Kyoto Music Caravan 2025「合唱・オーケストラコンサート」
本公演は無料ですが、会場の霊宝館の拝観料600円が必要でした。事前申し込みが必要で、限定250名。京都コンサートホールのホームページの応募フォームから申し込んだところ、10月31日に当選のメールが届きました。混雑防止のため、受付時間が指定されました。また、霊宝館には暖房設備がないため、冷える可能性があるとの注意がありました。
醍醐寺は世界文化遺産「古都京都の文化財」として1994年に登録されました。真言宗醍醐派の総本山です。醍醐寺は上醍醐(かみだいご)と下醍醐(しもだいご)から成り、歴史的には上醍醐の方が古いですが、一般的に知られる醍醐寺とは下醍醐を指します。毎年4月に行なわれる「豊太閤(ほうたいこう)花見行列」が有名で、私が行った2007年の豊太閤(秀吉)役は上山英介氏(大日本除虫菊株式会社代表取締役会長)が務めました。
山科駅から京阪バスに乗って醍醐寺前のバス停で下車。旧奈良街道に面した総門から入ります。三宝院の受付で、拝観券を購入。本公演の鑑賞に必要な霊宝館の拝観料は上述したように600円ですが、せっかくなので「三宝院エリア」「伽藍エリア」「霊宝館」の3ヶ所に入場できる三カ所共通券(1,500円)を購入しました。逆に言うと、醍醐寺(下醍醐)には無料で拝観できるエリアがありません。
霊宝館は本公演のために前日と本日は休館で拝観できず、隣にある仏像棟が開館されました。仏像棟は普段はあまり開館していないようですが、木造の仏像が何体か間近に見ることができました。なお、収蔵庫には10万点以上の寺宝が所蔵されています。また、霊宝館エリアにはフレンチカフェ「ル・クロ スゥ ル スリジェ ~桜の樹の下で~」があり、行列ができていました。
会場の霊宝館は1935年に開館しました。玄関の前には枝垂れ桜がありますが、今の時期は枝だけです。霊宝館は本館とその奥に平成館(2001年に増築)の2つの建物から構成され、本公演の会場は平成館の大展示室でした。土足で入れます。大展示室はものすごく広く、800㎡もあるとのこと。なお、館内の撮影は禁止とのこと。正面の奥(内陣)に、上醍醐から移設された国宝の薬師三尊像が鎮座しています。この日はオーケストラがセッティングされていて、遠くから眺めるだけでした。五大明王像も展示されていましたが、一番左の大威徳明王(だいいとくみょうおう)が水牛にまたがっているのが珍しい。正面に向かって、パイプイスが置かれていました。左右のガラスケースには、秋期特別展の地図が展示されていました(後述)。
開演前に京都コンサートホールプロデューサーの高野裕子に続いて、真言宗の教学部次長があいさつ。応募者が何人いたかは発表されませんでした。なお、堀音のホームページによると、本公演のプログラムは「第19回京都城巽(じょうそん)音楽フェスティバル」(2025.10.25 京都堀川音楽高等学校音楽ホール)で演奏した曲とのこと。
前半は合唱曲。ピアノのまわりに、合唱メンバーが制服姿で3列で入場。左から、女声、男声、女声の順で、女声が多い。プログラムに掲載されたメンバー表によると、1年生から3年生まで、ソプラノ32名、アルト36名、テノール8名、バス9名です。奥にあるご本尊に向かって一礼。楽譜を持って歌いました。
プログラム1曲目は、ラター作詞・作曲/Look at the world。津幡が指揮棒なしで指揮。津幡は堀音の主幹教諭で卒業生です。ピアノ伴奏は林が演奏。歌詞が英語ですが、澄んだ歌声です。
プログラム2曲目は、ヘゲンバーグ作曲(Traditional Irish Blessing)/You do not walk alone。落ち着いたテンポでおごそか。抑揚があってレベルが高い。
プログラム3曲目は、松井五郎作詞、葉加瀬太郎作曲、増田真結編曲/もうひとつの京都。葉加瀬太郎も堀音(当時は京都市立堀川高等学校音楽科)の卒業生です。ピアノ伴奏が赤松に交代。第1曲「茶かほる~「お茶の京都」のテーマ~」は、私が好きな曲です。歌詞がはっきり聴こえます。第3曲「天とつながる海~「海の京都」のテーマ~」は、合唱らしいハーモニーでよく響きました。
合唱メンバーが退場して配置転換。高野が「音楽科のある公立高校は唯一で、卒業生に佐渡裕、葉加瀬太郎、小泉和裕などがいる」と紹介しました。高野も堀音で学んだと明かし、「15年前の2010年に沓掛から二条城前に引っ越した」と紹介しました。高野と今年4月に着任した校長先生がトーク。校長によると「大きなホール(300人収容)やレッスン室が35室ある」「全体の1/3が音楽の授業」とのこと。
後半はオーケストラの演奏。オーケストラが入場。プログラムのメンバー表によると、賛助を含めて55名で、こんなに大人数での演奏になるとは思いませんでした。男子よりも女子の方が多い。先ほどの合唱と掛け持ちしている生徒もいました。ステージはなく平面なので、後方の管楽器や打楽器は客席から見えづらいのが残念。
プログラム4曲目は、プーランク作曲/2台のピアノのための協奏曲。ピアノのAでチューニング。ピアノは指揮台の前に2台が向かい合って配置されました。この作品のためにわざわざピアノを2台搬入したのも手間暇がかかっています。左の第1ピアノを山本祐梨子が、右の第2ピアノを明石幸大(あかいしこうだい)が演奏。山本も明石も堀音の教諭で卒業生です。指揮の海塚威生(たけお)は、立命館高校から立命館大学を経て、京都市立芸術大学を卒業した異色の経歴です。堀音の常勤講師で、奈良フィルハーモニー管弦楽団ではホルン奏者を務めています。第1楽章冒頭から打楽器がけっこう大きな音が出ます。第1ピアノの山本がメロディーを担当。ソリストの風格です。変化に富んだ曲ですが、どのパートも期待以上の出来で、作品の魅力が伝わる演奏でした。ただし、海塚の指揮は硬い。なお、この曲は沖澤のどかが東京のオーケストラでよく取り上げていて、京都市交響楽団第718回定期演奏会(2027.1.15&16)で演奏される予定です。
プログラム5曲目は、ビゼー作曲/「アルルの女」第2組曲より第2曲「間奏曲」、第4曲「ファランドール」。前曲のヴァイオリンからヴィオラに持ち替える生徒が楽器を準備。明石が指揮しました。第2曲「間奏曲」は、弦楽器のユニゾンがよく鳴ります。ハープも聴こえます(奏者は賛助でした)。明石が力強い指揮。第4曲「ファランドール」は、最後のトロンボーンが高らかに鳴りました。打楽器も盛大で、あまりの音量に仏様もびっくりでしょう。明石がかっこいい指揮。15:05に終演しました。なお、本公演では、洛和会ヘルスケアシステム公式キャラクターの「らくの助」はまったく登場しませんでした。
終演後に、醍醐寺霊宝館秋期特別展「醍醐寺霊宝館開館90周年記念「昔も今も地図頼み ―つたえる・たどる・かたるー」」を見ることができました。「醍醐山名所図絵」(吉田初三郎筆)がおもしろい。醍醐寺の境内を中心として、色鮮やかに描かれています。遠くは樺太や台湾や上海まで描かれていて、スケールが大きく、見ていて飽きません。国宝の地図も展示されていました。
これで「Kyoto Music Caravan 2025」は5つの公演に行きました。京都市民ですが、初めて行った場所や、行ったことがある場所でも深く知ることができて、大変楽しめました。できれば継続的に開催して欲しいです。各会場で公演当日に押印されるスタンプも5個集まったので、スタンプラリーの応募資格を得ました。なお、地下鉄四条駅の北改札付近にあるデジタルサイネージ(みやこビジョン四条)で「Kyoto Music Caravan 2025」のプロモーション動画(15秒)が放映されました。京都コンサートホールのYouTubeチャンネル(
@KyotoConcertHallofficial)にも「【プロモーション動画】京都コンサートホール開館30周年記念事業「Kyoto Music Caravan 2025 Special support by 洛和会音羽病院」」のロング動画(45秒)が公開されて、
Kyoto Music Caravan 2025「ハープデュオ・コンサート」の映像で、私が一瞬だけぼんやりと映っています。

本公演の前後に、他のエリアも拝観しました。売店があちこちにあるのも醍醐寺の特徴と言えるでしょう。
<三宝院エリア>