京都コンサートホール・ロビーコンサートVol.21「Magritt(マグリット) デュオ・コンサート」


2026年2月15日(日)11:00開演
京都コンサートホール1階エントランスホール

中山美輝(打楽器・マリンバ)、陶山咲希(ファゴット)

コシンスキー/ゲット・イット!
ガーシュウィン(中山洋編)/ガーシュウィン・メドレー
ピアソラ/「タンゴの歴史」より Ⅰ「売春宿1900」、Ⅱ「カフェ1930」、Ⅲ「ナイトクラブ1960」

座席:自由


ひさびさに京都コンサートホールのロビーコンサートに行きました。1年に3公演開催されていて、本公演は今年度の最終回です。第21回の今回は、打楽器奏者の中山美輝と、ファゴット奏者の陶山(すやま)咲希による姉妹デュオ「Magritt(マグリット)」が出演しました。マリンバとファゴットのデュオという編成が珍しい。2016年に結成されました。なお、「Magritt」の名前の由来は不明です。

中山美輝の旧姓が陶山で、2人は姉妹ですが、あまり顔は似ていません。中山のホームページによると、姉妹は4歳差とのこと。二人とも京都市立芸術大学を卒業しました。姉の中山美輝は、夫が京都市交響楽団首席ティンパニ奏者の中山航介で、京都市交響楽団第702回定期演奏会でも夫婦で出演していました。妹の陶山咲希は、2025年7月から関西フィルハーモニー管弦楽団首席ファゴット奏者を務めています。

入場無料で事前申込不要で、定員(約100席)を超える場合は立ち見となりました。この日は朝から京都マラソンが開催されて、京都市内で交通規制が行なわれました。北山通りがマラソンコースで、京都コンサートホールの東の下鴨中通も通行止めでした。10:30に開場。すでに100人くらいが並んでいましたが、なんとか座席を確保できました。立ち見が出て、京都コンサートホールのX(@KCH_Kyoto)の公演レポートによると、400名近いお客さんが来たとのこと。1年前はVol.18「沓野勢津子 マリンバ・コンサート」でしたが、マリンバは人気がありますね。

プログラム1曲目は、コシンスキー作曲/ゲット・イット!。右側の中山はカホンにまたがって、左足でハイハット(足で踏んで鳴らすシンバル)も担当。左側のファゴットの陶山は立って演奏。跳躍のあるメロディーです。中山のカホンが忙しいそですが、リズミカルな演奏。
曲間でMC。中山が「二人は幼稚園から大学まで同じ学校だった」「カホンは中にギターの弦が入っている」と説明しました。

プログラム2曲目は、ガーシュウィン作曲(中山洋編)/ガーシュウィン・メドレー。陶山が「姉の夫(=中山航介)の父が編曲した」と解説。中山はここからマリンバを演奏。パリのアメリカ人、サマータイム、ピアノ協奏曲、ラプソディー・イン・ブルー、アイ・ガット・リズムをメドレーで演奏。サマータイムや「パリのアメリカ人」のトランペットソロのメロディーもファゴットで演奏。いいメロディーです。ファゴットの表現が多彩で、いろんな音色が出せるんですね。マリンバがよく響きました。

ここで陶山がファゴットの楽器紹介。ファゴットを知っている人が多くて喜んでいました。楽器を実際に解体。ファゴットは5つに分解できて、一番下のU字管で、息がまた上にUターンする仕組みになっているとのこと。これは知りませんでした。クラリネットとは違いますね。

プログラム3曲目は、ピアソラ作曲/「タンゴの歴史」より Ⅰ「売春宿1900」、Ⅱ「カフェ1930」、Ⅲ「ナイトクラブ1960」。もともとはフルートとギターのための作品ですが、ファゴットとマリンバで演奏しました。マリンバはマレットで楽器の下や側面を叩いたり、マレット同士を重ねて音を出したりしました。陶山は安定した演奏で、さすが首席奏者。軽やかに演奏しました。フルートとギターよりも、ファゴットとマリンバの方がいいように感じました。Ⅰ「売春宿1900」は、売春宿なのに明るい曲、Ⅱ「カフェ1930」は暗く物思いにふけるような曲。陶山は高音も軽やかに吹きました。Ⅲ「ナイトクラブ1960」ではファゴットがリードに息を吹きかけて音を出しました。なお、 Ⅰ「売春宿1900」とⅡ「カフェ1930」は、中山美輝のYouTubeチャンネル(@nakayamamiki790)に、Magrittが2019年に撮影した動画が掲載されています。

拍手に応えてアンコール。コシンスキー作曲/ショーロを演奏。中山によると、1曲目で演奏した作曲家コシンスキーが作曲した「ポケット・グルーヴス」からの1曲で、中山が叩く楽器はタンバリンみたいだけどタンバリンではなく、パンデイロという楽器とのこと。アンコールは写真撮影がOKでした。ブラジルの音楽ですが、パンデイロはタンバリンよりも音質が硬い。11:45に終演。ファゴットと打楽器のデュオでしたが、予想以上に楽しめました。

公演終了後の「ランチタイム・サービス」は、本公演のプログラムを見せると、公演当日のみ周辺の飲食店11店で割引サービスが受けられます。今回は「ここ家(ここや)お好み焼き 鉄板焼」に初めて行きました。京都市交響楽団のメンバーが歓送迎会や打ち上げで使用していて、京都市長の松井孝治のX(@matsuikoji)などでも見かけるのですが、店内は意外にせまい。カウンター席と座敷は3組くらいでしょうか。創業30周年ということで、京都コンサートホールと同い歳ですね。小鉢1品サービスが受けられました。

ロビーコンサートは、来年度も3公演が開催されます。これまではソロまたはデュオが出演しましたが、来年度は趣向が変わって、団体による演奏になります。黒谷雅楽会による「雅楽演奏会」(Vol.22)、京都市立芸術大学ロマン派音楽研究会による 「ロマン派音楽 室内楽コンサート」(Vol.23)、京都市少年合唱団による「合唱コンサート」(Vol.24)が開催されます。

なお、京都コンサートホールは、一般財団法人地域創造の「令和7年度地域創造大賞(総務大臣賞)」を受賞しました。京都市ジュニアオーケストラの育成や、市内各所での無料コンサートなどのクラシック音楽の包括的な活動により、30年にわたり文化芸術都市・京都を牽引したことが評価されました。おめでとうございます。


通行止めの下鴨中通 開場 アンコール(ショーロ)の演奏 アンコールの演奏 ここ家 焼きカレーうどん定食

 

(2026.3.8記)

 

第9回京都市立芸術大学サクソフォン専攻生によるアンサンブルコンサート「Saxtation」 京都黒笛音楽隊第17回クラリネットコンサート