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2019年11月10日(日)14:00開演 同志社中学校・高等学校宿志館グレイス・チャペル 冨田一樹(オルガン)
ブクステフーデ/前奏曲ハ長調 座席:自由 |
会場は、同志社中学校・高等学校の宿志館にあるグレイス・チャペル。京都市営地下鉄烏丸線の国際会館駅で降り、南門を通ってキャンパス内をしばらく歩きます。きれいなキャンパスです。インターネットの情報によると、グレイス・チャペルは2010年に竣工し、座席数は1144席。入学式や卒業式で使用されています。椅子は木製のベンチで、ステンドグラスも設置されています。パイプオルガンは2階席後方の上部に設置されています。パイプオルガンが設置されたのは2017年ですが、当初からパイプオルガンを設置するためのスペースとして、オルガンデッキが設けられていました。ドイツ製の三段鍵盤で、パイプ総数は2241本。1階席に座るとオルガンが見えないので、2階席のバルコニーで聴きました。客の入りは、200名くらいでしょうか。
開演に先立って、音楽科教員の女性が挨拶。プログラム掲載の楽曲解説は「音楽III」を受講している高校生が執筆したとのこと。
オルガンデッキに冨田が登場しました。「今日のプログラムは北ドイツ、近代フランス、バッハの三種類の作品をお聞きいただく」とマイクで話しました。はじめは北ドイツオルガン楽派の作品で、冨田は数年前まで北ドイツに住んでいたとのこと。
プログラム1曲目は、ブクステフーデ作曲/前奏曲ハ長調。足のペダルから演奏が始まります。足が左右に忙しい。ペダルを足で踏んで演奏するのは、鍵盤を弾くよりも難しそうです。あまり大きな音量は出ません。
プログラム2曲目は、ハンフ作曲/我を憐れみたまえ、おお主なる神よ。ゆったりしたテンポのコラール。
続いては近代フランスの作品。プログラム3曲目は、アラン作曲/リタニー(連祷)。冨田は「ハーモニーが奇抜で、リズムも不規則。刺激的な作品」と解説しました。前半は速いテンポの変拍子がリズミカルでノリがいい。オルガンの演奏というよりも、ピアノ感覚やエレクトーン感覚に近いところもありました。後半は重厚に大音量で鳴りました。音色を具体的にどうやって変えているのか興味がわきました。
プログラム4曲目は、ボエルマン作曲/ゴシック組曲より「ノートルダムの祈り」。エレクトーンのようなやさしい音色です。ずいぶん前に作曲された曲ですが、今聴いても新鮮に感じました。
最後はバッハを3曲演奏。プログラム5曲目は、J.S.バッハ作曲/我らを救いたもう主イエス・キリストは。いかにもバッハの作品で聴いて、すぐに分かりました。
プログラム6曲目は、J.S.バッハ作曲/主よ、人の望みの喜びよ。これは有名な曲です。テンポが速い。
プログラム7曲目は、J.S.バッハ作曲/トッカータ、アダージョとフーガ ハ長調。演奏前にいろいろ調整しました。三つの楽章から成ります。トッカータは足のペダルで演奏しました。
拍手に応えてアンコール。パッヘルベル作曲/フーガ ハ長調を演奏しました。
男性のスタッフ(教員?)が登壇し、学内で開催する演奏会なので、入場料を設定するのが難しい事情を説明し、「運営費として使わせていただく。お気持ちで結構です」とのことで、ホール出口に箱が設置されました。1000円札がたくさん入れられていました。