坊さん」と紹介しました。各楽器を紹介。箏はテンポのみの役割で、テンポをつかさどる。後列の笛にとってはオーケストラの指揮者の代わりのようなものと説明。琵琶は、この配置では一番の上座とのこと。笙は、17本の竹を束ねていると説明。笙を演奏する2人が、楽器を演奏しないときは電源コードがついている木製の六角形の物の上で、楽器をクルクルと回転させていました。何をしているのか気になりましたが、インターネットで調べたところ、これはコンロ(六角桐コンロ)で、笙を温めて湿気を飛ばしているとのこと。湿度に敏感な楽器なんですね。篳篥は葦(よし)がついていて、オーボエやファゴットと同じと説明。音程を少し変えるが指は動かしていない。これを塩梅(えんばい)と言って、塩梅(あんばい)の語源になったとのこと。龍笛は、竹でできていてうるしを塗っていると解説しました。
雅楽の拍については、「4拍目が長くて間(ま)がある。農耕民族のうたにも見られるが、心になじむ」と説明。黒谷雅楽会については、「お坊さんと一般の方が混じっている」と説明しました(プログラムによると「僧俗一体」と言うらしい)。「女性がNGのところもある」とのことでしたが、本公演では女性が2人おられました。
プログラム2曲目は、歌物 朗詠(ろうえい) 十方(じっぽう)。「朗詠」とは、「雅楽器の伴奏を伴う声楽曲」の意味。前列に男性4人が横一列で並んで座って歌を担当、後列は左から龍笛、篳篥、鳳笙。歌詞は『和漢朗詠集』で、最初は無伴奏で始まり、お経のようでした。プログラムに歌詞が掲載されましたが、歌詞をそのまま歌わずにゆっくり進みます。「九品蓮台ノ間ニハ」から声が高くなりました。11:45に終演。
笙と篳篥はオーケストラ・ディスカバリー2013 〜こどものためのオーケストラ入門〜 「オーケストラ・ア・ラ・カルト」 第3回「和&洋」 で、龍笛はOsaka Shion Wind Orchestra第138回定期演奏会や関西フィルハーモニー管弦楽団第354回定期演奏会「グロリオーザ…ローマの栄光&神尾真由子の十八番」で聴いたことがありましたが、本公演は雅楽の編成で聴けて楽しめました。このような機会を増やしてもらえるとうれしいです。
公演終了後の「ランチタイム・サービス」は、本公演のプログラムを見せると、公演当日のランチタイムのみ周辺の飲食店11店で割引等のサービスが受けられます。今回は、Chang Noi(チャン・ノイ)→権兵衛北山店→セカンドハウスをはしごしました。

(2026.7.14記)