インテックス大阪 AURORA STAGE（５号館）
椎名林檎(Vox)、伊澤一葉(Key)、浮雲(Guitar)、亀田誠治(Bass)、刄田綴色(Drums)
座席：フリー
| |
２００６年１２月３１日（日）19:40開演 インテックス大阪 AURORA STAGE（５号館） 椎名林檎(Vox)、伊澤一葉(Key)、浮雲(Guitar)、亀田誠治(Bass)、刄田綴色(Drums) 座席：フリー |
rockin'onが主催する「COUNTDOWN JAPAN」に、東京事変が初めて出演しました。このイベントは、2003年から行なわれている年越しロック・フェスティバルで、これまでは東京（幕張メッセ）を会場に行なわれていました。４年目の2006年は、新たにインテックス大阪を会場に「COUNTDOWN JAPAN-WEST-」も開催されることになり、幕張メッセで４日間（12/29〜1/1）、インテックス大阪で３日間（12/29〜12/31）行なわれました。
東京事変は、東京（12/30 19:15〜）と大阪（12/31 19:40〜）の両会場で出演しました。東京事変のライヴは、４月〜５月の「東京事変 “DOMESTIC!” Just can't help it.」、７月２日の「SOCIETY OF THE CITIZENS vol.1」以来、約半年ぶりです。
チケットは、10月に行なわれた往復ハガキによるチケットの抽選予約で、大阪公演の「12月31日 １日券（8,000円）」をゲットできました。一般発売の前に、チケットを確保できてラッキーでした。
インテックス大阪へ
会場のインテックス大阪の最寄り駅は、大阪市営地下鉄中央線のコスモスクエア駅です。駅を降りると、多くの人がインテックス大阪に歩いていました。10分ほど歩いてENTRANCEに到着。 
ENTRANCEでチケットを渡して、リストバンドとネックストラップを受け取りました。リストバンドを手首につけて会場に入ります。このリストバンドがあれば、出入り自由というシステムです。ネックストラップには、会場の地図やタイムテーブルが掲載された紙が入っていて、とても重宝しました。持ち物チェックはありませんでした。
使用会場は、インテックス大阪の１、２、４、５号館です。ライヴは「PLANET STAGE」（４号館）と「AURORA STAGE」（５号館）の２会場で同時進行で行なわれます。どの建物もびっくりするくらい広い。
・１号館：オフィシャルグッズ・アーティストグッズ販売、クローク。
クロークの大きさにびっくり。私は使いませんでしたが、１日1,000円で出し入れ自由なので、遠方から来た人には歓迎されるでしょう。アーティストグッズ販売ですが、東京事変は「DOMESTIC! Virgin LINE」と「“DOMESTIC!” Just can't help it.」で作られたグッズの再発売で、新たなグッズが発売されなかったので何も買いませんでした。
・２号館：飲食ブース、ガーデンテーブル、DJ BOOTH。
イスが大量に置かれています。ここで寝ている人が多かったです。DJ BOOTHから音楽が聴こえていました。
・４号館：PLANET STAGE。
10,000人以上収容。ステージの左横にモニターが設置されています。
・５号館：AURORA STAGE。
10,000人以上収容。PLANET STAGEよりも収容人数が多いです。ステージの左横にモニターが設置されています。
東京事変 19:40〜（AURORA STAGE）
まず本命の東京事変のステージについて書きます。東京事変の前に出演した「エレファントカシマシ」（18:30〜）を途中から、ステージの後ろで見ました。きれいにバランスが整えられたサウンドでした。ＭＣでは、安倍首相と小泉前首相を比較していました。最後の曲はギターの弾き語り。
演奏終了後、20分ほど配置転換。その間にフロントエリアに移動しました。ステージの前には多くの人が集まっていました。けっこう前のほうに行けましたが、それでも前から数えて20列ぐらいでしょうか。オールスタンディングなので、ちょっとステージが見にくくて残念。
マイクテストが終わっていよいよスタート。マーラー作曲／交響曲第５番第４楽章「アダージェット」のＢＧＭでメンバーが入場。刄田綴色がなんと丸坊主になっていました。びっくり。照明の光が頭に反射して光るほどで髪が短かったです。伊澤一葉は、軍服のような服と帽子。浮雲と亀田誠治はラフな服装でした。椎名林檎は、黒色系のロングコートにミニスカートという服装。ミニスカートは下が黒くて、上ほど白くなる染物のようなデザインでした。スカート丈がかなり短かったです。髪は「ミュージックステーション」（2006.12.8放送）で披露したように超短髪でした。
メンバーの配置は、ステージ中央に椎名林檎、後列は椎名林檎を囲むようにして、左から、伊澤一葉、浮雲、亀田誠治、刄田綴色という配置で、「“DOMESTIC!” Just can't help it.」と比べると、浮雲と亀田誠治の位置が入れ替わった以外はほぼ同じ配置です。ドラムを右端に置くという変わった配置には、やはりこだわりがあるようです。
注目の１曲目は「秘密」。「僕らの音楽２ 東京事変×中村勘三郎」（2006.1.27放送）で演奏したので、選曲されたのでしょう。
続く２曲目は「喧嘩上等」。「“DOMESTIC!” Just can't help it.」では途中で椎名林檎の口上がありましたが、今回はありませんでした。
３曲目は「丸の内サディスティック」。「“DOMESTIC!” Just can't help it.」でも演奏しましたが、今回はアルバム「無罪モラトリアム」に収録されているアレンジをベースにして演奏しました。このアレンジは久しぶりに聴きましたが、こっちのアレンジのほうがいいですね。演奏前（か演奏中（失念））に、椎名林檎がコートを脱いで、黄色いシャツに半袖シャツに着替えました。冒頭は椎名林檎がピアニカを演奏。ベースのソロは亀田誠治が前に出てきて演奏しました。演奏の途中で椎名林檎が「こんばんわ。東京事変です。」というＭＣがありました。それ以外にも少し話しましたが、ちょっとよく聴こえませんでした。残念。最後は椎名林檎が手を左右に振って、客席も同調していました。
４曲目は「林檎の唄」。アルバム「教育」に収録されているのと同じ編曲でした。椎名林檎は黒いタンバリンを振りながら歌いました。
５曲目は「群青日和」。椎名林檎、浮雲、伊澤一葉の３人が前に出てギターを演奏しました。
６曲目は新曲「花魁」（おいらん）。「椎名林檎×斎藤ネコ」名義で2007年2月21日にリリースされるアルバム「平成風俗」に収録される予定です。演奏前に椎名林檎のＭＣで「新曲の花魁って言います。聴いてください。」という紹介がありました。もちろん初めて聴きましたが、歌詞が英語でした。また椎名林檎のヴォーカルにエコー効果を使っていました。ちょっと親しみにくいメロディーでした。
７曲目は「ミラーボール」。「花魁」から休みなしに演奏しました。「“DOMESTIC!” Just can't help it.」でも演奏されましたが、今回はアレンジを変えていて、ハイテンポでキーが高くなっていました。「花魁」と「ミラーボール」は知名度が低いせいか、観客のノリもいまひとつでした。
８曲目は「夢のあと」。あえて静かな曲を取り上げるのが椎名林檎らしいです。椎名林檎は声の張りもすばらしく熱唱を聴かせました。
９曲目は「ブラックアウト」。椎名林檎はタンバリンを振っていました。
10曲目は「透明人間」。「ブラックアウト」からドラムソロをはさんで続けて演奏しました。やはりこの曲は人気がありますね。演奏中に椎名林檎のＭＣがありましたがよく聴こえませんでした。椎名林檎は「東京事変 DOMESTIC! Virgin LINE」の特殊開発グッズのひとつ「手旗ドメス」を振っていました。さすがに「手旗ドメス」を持ってきた観客はいなかったようでしたが。椎名林檎は歌い終わると後奏中に退場しました。後奏が終わると、残りの４人も退場。刄田綴色はいつものように、ドラムの表面カバーを観客に投げていました。
＜全体の感想＞
東京事変のライヴは半年ぶりでしたが、演奏がパワーアップした感じでした。演奏に装飾音が増えたりして、メンバーが楽しんで演奏している様子が伝わりました。特に刄田綴色のドラムの力強い打ち込みがグッド。椎名林檎は、「椎名林檎×SOIL&"PIMP"SESSIONS」名義の「カリソメ乙女（DEATH JAZZ ver.）」では巻き舌で歌っていましたが、今回のライヴでは巻き舌はありませんでした。椎名林檎名義のソロで歌うときと、東京事変のヴォーカルとして歌うときで、歌い方を分けているようです。
１時間程度のステージだったのであっという間でした。メンバー紹介もなくＭＣも少なくちょっとボリューム不足でしたが、ひさびさに聴けて満足です。後述するように、東京事変以外のステージも見ましたが、やっぱり私は椎名林檎（東京事変）が好きだということを実感しました。参加した人のブログをいくつか読んだ感じでは、椎名林檎の声に圧倒されたという意見がほとんどでした。また椎名林檎（東京事変）ファンが増えたのではないでしょうか。
1.秘密 （作詞・作曲：椎名林檎）
2.喧嘩上等 （作詞・作曲：椎名林檎）
3.丸の内サディスティック （作詞・作曲：椎名林檎）
4.林檎の唄 （作詞・作曲：椎名林檎）
5.群青日和 （作詞：椎名林檎 作曲：Ｈ是都Ｍ）
6.花魁 （作詞・作曲：浮雲 英訳：椎名林檎）
7.ミラーボール （作詞・作曲：浮雲）
8.夢のあと （作詞・作曲：椎名林檎）
9.ブラックアウト （作詞・作曲：椎名林檎）
10.透明人間 （作詞：椎名林檎 作曲：亀田誠治）
東京事変以外のステージにもついても、少し書いておきます。
ZAZEN BOYS 14:05〜（PLANET STAGE）
ZAZEN BOYSは、「SOCIETY OF THE CITIZENS vol.1」（2006.7.2）で東京事変と共演しています。また、セカンドアルバム「ZAZEN BOYS �供廚任蓮�椎名林檎がバッキング・ヴォーカルとして参加しています。準本命のステージでした。
ZAZEN BOYSの前に出演した「POLYSICS」（13:00〜）を途中から見ました。オレンジの衣装でハイテンションなステージでした。終わった後にフロントエリアに移動。20分ほどのマイクテストの後、メンバーが登場。向井秀徳がサングラスをかけて現われたのでびっくりましたが、すぐにいつものメガネに替えていました。髪がちょっと伸びていました。メンバーの配置は、ギター２人とベースの立ち位置がとても近かったです。いたるところで「ここはオオサカシティー」と絶叫していました。各楽器のバランスはあまり気にしないバンドのようです。すごい轟音で、建物の天井が落ちてくるのではないかと思ったほどです。向井のヴォーカルは早口になる部分ではよく聴こえませんでした。「MABOROSHI IN MY BLOOD」「IKASAMA LOVE」「COLD BEAT」はアルバム「ZAZEN BOYS」と「ZAZEN BOYS �供廚把阿い燭海箸�ありましたが、それ以外の曲は初めて聴きました。最後の「半透明少女関係」は、なかなかすごい曲ですね。「ええじゃないか」という向井のシャウトにあわせて観客が阿波踊り。歌い終わると、向井秀徳は「これから実家に帰ります。乾杯。」と言い残して、退場しました。選曲を含めて、コアなファン向けのステージでした。
1.SUGAR MAN
2.MABOROSHI IN MY BLOOD
3.IKASAMA LOVE
4.HIMITSU GIRL'S TOP SECRET
5.COLD BEAT
6.Friday Night
7.RIFF MAN
8.半透明少女関係
佐野元春 21:50〜（PLANET STAGE）
佐野元春は名前を聞いたことがある程度でしたが、日本のロックの先駆者とされているようです。1956年生まれなので、50歳。
オーディエンスがかなり少なくてびっくりしました。同じ時間帯の「GRAPEVINE」に客が流れたのでしょうか。余裕でフロントエリアで見れました。
しかし、演奏はものすごくよかった。黒い帽子をかぶって佐野元春が登場。メンバー（The Hobo King Band）は、テナーサックスと女声のバックコーラス２名が加わった編成でした。佐野元春は、ステップやギターの弾き方など、体全体に音楽が流れている感じで感動しました。指揮者のように両腕を使って、メンバーに対して音を切る指示していました。また時々両腕を使って観客を煽っていました。年齢を全然感じさせません。「アンジェリーナ」では、観客に「シャララララ、ララララ〜」と歌うように促しました。続いて、佐野元春の「I love you」の掛け声に対して、観客が「You love me」と返しました。最後は盛り上がってステージに一体感が生まれました。また機会があればぜひ聴きたいです。
1.99ブルース
2.インディヴィジュアリスト
3.コンプリケーション・シェイクダウン
4.約束の橋
5.サムデイ
6.ニュー・エイジ
7.国のための準備
8.アンジェリーナ
9.メドレー
東京スカパラダイスオーケストラ 23:20〜（PLANET STAGE）
年を越す大トリは「東京スカパラダイスオーケストラ」か「レミオロメン」です。「真夜中は純潔」と「シドと白昼夢」で椎名林檎と共演した東京スカパラダイスオーケストラをセレクト。佐野元春に引き続き、フロントエリアで見ました。
ピンク色のジャケットでメンバーが登場。最初からものすごい盛り上がり。観客が腕を突き上げたりジャンプしたりなどものすごいノリ。こんなに人気があるとは知りませんでした。すごい運動でした。メンバーも観客に向かって腕を突き上げていたり、ステージに設置された「目つぶし」の照明が観客に対する合図だったりして、初心者がノるのも分かりやすかったです。盛り上げ方を知っていて、ライヴ向きのバンドだと感じました。とても楽しいステージでした。
演奏もとてもいい。メンバーは動きながら演奏していて、blastに近い演奏技術を感じました。「おおみそかに大阪に来てよかった」「戦争は起こらないよ」「音楽は一番平和に近いんだよ」「こんな新年ありえない」といったＭＣもあって、メンバーも感激した様子でした。
いよいよ年越しカウントダウン。30秒前から全員でカウントダウン。「ゼロ」の掛け声と同時に、ステージ前方の巨大クラッカーが弾けて銀色のテープが降ってきました。カウントダウン後は、数曲演奏した後に「ハッピーニューイヤー」と叫んで、メンバーが退場。意外にもあっさり終わってしまったので、観客が「アンコール」の大合唱。しばらくしてメンバーが再登場して、１曲演奏しました。アンコールが終わると、ステージ横のモニターに「THANK YOU! SEE YOU IN THIS SUMMER.」の文字が現われました。 
1.The Godfather - Love Theme From The Godfather -
2.5 days of TEQUILA
3.Down Beat Stomp
4.Call from Rio
5.Natty Parade
6.SKA ME CRAZY
7.星降る夜に
8.ルパン三世'78
9.太陽にお願い
10.Come On!
11.White Light
EC1.A Quick Drunkard
終演後は、ものすごい混雑が予想できたので、２号館のガーデンテーブルでひと休み。多くの人が残っていて、余韻を楽しんでいるようでした。飲食店が店じまいをはじめたので、深夜２時ごろに会場を後にしました。その後は、コスモスクエア駅まで歩いて、地下鉄中央線→地下鉄御堂筋線→ＪＲ京都線→近鉄京都線を乗り継いで、早朝５時頃に自宅に帰りました。
全体の感想
何と言ってもライヴのおもしろさを体感できることがこのイベントの一番の魅力です。2006年のＮＨＫ紅白歌合戦の関西地区の視聴率が過去最低だったようですが、ライヴはテレビで見ているのと比較になりません。音楽を楽しみたいのであれば、年越しライヴの参加をおすすめします。年越しカウントダウンも過不足ない演出で、すっきりと新年を迎えることができました。
１日で15,000人が来場したようですが、「このイベントに参加しないと年を越せない」という修行や苦行に似た緊張感を漂わせている人が多くて、見ていておもしろかったです。１人で参加している人も結構いました。また、参加者のマナーが予想以上によかった。不快な思いをしたことはありませんでした。ステージの合間のマイクテスト中も、観客は立ったまま演奏が始まるのを待っていました。短気な関西人とは思えません。
出入り自由なので、ＡＴＣで晩ご飯を食べたり、近くのコンビニで食料を調達したり、自由に時間を使えました。また、ブロック指定もないので、自分のペースで楽しむことができます。ただ、後ろのほうで見ていてもつまらないので、フロントエリアで見ることが多かったです。そのかわり、コンクリートの床の上で立ちっ放しになったり、跳んだり跳ねたりしたので、足がかなりの筋肉痛になりました。運動不足の私は、３日連続の参加は体力的に厳しいですね。会場は熱気で暑いので薄着の人が多かったですが、半袖はさすがに寒いと思います。また、建物間の移動は外を通るので、防寒着が必要です。
大阪での初めての開催としては、大成功でしょう。一度参加するとハマりますね。東京事変が参加しなくても行くかもしれません。来年以降も定着することを願っています。2007年の開催が今から楽しみです。
2007.1.9記
2007.2.15更新
2007.3.17更新
参考文献：『ロッキング・オン・ジャパン』2007年３月増刊号「COUNTDOWN JAPAN 06/07」
