京都市交響楽団特別演奏会「第九コンサート」


  
    2024年12月28日(土)14:30開演
京都コンサートホール大ホール

ガエタノ・デスピノーサ指揮/京都市交響楽団
隠岐彩夏(ソプラノ)、藤木大地(カウンターテナー)、城宏憲(テノール)、大西宇宙(バリトン)
京響コーラス

ベートーヴェン/交響曲第9番「合唱つき」

座席:S席 3階C1列14番


 
年末恒例の京都市交響楽団の第九コンサートです。今年は金曜の夜と土曜の昼の2回公演で、2日目に行きました。

今年の指揮は、ガエタノ・デスピノーサ。1978年のイタリア生まれで、現在はポストは持たず、フリーで活動しています。原田慶太楼の代役で、京都市交響楽団第664回定期演奏会を指揮して、あまり鳴らないチャイコフスキーが印象に残っていますが、京響を指揮するのはそれ以来で今回が3回目です。なお、2021年末には大阪フィルハーモニー交響楽団の「第9シンフォニーの夕べ」(2021.12.29~30)をラルフ・ワイケルトの代役で指揮しました。
 
京響友の会「チケット会員」の「セレクト・セット会員(Sセット)」の「クーポンID」を使用しました。チケットは12月13日に両日とも全席完売しました。京都市交響楽団のX(@kyotosymphony)によると、25日から練習が始まり、前日の26日にはホール練習も行なわれました。
 
京都コンサートホールの北側に建っていた京都府立総合資料館が解体されて、北山通りまでよく見渡せるようになりました。開演前のロビーでは、京響の演奏を聴かせた佐々木酒造のお酒「聚楽第 京乃響」(3300円)が300本限定で発売されました。7月の京都市交響楽団第691回定期演奏会と同じですが、今回は沖澤のどかのサイン入りプログラムのプレゼントはありませんでした。開演前の場内アナウンスがいつの間にか2ヶ国語対応になって、日本語に続いて英語が流れました。
 
特別演奏会なので、プレトークはもともとなし。合唱団が先に入場。ポディウム席ではなく、ステージ最後列に4列で並びました。左から、ソプラノ29名、アルト20名、テノール21名、バス16名の合計89名でした。弦楽器は対向配置で、左から、第1ヴァイオリン、チェロ、ヴィオラ、第2ヴァイオリンの順で、コントラバスはチェロの後ろ。コンサートマスターは、泉原隆志。首席ヴィオラと首席チェロは客演で、客演首席ヴィオラ奏者は、湯浅江美子(バイエルン放送交響楽団ソロ・ヴィオラ奏者)。客演首席チェロ奏者は、水野優也(ジャパン・ナショナル・オーケストラチェロ奏者)。
 
ガエタノ・デスピノーサが登場。背が高くて頭が小さい。譜面台なしで指揮しました。指揮棒にスピード感があり、演奏に俊敏さを求めました。デスピノーサの個性がよく出た演奏で、肩の力が抜けて、無理して大きな音を出しません。ティンパニも控えめで、室内楽的な音楽の作り方です。オーケストラ団員はやや消化不良だったかもしれません。また、オーケストラを鳴らしきる演奏ではなく、不完全燃焼気味なので、好き嫌いが分かれるかもしれません。細部のデフォルメや新しい発見はなく、もっと新しいサウンドが聴けると思っていたので、やや期待外れ。
 
第1楽章は、ffでトゥッティになる17小節からテンポアップ。102小節からは小節単位でディミヌエンドするのが斬新。510小節のリタルダントは無視して、そのままのテンポで513小節へ。
第2楽章はやや遅めのテンポ。388小節から繰り返しはスコア通り。最後の小節(559小節)の最後の四分音符は、ディミヌエンド気味でとろけるように超軽い。ほとんど余韻だけで聴かせました。
第3楽章の前にチューニング。独唱者4人が登場して、オーケストラと合唱団の間のイスに座りました。第3楽章はオーケストラがしっかり歌いました。25小節のAndante moderatoから速いテンポで、意外にあっさり。
第4楽章はやや速めのテンポ、第4楽章でもティンパニを強打したり、金管楽器を強奏させたりしません。バス独唱の大西宇宙は声量が大きく、少し目が覚めた感じ。525小節からのホルンはタイの位置を変えて演奏。合唱団も音量は控えめで、歌詞は不鮮明でぼやけがちですが、よくまとまっています。ソプラノ独唱の隠岐彩夏は青森県生まれで、2025年から始まる「青い海と森の音楽祭」(芸術総監督:沖澤のどか)の音楽主幹を務めます。カウンターテナーの藤木大地を聴くのは読売日本交響楽団第31回大阪定期演奏会に続いて2回目です。青系のスーツを着て歌いましたが、ソプラノの影に隠れてあまり聴こえません。
カーテンコールでは合唱指揮の女性(津幡泰子?)も登場。15:55に終演しました。なお、京都市交響楽団楽団長の松井孝治京都市長のX(@matsuikoji)によると、松井は前日の公演を鑑賞しましたが、本公演は京都府知事の西脇隆俊夫妻が来場されたようです。私は残念ながらお見かけしませんでした。
なお、デスピノーサは本公演の後、新年1月3日に東京都交響楽団の「ニューイヤーコンサート2025」(東京文化会館大ホール)を指揮したので、日本で年越ししました。デスピノーサのInstagram(@gaetanodespinosa)によると、東京で新年を迎えるのは2回目とのことで、京都市交響楽団第664回定期演奏会を指揮した2021年末から2022年の年越しも日本に滞在しました。
 
京都市交響楽団の新年明けの第696回定期演奏会(2025.1.17)は、首席客演指揮者のヤン・ヴィレム・デ・フリーントが指揮します。首席ヴィオラ奏者だった小峰航一がホフマイスター「ヴィオラ協奏曲」の独奏を務める予定でしたが、7月から東京フィルハーモニー交響楽団の首席ヴィオラ奏者に移籍されたため、曲目が変更になりました。残念です。
 
また、2025-26シーズン公演ラインナップが、11月15日に発表されました。2022年度から始まった「フライデー・ナイト・スペシャル」(金陽19:30開演、休憩なし約1時間プログラム)は、今年度は6公演が開催されましたが、2025年度はすべて19:00開演に戻されて土曜日の昼公演と同じプログラムになり、実質的に廃止されます。2020年度から2022年度まで首席客演指揮者を務めたジョン・アクセルロッドが第699回定期演奏会(2025.4.19)に再登場します。キリ番の第700回定期演奏会(2025.5.17)の指揮者はハインツ・ホリガーで、常任指揮者の沖澤のどかは第701回定期演奏会(2025.6.20&21)に登場します。また、来年の「第九コンサート」(2025.12.27&28)も沖澤のどかが指揮します。
 
 

「聚楽第 京乃響」の販売ブース 京都コンサートホール大ホールロビーから北山通りを望む

(2025.1.13記)


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