京都市交響楽団第640回定期演奏会
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2019年11月17日(日)14:30開演
京都コンサートホール大ホール
シルヴァン・カンブルラン指揮/京都市交響楽団
武満徹/夢の時〜オーケストラのための
ハイドン/交響曲第104番「ロンドン」
ストラヴィンスキー/バレエ音楽「春の祭典」
座席:S席 3階C2列22番
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ひさびさに京響定期に行きました。客演指揮者はシルヴァン・カンブルラン。2010年度から2018年度まで読売日本交響楽団第9代常任指揮者を務め、2019年度からは桂冠指揮者に就任しました。他にも、ハンブルク交響楽団首席指揮者、クラングフォーラム・ウィーン首席客演指揮者を務めています。
今回の来日では、11月24日に洗足学園音楽大学管弦楽団、11月29日に広島交響楽団、12月6日に名古屋フィルハーモニー交響楽団を指揮します。
2日公演の2日目でした。14:00からプレトーク。以前は14:10スタートでしたが、2018年度から開演30分前スタートに変更されました。
カンブルランが女性通訳(京都市交響楽団公式ブログ「今日、京響?」によると、小松みゆき)と登場。カンブルランは、少し太られた感じです。また、髪を後ろでくくっておられますが、以前よりも短くなりました。
女性通訳がカンブルランに「どうしてこんなプログラムにしたのか?」と質問。カンブルランが英語で話しました。「ストラヴィンスキーのバレエ音楽で重要なのはテンポやリズムの変化で、ビートが主要な部分を占める。ストラヴィンスキーの約1世紀前に、ハイドンの交響曲が作曲された。ハイドンとストラヴィンスキーは音楽のスタイルは違うが、感覚や斬新的な楽器の使い方は共通するところがある。武満徹はストラヴィンスキーやハイドンとはまったく違い、拍子の感覚がない。まったく計算されてないスローモーションのように動く時間。3つのまったく違う種類の音楽をお聴きいただく。つまり、武満徹はフレキシブルでなだらか。ハイドンは明確な響き。ストラヴィンスキーはエネルギーに満ち溢れる音楽。3つのタイプの音楽を愛しているから選曲した。オーケストラにとってもいい経験になる」と熱く語りました。
10分で終わりました。まだ客席についている人が少なかったので残念。
本日の客演コンサートマスターは、豊嶋泰嗣(やすし)。メガネをかけています。京都市立芸術大学弦楽専攻教授で、新日本フィルハーモニー交響楽団ソロ・コンサートマスター、兵庫芸術文化センター管弦楽団コンサートマスター、九州交響楽団桂冠コンサートマスター、チェンバー・ソロイスツ佐世保音楽監督を務めています。また、2019年度から、京都市交響楽団特別名誉友情コンサートマスターに就任することが11月28日に発表されました。客の入りは8割程度。
プログラム1曲目は、武満徹作曲/夢の時〜オーケストラのための。1981年に作曲されました。大編成での演奏。冒頭からいかにも武満徹という響き。オーケストラはうまく、響きも豊かで、美しく聴けました。
カンブルランはスコアをめくりながら指揮棒をもって指揮。なお、この作品のスコアが大型(A1サイズ)で、指揮者の譜面台に置く補助板を作製したとのこと。この曲が終わると、スタッフが外して持って行きました。
「序奏」は木管アンサンブルがすばらしい。「春のきざし〜乙女たちの踊り」では、ファゴット2とイングリッシュホルンがズケズケと演奏。アンティーク・シンバルも聴かせます。ここは
読売日響名曲シリーズ「シルヴァン・カンブルラン 第9代常任指揮者就任披露演奏会」と同じ特徴です。「大地の踊り」のラストの短い音符のトゥッティは見事。休みなく第2部「いけにえ」へ。やや遅めの11/4拍子に続く、「いけにえの賛美」は速いテンポ。後半は少し乱れました。「祖先の儀式」は遅めのテンポ。「いけにえの踊り」は、練習番号192からのティンパニ2+大太鼓の強打が強烈!。
カーテンコールの出入りが早足で、あまり巨匠らしさを感じませんでした。