| 2008年11月28日(金)19:00開演 2008年11月29日(土)17:00開演 2008年11月30日(日)16:00開演 さいたまスーパーアリーナ メインアリーナ 椎名林檎(自作自演)、斎藤ネコ(編曲・指揮)、林檎博記念管弦楽団(演奏)、亀田誠治(Electric Bass)、河村"カースケ"智康(Drums)、名越由貴夫(Electric Guitar)、中山信彦(Manipulator)、林檎博記念舞踊団(舞踊)、高円寺阿波おどり振興協会(阿波踊り) 座席:S席 アリーナ Aゲート D6ブロック 84番 (11月28日) |
2008年11月25日に30歳を迎えた椎名林檎が、デビュー10周年を記念したライヴ「椎名林檎(生)林檎博'08 〜10周年記念祭〜」を開催しました。(生)の正しい表記は生が丸で囲まれていますが、パソコンでは表現できないので(生)とします。タイトルに(生)をつけて「(生)林檎博'08 」としたのは、デビュー5周年を記念して開催された「椎名林檎博覧会〜芽生えから実りまで〜」(2003.5.26〜6.1 ラフォーレミュージアム原宿)との連続性を意識させるためでしょう。
11月28日(金)〜30日(日)の3日間、会場はさいたまスーパーアリーナです。東京事変の活動拠点である東京でもなく、プロフィール上の出身地の福岡でもなく、埼玉で行なわれるとは意外でした。京都から2泊3日で参戦です。椎名林檎はさいたまスーパーアリーナでは、東京事変として出演した「ミュージックステーション・スーパーライブ2004」(2004.12.24)で「群青日和」を歌ったことがあります。
椎名林檎のソロステージは、「RISING SUN ROCK FESTIVAL 2008 in EZO」(2008.8.16)以来です。椎名林檎名義のソロステージなので、誰が伴奏を務めるのか、東京事変メンバーは出演するのか関心事でした。「RISING SUN ROCK FESTIVAL 2008 in EZO」では、斎藤ネコカルテット(弦楽四重奏)+ピアノでしたが、今回はどうでしょうか。
チケット確保
チケットは、premium ticket(20,000円 豪華お土産付)、S席(8,000円 お土産付)、A席(3,000円 お土産付)の3種類でした。premium ticketは20,000円(!)という高価な設定。premium ticketの特典は、「最もステージに近く観やすいエリア」「わずか600席程度という貴重さ」「特別な入口からご入場」「premiumだけの豪華お土産付き」と紹介されていました。
林檎班会員を対象に、先行予約がありました。まず、premium ticketの先行予約が6月18日から23日まで行なわれました。3日間とも申し込みましたが、抽選の結果はなんと3日とも落選。競争率が高かったようですね。1日くらいは当選すると思っていたのに本当に残念。運が悪いです。続いて、S席の先行予約が7月1日から9日まで行なわれ、抽選の結果、3日間ともS席を確保できました。S席よりもpremium ticketのほうがよかったですが、高望みせずに公演日を待つことにしました。28日(金)と29日(土)はアリーナ席、30日(日)はスタンド席でした。
さいたまスーパーアリーナへ
28日(金)の午後に埼玉入りしました。さいたまスーパーアリーナは、JRさいたま新都心駅(京浜東北線・宇都宮線・高崎線)から歩いてすぐです。さいたま新都心駅自由通路からさいたまスーパーアリーナに続く、イルミネーションの装飾(さいたま新都心イルミネーション)がきれいでした。
グッズ購入
今回のライヴも特殊開発グッズが大量に製作されました。メインアリーナ前で販売されましたが、28日(金)に着いたときは最後尾がどこか分からないほどの大行列。1000人くらい並んでいたのではないでしょうか。開演までに買えなさそうだったのであきらめました。29日(土)の開演前に挑戦。14:00頃から約1時間並んで、「まなじりTシャツ パープル Mサイズ」(3000円)と「デケード詰め合わせ"Ringo BoX"」(3500円)を購入しました。
「まなじりTシャツ パープル Mサイズ」 赤紫色のTシャツ。表に目(左目?)が大きく描かれています。目の右下には、アルバム「私と放電」やDVD「私の発電」で登場した「稲妻つきのリンゴマーク」が印字されています。裏面には上部に「(生)10リンゴマーク2008」と印字されています。
「デケード詰め合わせ"Ringo BoX"」 まなじりTシャツと同じ「まなじりデザイン」が描かれた緑色の正方形の箱にアイテムが多数入っています。お道具箱のようです。
・ポストカード30枚 CDジャケットやライヴ等で使われた写真やイラストが、ハガキに印刷されています。年代順に上から並べられていました。小さな写真集といえるでしょう。
・折りたたみポスター1枚 椎名林檎の幼少期の写真がポスターになっています。左上に「初めてのお手伝い1985」と小さく印刷されているので、7歳のときに写真のようです。テーブルに置かれた枝豆?をハサミで切っています。
・RAT復刻版 これまでCDショップ店頭で配布されたフリーペーパー「RAT」の、1998年の第1号から2008年の10周年記念復活第2号までの25号分が、ハガキサイズに縮小されて封入されています。インタビューやライヴレポートなど情報満載で、資料的価値が極めて高い。すばらしい企画です。このRAT復刻版だけでも、3500円の価値があるでしょう。まさにファン必携のアイテムです。さらに「SheenaRingoBoXEdition」の「RAT」が1枚入っています。
・缶バッチ1個 「まなじりデザイン」の黄色の小さな缶バッジ。
・スタンプ2個 「まなじりデザイン」と「(生)10リンゴマーク2008」のハンコ。
・ワッペン1枚 「稲妻リンゴマーク」のワッペン。とても小さいので、なくしてしまいそうです。
・Ringo NoTE 方眼紙のメモ帳。右下に印刷されている「稲妻リンゴマーク」がパラパラ漫画の仕掛けになっています。
・ステッカー4枚 丸い黄色のシール。女性のイラストと漢字が印刷されています。イラストは椎名林檎が描いたのでしょうか。「itsuwari 偽」「mess 雌」「yogole 汚」「saga 性」の4枚です。
ちなみに、今回のグッズの注目商品は、「女性和服一式」(着物)。椎名林檎の強い希望で作られたとのこと。監修はスタイリストの杉山優子。着物、帯、襦袢の3点セットで、20万円以上! 私が見た範囲では、購入している人はいませんでした。また、2009年3月発売予定の10周年記念パンフレット「Ringo BoOK」の見本が展示されていました。
入場
さいたまスーパーアリーナメインアリーナは、16,000人を収容する大会場です。座席の種類によって、入場口が違います。アリーナ席の入口は階段を下りた1階の西大通り沿いでした。初心者には分かりにくくて迷いそうでした。スタンド席は2階の入口から入ります。premium ticketは事前の告知どおり、入口が別のようです。
会場のキャパシティの大きさに驚きました。とにかく広い。1階のアリーナ席は、ブロックに分かれて、イスが並べられています。ブロックは前からA〜Fの順で、一番前のAブロックがpremium ticketの席のようです。28日(金)のD6ブロックは、ステージの右寄り。29日(土)のC3ブロックは、中央より少し左寄りの位置でした。前日よりはステージがよく見えました。30日(日)のスタンド席は、ステージ向かって左側でステージからは少し距離がありました。
お土産
チケットを切ってもらう入口で、(生)と書かれた白い封筒を受け取りました。チケット代に込みになっていた「お土産」です。「お土産」は3日間とも同じで、封筒の内容は、「手旗エキス」、「思い出のリボン」、「ポケットティッシュ」の3点でした。
「手旗エキス」 旭日旗のような紅白2色の手旗で、日章(太陽)の真ん中に「生」と書かれています。「東京事変 DOMESTIC! Virgin LINE」での「手旗ドメス」に代わるライヴ用のアイテムになりそうです。お土産というよりもステージ演出のための道具ですね。
「思い出のリボン」 黄緑色の小さなリボン。左に(生)、右に稲妻リンゴマークが印刷されています。
「ポケットティッシュ」 「會員サロン「林檎班」」と書かれたポケットティッシュです。裏面には「黒猫堂 猫柳グループ」と書かれていて、林檎班のホームページのURLなどが掲載されています。ファンクラブの宣伝ですね。
開演! (全体の感想は後述します)
※30日の模様を収録したDVD「Ringo EXPO 08」(2009年3月11日発売)を見て補筆しました。
ステージは左右と天井が白い反響板で囲まれていて、コンサートホールのような趣です。ステージ上に置かれている機材も少ない。また、ステージ下に、オーケストラピットがあり、左側にハープが見えました。オーケストラ伴奏での演奏に期待が膨らみました。開演まではいつものように洋楽が流れていました。
開演前のアナウンス(「マルナマリンゴハクゼロハチ」と読んでいました)のあと、オーケストラピットにあるオーケストラ団員の譜面台のライトが白く点灯しました。白い服を着たオーケストラ団員が入場。64名の大オーケストラです。音出しの後、コンサートマスター(グレート栄田)が起立して、Gの音でチューニング。左から指揮者斎藤ネコが白い服で登場。DVDを見ると、白衣にネクタイをしています。また、白衣には椎名林檎の歌詞の抜粋が黒文字で書かれています。オーケストラ団員が起立して、斎藤ネコが指揮台の上で一礼。クラシック音楽の演奏会と同じ流れです。DVDでは斎藤ネコが両手を広げて拍手に応えています。
セットリストは3日間とも同じでした。1曲目は「ハツコイ娼女」。ライヴ初披露です。打ち込みの電子音(Manipulator 中山信彦)に続いて、オーケストラが演奏。また、ステージ上部にモニターがあって、オーロラのような幻想的な映像が映し出されました。さらに、曲の歌詞が左右の反響板に映し出されました。「あなたの名前を知りたい 嗚呼きっといつか呼べます様に」「あなたの鼓動を聴きたい 嗚呼ずっと遥か遠くからも」という歌詞は、集まった観客に向けてのメッセージかもしれません。アルバム「平成風俗」に収録されている曲ですが、生オーケストラで聴くといい曲ですね。CDで聴くのとは違います。
1番と2番は生声ではなく録音を流していました。なかなか椎名林檎がステージに登場しません。3番の前の間奏で、モニターに「おこしやす」の文字が縦書きで表示されました(DVDには収録されていません。残念)。3番の「あなたの視点を読みたい」から歌いだし。ステージのスモークが晴れて、ついに椎名林檎がステージに姿を現しました。一見してびっくり。頭に白色の巨大なかぶりものをかぶっていました。となかいのような角がV字になっているようなデザインでした。これまでになかった衣装で、かなりのイメージチェンジといえるでしょう。紅白歌合戦の小林幸子級の衣装にびっくり。客席も大盛り上がりでした。薄緑(DVDで見るとほとんど白)のキャミソールドレスで、イスに座って歌いました。上述したモニターにもその姿が映し出されましたが、どういうわけか映像がカラーではなく白黒です。また、30日のスタンド席で気づきましたが、アリーナ席上部の天井にも別のモニターがありました。天井のモニターはステージ上部とは異なる映像を映すこともありましたが、ずっと映写されるのではなく、たまにしかつきませんでした。
1曲目が終わると、ベース、ギター、ドラムのバンドメンバー3人が、白い服でステージに登場。DVDを見ると3人の白衣にも歌詞の黒文字が見えるので、斎藤ネコと同じ衣装ですね。左がギター、奥がドラム、右がベースというスタンダードな楽器配置です。ベースはおなじみの亀田誠治。ギターは超長髪の髪型からして元東京事変メンバーのヒラマミキオ(晝海幹音)かと思いましたが、名越由貴夫とのこと。アルバム「勝訴ストリップ」で参加していて、名越"ラムネ"由貴夫遅刻王とクレジットされています。髪が長すぎてDVDでもほとんど顔が見えません。ドラムも長髪の河村"カースケ"智康。アルバム「無罪モラトリアム」に、河村"キリスト"智康係長とクレジットされています。DVDで見ると口の回りのひげがすごい。またときどき目をつむりながら口を開けてドラムを叩いています。名越と河村は椎名林檎とはひさびさの共演でしょう。
2曲目は「シドと白昼夢」。2種類のアレンジがありますが、シングル「真夜中は純潔」に収録されている服部隆之編曲のジャズ風のアレンジでした。前奏で「こんばんわ。ようこそいらっしゃいました。椎名林檎です」と短くあいさつ。腰に左手を当てて立って歌いました。かぶりものがとても重そうでした。DVDで見ると肌がきれい。
3曲目は「ここでキスして。」。椎名林檎がギターを弾きました。DVDでは目に涙を溜めて歌っています。バンド主体の演奏です。モニターの映像は、客席からは見られない変わったアングルで撮影されたものがありました(映像は上述したように白黒ですが)。カメラがステージの天井にも設置されているようです。また、オーケストラピットを上部から映した映像もあり、ステージ左下にあるクレーンカメラで撮影しているようです。指揮の斎藤ネコは、両耳にヘッドフォンをつけて大きな動作で指揮しました。DVDで見ると、ライヴの最初から最後までずっとヘッドフォンをつけています。譜面台に置かれたスコアをめくりながら指揮していました。DVDを見ると、左手に指揮棒を持って、右手でスコアをめくって指揮しているのが分かります。
4曲目は「本能」。冒頭の「I just want to be with you tonight I know that you want to be my babe」は拡声器で歌いました。この曲もバンド主体の演奏です。
5曲目は「ギャンブル」。2種類のアレンジがありますが、アルバム「平成風俗」に収録されている斎藤ネコ編曲による演奏です。DVDではマイクスタンドを強く握りしめて歌います。目に涙がたまって声が少し上ずっています。後奏で椎名林檎が下手に退場しました。
ステージ左右の反響板からモニターが現れて、「林檎の筋」が始まりました。男声のナレーションで、椎名林檎のデビューから現在までの軌跡を振り返りました。初期のCDジャケットなど懐かしい写真が映し出され、客席から感嘆の声が上がりました。デビューシングル「幸福論」では「自らレコード店を訪れ、自分の作品の陳列場所をよりよいポジションに移すことにいそしんでいた」というほほえましいエピソードも紹介されました。最後は「ここまで実に起伏に富んだ道のりのように見えるが、音楽を通じて彼女は今日も着実に歩んでいる」というナレーションで結びました。オーケストラによるBGMは「宗教」。「ギャンブル」からヴァイオリンの持続音で休みなしに続けました。「宗教」はまだ一度もライヴで歌われたことがない曲ですが、編曲が素晴らしい。名曲ですね。DVDではナレーションが収録されておらず、字幕で表示されます。オーケストラのインストゥルメンタルの音声のみです。BGMが主役になっていて、ナレーションに邪魔されずに演奏が楽しめます。この演奏は別撮りでしょうか。
モニターが反響板に格納されて、椎名林檎が着替えて再登場。前が白色で、後ろが黒色という変わったデザインのノースリーブのワンピースでした。DVDでは毛布のような素材の上着を首からかけていました。髪の毛が胸の辺りまでありましたが、かつらでしょうか。6曲目は「ギブス」。ギターを弾きました。オーケストラとバンドが見事に一体化されたサウンドでした。この曲ではステージ上部のモニターは映し出しませんでした。視覚ではなく音楽を聴いてほしいということでしょうか。
休みなしに、7曲目は「闇に降る雨」。「ギブス」から続けて演奏される流れは、アルバム「勝訴ストリップ」と同じです。モニターの映像が復活しました。この曲は照明が暗め。「許すことなど出来る訳ない」は「なーい」を高音で強調するように歌いました。DVDでは、間奏前に椎名林檎が口を開けてニヤッと笑って素に戻る表情をとらえていますが、幽霊みたいで怖い。3番で上着を脱いで、片手で持って引きずるようにステージ右に歩きます。最後の「側に側に置いていて」を歌うと、すうーっと床下に消えました。ステージにせり(エレベータ)が設置されていました。
椎名林檎はすぐにステージに戻ってきて、8曲目は「すべりだい」。左右の反響板からモニターが現れて、椎名林檎を映しました。両足を広げてキーボードを弾きながら歌いました。キーボードは正面ではなくて、上手側を向いていました。DVDで見ると表情がとてもかわいい。後奏でなんとステージが時計回りに回転しました。
休みなしに、9曲目は「浴室」。「タ、タ、タ、タ」というリズムを刻む声がずっと聴こえました。この曲もアレンジがいくつかありますが、アルバム「勝訴ストリップ」に収録されている編曲でした。歌詞はすべて日本語です。椎名林檎は、回転して舞台奥に移動したキーボードを離れて、正面に位置した台に移動して立って歌いました。この台がなんとキッチン。「云ったでしょ?「俺を殺して」」や「どうか 見捨てたりしないで」で、モニターにリンゴをリズミカルに千切りする映像が流れました。おそらく事前に収録した映像を流していたと思われますが、3台のモニターでしかもカラー映像で映し出されたので、かなりのインパクトがありました。右手に穴あき包丁を持ちながら歌いました。間奏ではリンゴの皮をむいたあと、最後は包丁でリンゴを突き刺しました。DVDで見ると、モニターとは別映像ですが、ステージ上で本物の包丁とまな板を使って、本当にリンゴを切ったり剥いたりしています。よく怪我しなかったですね。最後は包丁を床に落とします。「サディスト」椎名林檎の一面が顔を出しました。歌詞とリンゴは何の関係もありませんが、椎名林檎がリンゴを切っているので客席は大いに盛り上がりました。前曲でステージが回転したため、バンドメンバーは客席に背中を向けるように演奏しました。「退屈なんか怖れていない どうして二人は出遭った?」で、ステージが反時計回りに回転して、元に戻りました。キッチンを前に持ってくるために、わざわざステージを回転させたようですね。
10曲目は「錯乱(TERRA ver.)」。アルバム「平成風俗」に収録された「TERRA ver.」による演奏でした。日本語の訳詞が左右の反響板に流れました。椎名林檎はこの曲で初めてステージを左右に歩きながら歌いました。
11曲目は「罪と罰」。NHKテレビ「椎名林檎お宝ショウ@NHK」(2007.3.10)で放送された斎藤ネコのアレンジにバンドを加えた演奏です。このアレンジをライヴで聴いてみたかったので聴けて感激です。斎藤ネコのアレンジが最高。トランペットの高音が強烈。シンフォニックに聴かせます。椎名林檎の声は絶好調。少し涙声になっていました。腰をかがめてステージを左右に動きながら歌いました。何かに取り憑かれたようで、純粋に怖い。最後の「小部屋が孤独を甘やかす」まで歌うと退場。パウゼの後、オーケストラが後奏を演奏しました。
黒色の上着(コート?)を着て再入場。会場では気がつきませんでしたが、DVDを見るとここから短髪になっています。12曲目は「歌舞伎町の女王」。アルバム「無罪モラトリアム」の編曲に、間奏は新しいアレンジでした。口笛は左手で口を隠しました。
13曲目は「ブラックアウト」。冒頭のサックスとトランペットのユニゾンが重厚。ホリゾントに時計が映し出されましたが、なぜか文字盤が13時までありました。歌詞とは関係ないように思うので、意図はよく分かりません。「もっと酔って居たい」は東京事変で演奏するときは浮雲がバックコーラスを歌っていますが、今回はコーラスはありません。斎藤ネコは頭の上で手拍子していました。DVDでは手拍子の音も収録されています。間奏では緑色のレーザー光線の錯綜がすごい。後奏では椎名林檎がタンバリンを叩きました。後奏の途中でステージがまた時計回りに回転。最後の一音で照明が消えて暗転。
「こんにちわ。黒猫屋の若旦那です。NHKの時代劇が大好きな7歳です。はじめまして」という子どものかわいい声が流れて、「林檎の芯」が始まりました。誰の声なのか分かりませんでしたが、椎名林檎が2001年7月12日に出産した息子の声でした。びっくり。ステージ左右のモニターでは、息子の写真も映されました(さすがに問題があるためかDVDには収録されていません)。もちろん初めてお目にかかります。椎名林檎は一児の母なのだと実感させられました。息子のナレーションは、書かれたものを読んで吹き込んでいるような口調でした。モニターには椎名林檎の幼い頃の写真が多数映写されました。椎名林檎と椎名純平の貴重な2ショット写真もありました。静岡で撮影したと思われる茶畑のなかにいる写真もありました。
息子のナレーションはさらに、「本日は母の博覧会へお越しくださり誠にありがとうございます。今年、祖母は還暦を迎え、私は無事小学校へ上がり、母はプロとしての音楽活動10周年を迎えました。なおかつ母の人生もまた30周年を迎えることができました」と小学生になったことを自己紹介。「なにやら目出度尽くしです。見守ってきてくださった皆々様のおかげさまにございます」。椎名林檎の誕生について、「竹内まりやさんが音楽家としてデビューなさったその日、母はちょうどこの近くの病院で産声を上げました」「母は身体に栄養を吸収できない異常を持って産まれました」「ほって置けばじきに死んでしまいます」「母は生まれて2日目、この近くの病院から救急車に乗せられました。この会場の横を通っている首都高速道路5号線が当時はまだここまでは延びてきていなかったそうです」「新宿区某慶應病院の担当医、もりかわやすひで(森川康英)先生は、2日間にわたる大手術によって、見事母の命をつないでくださいました」と話しました。今まで明かされたことがなかった誕生の秘話を詳しく紹介しました。続いて、「2歳で静岡の清水に引越し」「4歳の時に祖母に頼んでピアノをはじめる」「小学校では猫をかぶっていた」「ピアノ、バレエ、絵を描くことのほか、小学校時代に打ち込んだのはよそ様の犬を愛玩すること。6年生の文集に将来の夢はトップブリーダーと書いてある」「11歳で祖父の仕事で福岡に引っ越し」と小学校時代までの椎名林檎を紹介。公式プロフィールでは椎名林檎は福岡県出身としていましたが、本当は埼玉生まれであることをあっさり認めてしまいましたね。最後は「今後とも母を黒猫屋を何卒ごひいきに」と結びました。知らないエピソードが多かったので驚きました。コアなファンでも目から鱗の話が多かったのではないでしょうか。オーケストラによるBGMは「やっつけ仕事」でした。なお、DVDでは息子のナレーションは最初だけで、オーケストラの演奏が始まると字幕に変わります。かわいらしい声が聴けなくてちょっと残念。会場ではオーケストラの音量が大きくて、ナレーションがあまり聴こえなかったので、DVDの字幕を見て初めてナレーションの内容がはっきり分かりました。
続いて、14曲目は「茎(STEM)〜大名遊ビ編〜」。歌詞が英語で、間奏でトランペットが派手に鳴る「大名遊ビ編」での演奏です。シングル「茎(STEM)〜大名遊ビ編〜」に収録されていますが、「大名遊ビ編」での演奏はライヴ初披露ではないでしょうか。前曲で回転したステージは元に戻っていました。深緑のドレスで歌いました。最初は床の上に座って、3番からは立って歌いました。反響板の近くで左右2名の計4名の青い服を着た女性(林檎博記念舞踊団)が踊りました。照明はひらがなのくずし字のような縦書きの白い文字が現れました。また、黄色や青色の小さな光が照らされて、幻想的な雰囲気でした。光を含めた芸術といえるでしょう。
15曲目は「この世の限り」。「椎名林檎×斎藤ネコ+椎名純平」名義の作品なので、冒頭のトライアングルが聴こえたときに「え?」と思いましたが、なんと兄の椎名純平がステージに登場。びっくりしました。衣装は深緑のコートに、茶色のかぶりものとズボンでした。DVDで見ると、かぶりものは大きくて落ちそうです。兄妹の共演がライヴで聴けるとは思いませんでした。この曲ももちろんライヴ初披露です。林檎博記念舞踊団の4人が傘を持って踊りました。椎名林檎と椎名純平は見事なハーモニーを聴かせました。さすが兄妹ですね。DVDで見ると、椎名林檎は椎名純平に視線を送りながら歌っていてかわいらしい。2日目はバランスが悪くていまひとつでしたが、座席のせいでしょうか。また、ステージの左右に客席に向かってオーケストラピットを囲むように通路が延びています。2人はこの通路の前方に出てきて歌いました。左が椎名林檎、右が椎名純平です。DVDでも左から椎名林檎が、右から椎名純平の声が聴こえます。日本語の訳詞が左右の反響板に映りました。
ここで、初めてのMC。椎名林檎が「こんばんわ。お目にかかれて光栄です。幸せです。」と感想を述べた後、「私の兄、椎名純平です」と紹介。その後、「今日は私の作った曲ばかりやりますが、ここでコピーをさせてください」と話し、「一生に一度こんな曲が書けたらいいなと思っている曲」として「オニオンソング」と紹介しました。とても短く落ち着いたMCでした。
16曲目は「the onion song」。カバーアルバム「唄ひ手冥利〜其ノ壱〜」森パクトディスクに「玉葱のハッピーソング」として収録されています。今回のライヴでは、唯一椎名林檎以外の作品でした。椎名林檎にとって椎名純平は最高のデュエットパートナーですね。この曲も素晴らしいハーモニーでした。DVDでは椎名林檎は、椎名純平のパートも口ずさんでいるのが分かります。椎名林檎と椎名純平はオーケストラピットを囲む通路を歩きました。歌舞伎の花道のようでした。premium ticketのAブロックの観客にはかなり近くで見られたことでしょう。2人はちょうど指揮台の後ろで入れ違いました。林檎博記念舞踊団はステージ上で旗(DVDで見ると手旗エキス)を持って踊りました。日本語の訳詞が反響板に映りました。
椎名純平と林檎博記念舞踊団が退場して、17曲目は「夢のあと」。大熱唱でした。
18曲目は「積木遊び」。なつかしい。斎藤ネコのアレンジは鐘を使っていました。椎名林檎は、白い服に着替えた林檎博記念舞踊団と一緒に「積木遊び」の振り付けをしながら歌いました。ライヴでは「下剋上エクスタシー」(2000年春)と「座禅エクスタシー」(2000年夏)で披露していますが、振り付けの真似している観客は少数でした。最近やっていない曲なので、知っている人は少数でしょうか。歌い終わると退場。
休みなしで、19曲目は「御祭騒ぎ」。前奏で椎名林檎が入場。黄緑色の上着、丈の短い白いズボンでした。「見世物小屋の嘘」を歌った後、左右の反響板が割れて、網笠をかぶって浴衣を着た女性(高円寺阿波おどり振興協会)が大量(80人?)に入場して踊りました。踊りは歌詞に出てくる「放生会(ほうじょうや)」で踊られる踊りなのかと思いましたが、歌詞とは関係のない阿波踊りでした。ステージに登場する人が一気に増えてにぎやかでした。照明も明るく、まさにお祭り騒ぎ、カーニバルでした。椎名林檎は再び花道の中央に進み出て歌いました。
阿波踊りの女性が退場して、20曲目は「カリソメ乙女(DEATH JAZZ ver.)」。配信限定でリリースされた「DEATH JAZZ ver.」をベースにした編曲です。椎名林檎は前奏で「ありがとうございました。また近々どこかでお会いしましょう」と話しました。トランペットが強烈。椎名林檎は林檎博記念舞踊団の4人と一緒に、足を上げて激しく踊りました。また、30日は間奏でSOIL&"PIMP"SESSIONSの社長が話す「ワンタイム、ツータイム、スリータイム」をつぶやくように話しました。「七ツ下がり “本当は添いたいよ”と、云って」を歌いながら、ステージ後方に移動。最後の「冗談よ 左様なら」でなんとステージ後方の舞台下に背面から体を預けるように落下。DVDでは「左様なら」を笑顔で歌って左手を上げたまま落下します。落下する前に笑えるのがすごい。すごい舞台演出で驚きました。
ここまでで本編が終了。バンドメンバーも退場しましたが、拍手に応えて再登場。椎名林檎はキャミソールの軽装で、露出度が高い衣装でした。頬紅をしていました。短くMC。「もう一度お呼びいただきありがとうございます。冬なのに暑いですね。暑くないですか。私は暑いです。あとちょっとお付き合いいただけますか」と話して、アンコール。「正しい街」。ギターを弾きながら歌いました。
アンコール2曲目は、「幸福論(悦楽編)」。アルバム「無罪モラトリアム」に収録されているテンポが速い「悦楽編」での演奏です。拡声器で歌いました。花道を一周しました。これまで白黒で映っていたモニターが、初めてカラーで映りました。「今日はどうもありがとう」と話して、後奏で退場しました。
これで終わりかと思いましたが、拍手に応えて再再登場。「長時間おつきあいいただいているので、特別なことをしなくちゃいけないと思って」(28日)、「ご予定大丈夫ですか。一生こんなことをやらせてもらえることがないので」(29日)、「みなさんとこんなふうにこんな大勢の方とお目にかかるのはたぶん初めて、そういう場所でライヴやらせていただくのは初めてだそうなんですけれども、それと同時にですね、この演奏家の方々こんな大勢いらっしゃるのは私もレコーディングを含めても初めてだったようです。今朝気づきました」と話しました。DVDでは椎名林檎の「ですよね」との確認に、斎藤ネコが笑ってうなずいています。「いろいろとバブリーなことやらしていただいていますけど、史上初ですよね、ネコさん」「ありがとうございます。こんな一生に一度しかやれないようなことをさしていただいて。今、人生史上、一番大勢のことだと思います。ありがとうございます。うれしいです」(30日)と話しました。ちなみに、ロックフェスティバルを含めるなら「RISING SUN ROCK FESTIVAL 2008 in EZO」(2008.8.16)のほうがオーディエンスの人数は多かったですね。
「今の子供が7歳」(29日)、「恥ずかしくなってきてしまいました。そっとお聴きください」(30日)と照れながら、「7歳の時の処女作」と紹介して、アンコール3曲目は、「ミカンの皮」。CD等には収録されていないので、初披露です。30秒程度のとても短い曲です。童謡風のアレンジでした。椎名林檎の最初の作品がミカンだったとはおもしろいですね。
休みなしにアンコール4曲目は、新曲。前奏で「今日のために1曲ぺろっと書いてきました」と紹介しました。「よきょう」と紹介されましたが、「余興」なのか「余響」なのか分かりませんでしたが、DVDでは「余興(仮)」と表記されています(アルバム「三文ゴシップ」に「余興」の作品名で収録されました)。阿波踊りと林檎博記念舞踊団が再登場。大人数で華やかな終曲でした。歌詞は日本語ですが、やや聴こえにくかったです。歌詞に「よきょう」という言葉は入っていないようでした。後奏はティンパニが派手に鳴って、演奏を終えました。
ステージの照明が落ちて、オーケストラ団員が退場する中、最後は「エンドクレジット」。上部のモニターに映画のように、出演者やスタッフの名前が流れました。「東京事変 DOMESTIC! Virgin LINE」と同じ趣向です。BGMは「丸の内サディスティック」。CD等で発売されている録音ではなく、歌詞が日本語と英語に入れ替わる編曲で、このライヴのために録音されたと思われます。いいアレンジでした(アレンジを手がけたのは東京事変の浮雲で、アルバム「三文ゴシップ」に「丸の内サディスティック(EXPO Ver.)」として収録されました)。最後はモニターに「自作自演 椎名林檎」と大きく表示されて終わりました。なお、DVDでは本編映像とは別構成の「キャスト&スタッフ」に収録されていますが、クレジットはライヴで流れたものとは別物です。BGMも「丸の内サディスティック」ではなく「りんごのうた」です。
終演
約2時間のステージでした。終演後のモニターには、「RingoEXPO08」と青い文字で表示されました。出口付近の廊下には、各方面から贈られた花束が置かれていました。レコード会社、雑誌出版社、テレビ局、FM局などがずらーっと並んでいました。椎名林檎の親交のある有名人からも届いていて、椎名林檎が楽曲を提供したともさかりえ、TOKIO、PUFFY、共演した小林賢太郎、東京スカパラダイスオーケストラ、MO'SOME TONEBENDERの名前がありました。他にも、リリー・フランキー、バナナマン、マボロシからも届いていましたが、椎名林檎とどういう関係があるのか分かりません。
また、出口でビラが入った袋を受け取りました。「(生)林檎博参加者限定ページ」の案内ビラが封入されていました。携帯電話でQRコードを読み取ると、専用モバイルサイトに接続できて、参加者特別クイズ「やさしい林檎博覧クイズ」や参加者アンケートに答えることができました。
帰路
28日は、徒歩で大宮へ。
29日は、JRさいたま新都心駅からJRに乗って大宮駅へ。ホームは入場制限するほどの大混雑でした(下の写真)。
30日は、JRさいたま新都心駅から京都に帰りました。東京駅から東海道新幹線に乗りましたが、新幹線のホームに(生)の袋を持った人を何人か見かけました。遠方からも多く来られているようです。
全体の感想
打ちのめされました。完成度が高すぎ。椎名林檎と同じ時代を生きることができて幸せです。今回のステージでは、指揮と編曲を務めた斎藤ネコの功績が大きいでしょう。バンドとオーケストラを見事に融合させました。斎藤ネコは偉大ですね。オーケストラ編曲で聴く椎名林檎も素晴らしかったです。また、ライヴで聴くオーケストラは伸びやかですばらしい。CDだと響きが硬くなってしまうので、生演奏ならではのよさを実感しました。それにしても、亀田誠治と斎藤ネコが、同じステージで共演するとは思いもしませんでした。椎名林檎にとっても斎藤ネコと対面して歌い、「師匠」と慕う亀田誠治が隣で演奏していて感無量だったでしょう。大勢のオーディエンスを前にして歌う椎名林檎の姿も壮観でした。客席で「手旗エキス」が一斉に振られる様子もきれいでした。
セットリストはライヴであまりやらない曲が多かったです。「ハツコイ娼女」「シドと白昼夢」「ここでキスして。」「ギャンブル」「ギブス」「闇に降る雨」「すべりだい」「浴室」「錯乱」「この世の限り」「the onion song」「積木遊び」「正しい街」「幸福論〜悦楽編〜」「ミカンの皮」「余興(仮)」は初めてライヴで聴きました。なかでも、椎名純平とのデュエットはもう一度聴きたいです。歌い方は、ソロ時代で聴かせたラ行の巻き舌はほとんどありませんでした。巻き舌からは完全に卒業でしょうか。ちょっと残念な気もします。
MCはほとんどありませんでした。椎名林檎以外は、椎名純平がひとこと挨拶しただけ。共演者のメンバー紹介もなく、エンドクレジットを見て初めて誰が演奏していたのかを知りました。話よりも音楽をたくさん聴いてほしいということでしょう。ギターやベースはソロでも前に出てこないどころか、スポットライトも当たりません。完全に脇役扱いでした。椎名林檎のソロステージという目的がはっきり表されていました。
衣装は6回着替えました。最初に登場した白いかぶりものには圧倒されましたが、特殊開発グッズで発売されていた着物は着ませんでした。予想が外れました。
ステージは見た目はシンプルでしたが、せり(エレベータ)で降ろしたり、ステージごと回転したり、ステージ後方に落下して退場させるなど、仕掛けが多くて楽しめました。オーケストラピットの前に設けられた花道を含めて、歌舞伎の発想を取り入れているのもおもしろかったです。DVDで改めて見ても、このステージプランがすごいことに気がつきます。オケピット、回転ステージ、エレベータ、落下、ダンサー、阿波踊り、照明、モニターなど、演出が見事でした。
DVD「Ringo EXPO 08」
このライヴの映像が、2009年3月11日にDVD「Ringo EXPO 08」として発売されました。何と言ってもノーカットで全曲収録してくれたことに大拍手。DVDで改めて聴いても、すごい完成度です。永久保存盤どころか家宝になるでしょう。強いて言うなら、最後の「エンドクレジット」(丸の内サディスティック(EXPO Ver.)がカットされたのが少し残念です。
録音もすばらしい。会場とは比較にならないほど鮮明な音質で、客席では聴こえなかった音が聴き取れます。DVDで聴くと、斎藤ネコのアレンジはオーケストラの細部まで細かく書かれていることが分かります。よくできたアレンジだと再認識しました。毎回お楽しみのボーナストラックはありませんが、大満足です。
カメラの台数も多い。オーケストラピットの中や会場の全景などいろんな角度から収録されていて文句なし。遠くてよく見えなかった椎名林檎や林檎博記念舞踊団の表情もよく分かります。照明もものすごくきれい。
なお、初回生産分のみ「10周年記念まなじり箱」「10周年ステッカー封入」「処女作「みかんの皮」手書き楽譜封入」の特典がありました。
・10周年記念まなじり箱 まなじりマークの入った白い正方形の箱に入っています。
・10周年記念ステッカー 黒い正三角形のシールに、(生)、稲妻リンゴマーク、RingoEXPo08が書かれています。
・処女作「みかんの皮」手書き楽譜 細長い紙に16小節の楽譜。歌詞だけでなく、ちゃんとコードが書かれています。
ブックレットも入っていますが、いたってシンプル。写真とDVD製作スタッフの名前が書いてあるだけです。詳しくはDVDを見ろということでしょう。
衣装展示
DVD「Ringo EXPO 08」の発売を記念して、2009年3月に「椎名林檎(生)林檎博'08 〜10周年記念祭〜」で椎名林檎が実際に着用した衣装5着が、タワーレコード渋谷店と新宿店に展示されました。東京に行ったついでに見てきました。その後7月に同じ5着が、梅田NU茶屋町店にも展示されました。
新宿店には4着を展示。登場順に紹介すると、まず、「ハツコイ娼女〜ギャンブル」で着用した巨大な角のかぶりもの。角の部分は木でできているのかと思っていましたが、どうやらプラスティックのようです。角に絡まっている綿も思っていたほど多くありませんでした。ドレスは緑色に染めた布をつなげて作られています。
次は、「ギブス〜闇に降る雨」で着用した上着。かなり厚着です。右が黒色、左が白色です。その下に着ていた前が白色で後ろが黒色のワンピース(ギブス〜罪と罰)は展示されませんでした。また、黒いコート(歌舞伎町の女王〜ブラックアウト)も展示されていません。
続いて、「茎(STEM)〜大名遊ビ編〜〜積木遊び」で着用した深緑色のドレス。濃い緑色の花柄で、洋風のデザインと言えるでしょう。スカートはステージで見たときほど膨らんでいないので、ライヴでは下にクリノリンのようなものを入れていたようです。
続いて、「御祭騒ぎ〜カリソメ乙女(DEATH JAZZ ver.)」で着用した、黄緑色の上着と丈の短い白いズボン。上着は黄緑の布にチップをつけたレースを重ねています。
渋谷店に展示された衣装は、アンコール(正しい街〜余興(仮))で着用したキャミソール。かなり薄着です。紐は金色。表面は白い布に金と白の小さなビーズをつけています。
1.ハツコイ娼女 (作詞・作曲:椎名林檎)
2.シドと白昼夢 (作詞・作曲:椎名林檎)
3.ここでキスして。 (作詞・作曲:椎名林檎)
4.本能 (作詞・作曲:椎名林檎)
5.ギャンブル (作詞・作曲:椎名林檎)
<林檎の筋> 宗教 (作曲:椎名林檎)
6.ギブス (作詞・作曲:椎名林檎)
7.闇に降る雨 (作詞・作曲:椎名林檎)
8.すべりだい (作詞・作曲:椎名林檎)
9.浴室 (作詞・作曲:椎名林檎)
10.錯乱(TERRA ver.) (作詞・作曲:椎名林檎)
11.罪と罰 (作詞・作曲:椎名林檎)
12.歌舞伎町の女王 (作詞・作曲:椎名林檎)
13.ブラックアウト (作詞・作曲:椎名林檎)
<林檎の芯> やっつけ仕事 (作曲:椎名林檎)
14.茎(STEM)〜大名遊ビ編〜 (作詞・作曲:椎名林檎)
15.この世の限り (作詞・作曲:椎名林檎)
16.the onion song (作詞・作曲:ニコラス・アシュフォート/ヴァレリー・シンプソン )
17.夢のあと (作詞・作曲:椎名林檎)
18.積木遊び (作詞・作曲:椎名林檎)
19.御祭騒ぎ (作詞・作曲:椎名林檎)
20.カリソメ乙女(DEATH JAZZ ver.) (作詞・作曲:椎名林檎)
<アンコール1>
EN1.正しい街 (作詞・作曲:椎名林檎)
EN2.幸福論(悦楽編) (作詞・作曲:椎名林檎)
<アンコール2>
EN3.ミカンの皮 (作詞・作曲:椎名林檎)
EN4.余興(仮) (作詞・作曲:椎名林檎)
<エンドクレジット> 丸の内サディスティック (作詞・作曲:椎名林檎)
2009.1.5記
2009.9.16更新