立命館大学交響楽団第102回定期演奏会


   
      
2009年12月18日(金)19:00開演
滋賀県立芸術劇場びわ湖ホール大ホール

金聖響指揮/立命館大学交響楽団

ワーグナー/「トリスタンとイゾルデ」前奏曲と愛の死
ブルックナー/交響曲第9番

座席:自由


6月の第101回定期演奏会に続いて、なんと今回も金聖響が客演。アマチュアオーケストラなのに、よく呼べたものです。大曲「ブルックナー/交響曲第9番」を取り上げる意欲的なプログラムです。
18:30頃にホールに到着。全席自由なので、1階席後方の席に座りました。客の入りは8割ほど。
団員に続いて、コンサートマスターが登場。団員全員で一礼をしました。金聖響が登場。学生の中に混じっても若いです。39歳には見えませんね。

プログラム1曲目は、ワーグナー作曲/「トリスタンとイゾルデ」前奏曲と愛の死第101回定期演奏会と同じく、第1ヴァイオリンと第2ヴァイオリンを左右に分ける両翼配置でした。今回の演奏会で1回生がデビューしたからか、第101回定期演奏会よりも精度が劣りました。演奏前の全体のチューニングのときも音程があまり合っていませんでしたが、木管楽器やチェロ高音の音程がヤバい。また、自分のパートの演奏に一生懸命なようで、この作品の演奏に必要な他の楽器との関連性や融合がうまく表現できていません。弦楽器は人数が多い割にはあまり音が前に飛んできません。モヤモヤしているので、もっと突き抜けた表現が欲しい。「愛の死」のクライマックスももう少し音量が欲しいです。
金聖響は指揮棒なしで指揮。ゆったりした流れの中にも瞬発力のある指揮でした。「前奏曲」の冒頭はフェルマータで長い間を置きました。

休憩後のプログラム2曲目は、ブルックナー作曲/交響曲第9番。プログラムによれば、立命館大学交響楽団としては創部以来初めて演奏するとのこと。金聖響がブルックナーを指揮するのも珍しい。読売日響第114回東京芸術劇場マチネーシリーズ京都市交響楽団第529回定期演奏会に続いて、この曲を聴くのは今年で3回目です。
演奏の完成度がぐんと上がりました。美しく響いた部分がいくつかありました。強奏はなかなかの水準。サマになっています。テューバとコントラバスの低音がよく響きます。弦楽器はかなり揃っていて予想以上の健闘。弦楽器は年々うまくなっています。フルートソロも驚くほどうまい。楽器の数が少なくなる部分は技術力が露見しましたが、なんとか乗り切りました。ホルンは9本でしたが響きがやさしくて弱い。もっとがんばって欲しいです。
金聖響はこの曲は指揮棒を持って指揮しました。個性的な解釈はせずに模範的な演奏でした。

カーテンコールが終わると、コンサートマスターが一歩前に出て、団員全員で礼をしました。
ブルックナーのレベルは大学4年間の成長過程の成果と見ることができるでしょう。そうは言っても第1曲のワーグナーはやばかったので、前座の曲目のレベルアップにも期待したいです。

(2009.12.20記)


滋賀県立芸術劇場びわ湖ホール



嘉穂劇場第九 其ノ陸 京都市交響楽団特別演奏会「第九コンサート」