立命館大学交響楽団創立70周年記念公演第134回定期演奏会


    2025年12月14日(日)18:30開演
滋賀県立芸術劇場びわ湖ホール大ホール

阪哲朗指揮/立命館大学交響楽団
並河寿美(ソプラノ)、八木寿子(メゾ・ソプラノ)
立命館大学交響楽団創立70周年記念特別合唱団、びわ湖ホール声楽アンサンブル

近衛秀麿(外山雄三編)/立命館大学校歌
マーラー/交響曲第2番「復活」

座席:S席 2階A列37番


1955年に創団された立命館大学交響楽団が今年で創立70年を迎え、記念公演が開催されました。曲目は、大曲のマーラー「復活」です。なお、立命館大学交響楽団は、びわこ・くさつキャンパス(BKC)および政策科学部開設を記念して、第72回定期演奏会(1994.11.21 ザ・シンフォニーホール)でも佐藤功太郎の指揮で「復活」を演奏しました。「復活」を聴くのは、大阪フィル✕尾高忠明 マーラー交響曲第2番「復活」以来で8回目です。

「復活」の選曲は、昨年(2024年)の3月に決まったと学生指揮者の神田眞宏が明かしています。学内の合唱団の都合がつかなかったため、合唱団が公募されました。オーディションはなく、参加費もなし。応募条件は「できるだけ練習に参加できる方」という緩い条件でした。本公演の立命館大学交響楽団創立70周年記念特別合唱団は、プログラムのプロフィールによると、一夜限りの特別結成で、京都ゲヴァントハウス合唱団、大阪ゲヴァントハウス合唱団、大阪男声合唱団、びわこアーベントロート合唱団が中枢を担い、京都市立芸術大学声楽科有志と一般からの公募参加者を加えて約200人の編成です。また、びわ湖ホール声楽アンサンブルからは10人が出演しました。ただし、合唱団の名前はプログラムに掲載されていません。また、団の70年の歴史を振り返る記事もありませんでした。

チケットはS席3,000円で、teketのみで販売。座席選択ができました。少し早く着いたのですが、ホール内のレストラン「レストラン オペラ」は、14時以降はドリンクしか提供していません。期待外れ。また、ホール2階の入口にクロークがありますが、営業していませんでした。開場時に入場列ができました。QRコードを読み取ってもらって入場します。2階席の最前列でしたが、2階席というよりも1階席後方といったほうがふさわしい席でした。お客さんは9割の入りのように見えましたが、立命館大学交響楽団のInstagram(@ritsuso_official)によると、1373名だったようです。

プログラムの出演者に名前が記載されているのは、4回生17名、3回生34名、2回生34名、1回生34名、他大学3名(京都大学1、京都女子大学1、京都工芸繊維大学1)、OBOG8名、エキストラ8名、中橋健太郎左衛門(オルガン)の139名です。対向配置で、左から、第1ヴァイオリン、チェロ、ヴィオラ、第2ヴァイオリンの順で、コントラバスは下手側。団員全員が出演するため、管楽器が増強されていて、フルート、クラリネット、ファゴット、トランペットは各7名(トランペットはさらにバンダが4名)と強力です。ハープ奏者がメンバーにいるのが珍しい(2名のうち1名はエキストラ)。名前入りのステージ配置図が添付されていました。オルガンは中橋健太郎左衛門(立命館大学交響楽団オーケストラトレーナー)が務めました。総勢約330名が出演するため、反響板を後ろにずらして、舞台のスペースを確保しました。兵庫芸術文化センター管弦楽団特別演奏会「佐渡裕 アルプス交響曲」と同じです。

指揮の阪哲朗は58歳。山形交響楽団常任指揮者、びわ湖ホール芸術監督、京都市立芸術大学音楽学部指揮専攻教授を務めていて、2006年から立命館大学交響楽団オーケストラアドヴァイザーを務めています。阪はプログラムに「21回生」と寄稿していて、長期間に渡って指導しています。阪にとっては、びわ湖ホールはホームグラウンドと言えるでしょう。なお、本公演の8日前には、自身が教授を務める「京都市立芸術大学音楽学部・大学院音楽研究科第178回定期演奏会」(2025.12.5 京都コンサートホール大ホール)を指揮したので大忙しの年末です。

プログラム1曲目は、近衛秀麿作曲(外山雄三編)/立命館大学校歌。学生指揮者の神田眞宏が指揮。速めのテンポでした。

プログラム2曲目は、マーラー作曲/交響曲第2番「復活」。合唱団が入場。約200名がステージ後方に6列で並びました。女声、男声、女声の順で、黒い服を着ています。パイプイスに座りました。楽譜は持っていません。合唱団は見た感じはご年配が多い。
オーケストラの演奏は、弦楽器のレベルが高くて期待以上でした。プログラムのパート紹介によると、大学から楽器を始めた人もいるようですが、初心者がいるとは思えない出来です。ヴァイオリンがうまく、コントラバスもよく響きました。管楽器は抑えめでしたが、長い音符に張りがなく、たまに音を外すのが残念。阪はアクセントを強調せずに、ホールを響かせることを重視して、身をかがめてコントロールしました。そのおかげでバランスが取れた演奏になりました。さすが阪はこのホールの聴かせ方を心得ています。
第1楽章は、アインザッツが乱れがち。133~134小節と143~144小節のチェロの跳躍の音程が悪いのが耳につきました。249小節から音符ごとにアクセントをつけながらデクレッシェンド。254小節からのコントラバスはテヌート気味に始まりました(スコアではスタッカート)。最後の5小節はゆっくりしたテンポで降下。
第2楽章は弦楽器のアンサンブルが健闘。ヴィオラとチェロの音程がよければさらによいでしょう。最後(299小節)とその前(297小節)の八分音符の間を開けました。
休みなく第3楽章へ。強奏でもヴァイオリンがしっかり聴こえます。途中でメゾ・ソプラノ独唱が入場。シンバルも大太鼓も音量が弱いですが、打楽器のアクセントはもっと強くてもいいでしょう。休みなく第4楽章へ。メゾ・ソプラノはチェロの後ろ(フルートの前)で歌いました。よく響きます。
休みなく第5楽章へ、メゾ・ソプラノは歌い終わるといったん退場しました。43小節からのホルン×4は下手舞台裏の遠くから。上述したように、反響版を後ろにずらしたので、隙間から阪の指揮が見えるようで、バンダはテンポに遅れずに演奏しました。バンダのホルン×4は入場。191小節からの打楽器のクレッシェンドはじっくり盛り上げました。バンダのホルン×4は248小節から演奏してまた退場しましたが、スコアの指示通りです。343小節からのバンダは下手舞台裏から。独唱2名が合唱団とオーケストラの間の椅子に座りました。出入りが激しい。448小節からのホルンとティンパニは下手舞台裏から、455小節からのトランペット×4は上手舞台裏から演奏。472小節の合唱団は座ったままで歌いました。人数が多い割にはコンパクトで響きが拡散しないのは練習の成果でしょう。やや速めのテンポで、合唱団も独唱も楽譜なしで歌いました。合唱が入ってからオーケストラのレベルが格段にアップ。合唱団は640小節から起立して、力強く期待以上の歌声です。712小節からはやはり感動的。オルガンのリモートコントロールはホルンの後ろにありましたが、このホールにパイプオルガンは設置されていないので天井のスピーカーから流したでしょうか。732小節からホルンがきれいなベルアップ。

カーテンコールでは合唱指揮の萩原寛明も登場。阪はカーテンコールでも笑顔を見せませんでした。20:15に終演。

創立70周年記念を飾るのにふさわしい演奏会となりました。なお、2026年は定期演奏会(5月と12月)に加えて、9月に第2回オペラ公演を開催する予定です。

におの浜一丁目交差点からびわ湖ホールを望む 開場待ちの行列 モニター映像

 
(2026.1.3記)


Kyoto Music Caravan 2025「合唱・オーケストラコンサート」 管・打楽三昧