ウエスティ・パフォーマンス広場「CONTEMPORARY SOLO CONCERT」


2024年11月29日(金)18:00開演
京都市西文化会館ウエスティホール

京都市立芸術大学現代音楽研究会clubMoCo

棚田文則/ミステリアス・モーニング3
クセナキス/ケレン
ブーレーズ/フルートとピアノのためのソナチネ
武満徹/フォリオス〜ギター・ソロのための」より一楽章
タレガ/アルハンブラの思い出
シェーンベルク/浄められた夜(弦楽六重奏版)

座席:全席自由


 
ウエスティ・パフォーマンス広場「CONTEMPORARY SOLO CONCERT」に行きました。出演は京都市立芸術大学現代音楽研究会clubMoCoですが、れっきとした京都市西文化会館ウエスティの自主事業です。翌日には、京都市立芸術大学音楽学部・大学院の弦楽専攻生による「ウエスティ音暦〜弦楽の秋〜」もここで開催されました。
 
京都市立芸術大学現代音楽研究会clubMoCoの演奏を聴くのは、今回が初めてです。現代音楽に興味がある学生が集まって、2021年7月に京都市立芸術大学の公認同好会として創立されて、現在50名を超える学生が在籍しているとのこと。2021年に公開された映画「ミュジコフィリア」に、京都市立芸術大学をモデルとした「京都文化藝術大学」の音楽サークル「現代音楽研究会」が登場しますが、ちょうど同じくらいの時期ですね。「現代音楽の普及の一翼を担うべく、学生主体の団体としてのパイオニアになる」が目標です。X(@club_moco_kcua)によると、MoCoとは、Mo(dernism)+Co(ntemporary music)の意味のようです。正課ではなく課外活動で、学部学科は不問なので、美術学部の学生も入部可能とのことです。顧問は酒井健治(作曲専攻准教授)が務めています。12月26日には京都コンサートホールアンサンブルホールムラタで第3回定期演奏会「音の形象~うつろいゆく響きの軌跡~」を開催します。
 
本公演はその名の通りソロが中心のプログラムです。入場無料で申込も不要。全席自由で、当日先着448席でした。プログラムはカラー印刷で曲目解説付きです。本公演では11人が出演しました。残念ながらお客さんが非常に少なく、30人程度でしょうか。近隣住民と関係者が中心で、平日の夜にはなかなかお客さんが集まらないでしょうか。正課でもないのに頑張りました。楽譜通りに演奏するだけで悪戦苦闘という演奏はなく、自分のものにしているのがさすが芸大生です。
 
プログラム1曲目は、棚田文則作曲/ミステリアス・モーニング3。1996年の作曲。ソプラノサクソフォンの独奏で、立って演奏。譜面台を4つ使って楽譜を並べます。音を割ったり、通常の音程を細分化した微分音も出てきますが、演奏は鮮やかで、技術面は問題になりません。強奏はよく響いて、のびやかに演奏。最後はディミヌエンドで終わります。
舞台転換を利用して、部長の中野(男性)があいさつ。「2021年に結成したクラブで、19世紀末から現在までの音楽を演奏している」と紹介しました。
 
プログラム2曲目は、クセナキス作曲/ケレン。ケレンとはヘブライ語で「角笛」の意味とのこと。トロンボーンの独奏で、立って演奏。グリッサンドあり、跳躍あり、音を割ったり、超高音もあって難曲です。中間部で左手で台に載せてあるミュート(2種類)を装着。後半は細かな音符が続いて、スライドの移動が忙しい。強奏は思い切りよく演奏しました。
 
プログラム3曲目は、ブーレーズ作曲/フルートとピアノのためのソナチネ。ピアノが搬入されて、フルートとの二重奏。冒頭からフルートのフラッター奏法で始まります。ピアノとフルートが緊密に絡み合いますが、二人のアイコンタクトがあまりないので、別の曲を同時に演奏しているようにも見えました。中間部は細かな音符が続いてリズミカル。ピアノも音域が広く難曲です。ここまでの前半は管楽器による演奏で35分経過。
 
15分休憩後の後半は弦楽器の演奏で、プログラム4曲目は、武満徹作曲/フォリオス〜ギター・ソロのための」より一楽章。武満徹初めてのクラシックギターのための作品で、1974年に荘村清志のために作曲されました。「フォリオ」とは、「二つ折りの楽譜」の意味。3つの楽章からなり、もともとは全3楽章が演奏される予定でしたが、奏者の都合で1楽章のみに変更されました。前半の部長のあいさつでは「2楽章と3楽章は過度に負担がかかる」とのこと。京都市立芸術大学にギター専攻はありませんが、演奏する女性は音楽学専攻の2回生で、各種ギターコンクールに入賞されている実力者です。武満とギターが意外な組み合わせです。ギターを聴く機会が少ないですが、音量が弱く、繊細な作品で、ハープのような響きが聴こえました。
 
プログラム5曲目は、タレガ作曲/アルハンブラの思い出。曲目変更で、前曲の二楽章、三楽章の代わりに演奏されました。1896年の作曲なので、ギリギリ19世紀末の作品です。こちらの作品のほうが右手のトレモロを続けないといけないので、大変のような気がしました。 

プログラム6曲目は、シェーンベルク作曲/浄められた夜(弦楽六重奏版)。弦楽合奏版は聖響/ 維納 ウィーン 幻想派<世紀末ウィーン>で聴きましたが、弦楽六重奏版を聴くのは初めてです。左から、ヴァイオリン×2、チェロ×2、ヴィオラ×2に順に座って演奏。やや速めのテンポですが、縦線を決めてほしいところが流れがちになるのが惜しい。チューニングしたのに音程が悪いのも残念。ヴァイオリンもチェロも高音がかなり出てきます。バランスとしては弦楽合奏版にあるコントラバスがないので、チェロがもう少し頑張ってほしいです。

19:35に終演。現代音楽に挑戦する学生の熱心な姿に拍手。今後も続けて欲しいです。
 
 
京都市西文化会館ウエスティ

(2024.12.22記)

 
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