京の音楽会Vol.7「「香」の音楽会」
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2026年7月12日(日)11:30開演 松栄堂薫習館KARANIホール
相本朋子(ヴァイオリン)、上野博昭(フルート)、村中宏(ファゴット)
ハイドン/ロンドン・トリオ第1番より第1楽章 パッヘルベル/カノン J.S.バッハ/G線上のアリア プロコフィエフ/「ロメオとジュリエット」より「モンタギュー家とキャピュレット家」 ピアソラ(相本朋子編)/Escualo<鮫> ピアソラ(小田拓也編)/リベルタンゴ
座席:全席自由
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京都市交響楽団70周年記念アウトリーチ事業の「
京の音楽会」の第7回公演に行きました。今回は、「香」の音楽会と題して、松栄堂 薫習館(しょうえいどう くんじゅうかん)で行なわれました。京都市交響楽団によるアンサンブルの演奏は11:30~12:10で行われて、「匂い香づくりワークショップ」が演奏前(10:30~11:10)または演奏後(12:30~13:10)に行なわれました。定員は各回30名で、参加費は1,980円(税込)でした。申し込み前に出演者が発表されて、ヴァイオリン、フルート、ファゴットの三重奏という珍しい編成です。ヴァイオリンの相本は、
Vol.4「「マンガ」の音楽会」に続いての出演です。
申し込みは6月4日からで、今回は抽選ではなく先着順でした。松栄堂のホームページからリンクされている外部予約ページ「RESERVA(レゼルバ)」から申し込み。クレジットカードで事前オンライン決済でした。演奏会の前に「匂い香づくりワークショップ」(10:30~11:10)に参加する回に申し込みました。本公演の10日ほど前に満席になりました。
松栄堂薫習館は、烏丸二条にあります。初めて行きましたが、立派な近代的なビルで、建物の外の烏丸二条のバス停からすでに香の匂いがしました。昭和34年に建設されて、2018年にリニューアル。薫習館は今年で開館8周年です。松栄堂京都本店に隣接しています。
匂い香づくりワークショップ(後述)の後に、5階のKARANIホールに移動。KARANIとは烏丸二条の意味で、ホールには「梅ヶ枝(うめがえ)」のネーミングもついていました。鮮やかな青いカーペット敷きのきれいなホールで、ホール内もお香の匂いがしましたす。1階の受付で受け取った小さなお香(ふみか 楚々の香り)が入場券代わりでした。お客さんはいつもよりも子供が多め。
開演に先立って、京都市交響楽団営業・マーケティング係長の田渕洋二郎があいさつ。「京都市交響楽団とお香とのコラボレーションは、1985年に小澤征爾の指揮で演奏したマリー・シェファーの「香を聞く」以来。香も「聞く」と表現するので、音楽との共通点がある」と説明。
演奏者が入場。左から、上野博昭(フルート)、相本朋子(ヴァイオリン)、村中宏(ファゴット)の順で、立って演奏しました。前日は
第713回定期演奏会があったのにお疲れさまです。本公演のための臨時アンサンブル編成かと思いきや、村中宏のnote(https://note.com/fg_hm)によると、3人は「トリオ▽(トライアングル)」として活動していて、京都市交響楽団のYouTubeチャンネル(@cityofkyotosymphonyorchest7334)でも、「京響チャンネル楽団員演奏企画「京響×京都」 京響が京都の街で演奏してみた! 〜VOL.1 京都市京セラ美術館 編〜」の動画で、2000年に収録した3人のアンサンブルが聴けます。
MCはファゴットの村中が一人で担当。メガネをかけていて、まじめな解説です。村中はお香が大好きで「白川(しらかわ)」を家でも焚いているとのこと。村中はMCのたびに、わざわざ楽器からリードを外してから話しましたが、それだけファゴットにとってはリードの状態は重要ということでしょう。
プログラム1曲目は、ハイドン作曲/ロンドン・トリオ第1番より第1楽章。私の席から近かったので、上野のフルートの息遣いがよく聴こえました。近くで聴けてよかったです。ファゴットの村中は立ち位置を変えながらノッて演奏。
プログラム2曲目は、
パッヘルベル作曲/カノン。村中が「伴奏の進行が他のポップスでも使われている。途中から違う曲を混ぜてみた」と説明しました。
Vol.4「「マンガ」の音楽会」でも演奏されましたが、途中で葉加瀬太郎「Etupirka(エトピリカ)」が違和感なく出てきました。
プログラム3曲目は、J.S.バッハ作曲/G線上のアリア。速めのテンポでしたが、管楽器はテンポが遅いとブレスが大変だからでしょう。ファゴットはずっと吹きっぱなしでお疲れさまでした。
プログラム4曲目は、プロコフィエフ作曲/「ロメオとジュリエット」より「モンタギュー家とキャピュレット家」。プロコフィエフつながりで、来週に開催される「プロコフィエフの陣~交響曲全曲演奏会「弐」」を宣伝。フルートの高音が輝かしく、ヴァイオリンも音圧が強い。
プログラム5曲目は、ピアソラ作曲(相本朋子編)/Escualo<鮫>。ヴァイオリンの相本が編曲。村中によると「ピアソラはサメ(チョウザメ)を釣るのが趣味だった。緊張感があってハラハラドキドキする」と説明。ヴァイオリンがグリッサンドしたり、フルートが尺八のように吹き込んだり、楽しめました。相本の編曲もリズミカルでいい。
プログラム6曲目は、ピアソラ作曲(小田拓也編)/リベルタンゴ。京都市交響楽団ヴィオラ奏者の小田が編曲。村中が「リベルタンゴとは自由なタンゴの意味」と説明。フルートのフラッター奏法など、小田は弦楽器奏者なのによくできた編曲です。ちゃんとファゴットにもメロディーが回ってきます。フルートがメロディーを外れて長いソロがあります。
拍手に応えて、村中が「もちろんございます」と笑わせて、アンコール。「京都市交響楽団は京都市立芸術大学との連携事業に取り組んでいて、後進の指導をしている。夏にちなんだ名曲のメドレーを京都市立芸術大学の作曲家が編曲した」と紹介。編曲者名は紹介されませんでしたが、井上陽水「少年時代」、THE BOOM「島唄」、BEGIN「島人ぬ宝」、フジファブリック「若者のすべて」などをメドレーで演奏。フルートで演奏された「若者のすべて」はいいメロディーですね。
なんと沖澤のどかが後ろで聴いていたことが紹介されました。わざわざ京響創立70周年記念グッズの「京響×SOU・SOU」コラボTシャツ(紫色)を着ていました。自分が指揮する演奏会以外にも顔を出していてえらい。この後のワークショップにも参加するとのこと。12:15に終演。
演奏会に先立って、「匂い香づくりワークショップ」が10:30~11:10に行なわれました。4階のきれいな作業スペースで開催。最初に「松栄堂は約300年前に創業して、線香、お香、匂袋などを販売している」「香の原料は香りのする植物で、漢薬香料(かんやくこうりょう)と言う。日本では原料が採れないので、インドネシアや中国から輸入している」「香りを作ることを調合と言うが、調合師は200人の社員のうち2人しかいないので。社外秘のようなところがある」と説明。
机の上に置かれた箱の蓋を開けると、原料のタブレット(ソフトキャンディのような粒)が並んでいて、スタッフの説明を聞きながらひとつずつ匂いを確認。「ラベンダー」=フラワー系、「桂皮(けいひ)」=シナモンやアップルパイや八つ橋、「丁子(ちょうじ)」=スパイシー、「藿香(かっこう)・甘松(かんしょう)」=グリーン系、「竜脳(りゅうのう)」=習字の墨、「仕上げA」、「仕上げB」の7種類のタブレットがあり、この中から15粒を選んで、自分だけのオリジナルの匂袋を作ります。仕上げA(甘く華やかに仕上げる)と仕上げB(昔ながらの和の香りに仕上げる)はブレンドされていて、プロっぽい仕上がりになるとのこと。選び方は自由ですが、唯一のルールとしては、仕上げAと仕上げBはどちらか一方だけ使うようにとのこと。一緒に使うと変な匂いになるとのこと。いろいろ選んでいたらあっという間に40分。選んだ原料を白い袋に入れて指で砕きます。最後は巾着型の匂い袋に入れて完成。半年ぐらいは匂いが保たれるとのこと。小学生などを対象にして開催しているようで説明が分かりやすく、40分が短く感じられるほど楽しめました。京都市交響楽団のX(@kyotosymphony)によると、演奏後のワークショップには沖澤のどかと上野博昭が参加したようです。
なお、1階のKoh-labo「香りのさんぽ」や松吟ロビーは予約なしで自由に見られます。かおりBOXや製造工程のミニチュア模型や、ビー玉を転がして遊べる「KOLON(コロン)」が楽しい。お香が身近に感じられます。こんな立派な施設があることを初めて知りました。