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2021年11月27日(土)14:00開演 京都市西文化会館ウエスティホール 京都市立芸術大学音楽学部・大学院弦楽専攻生 ホルスト/セントポール組曲 座席:全席指定 8列15番 |
プログラム1曲目は、ホルスト作曲/セントポール組曲。司会はコンサートマスターを務める4回生が順番で担当しました。メロディーを歌って曲目紹介。左から、第1ヴァイオリン6、第2ヴァイオリン5、チェロ4、ヴィオラ4、右後方にコントラバス3の編成。
この作品は吹奏楽の編曲で聴いたことがありましたが、もともとは弦楽合奏のための作品です。4つの楽章からなります。第1楽章「ジーグ」は、強弱やアクセントなど何に注意して演奏しているかが分かる演奏でした(逆に言うと少し恣意的でしょうか)。強奏は十分すぎる音量でしたが、ヴァイオリンが少し頑張りすぎなので、音量を落とすところは落として、もう少し他の楽器を目立たせるようにしたほうがいいでしょう。ヴァイオリンはあまり音色が揃っておらず、もう少し一本の線のように聴かせて欲しい ところです。第4楽章「フィナーレ」で「グリーンスリーブス」のメロディーが使われるのは、曲目紹介がなければ気づきにくいでしょう。
プログラム2曲目は、スーク作曲/弦楽セレナーデより第1、2、4楽章。曲目紹介で、「スークは暗い曲ばかり書いてきた」というストレートな表現がおもしろい。左から、第1ヴァイオリン6、第2ヴァイオリン5、ヴィオラ5、チェロ4で、右後方にコントラバス3の編成。
ヴァイオリンが滑らか。前曲よりも聴きやすくて伸びやかさもあります。お互いのパートをよく聴いているからか、息づかいも一体感があります。弱奏も安定して、いい演奏でしたが、メロディーが地味なのが残念。
休憩後のプログラム3曲目は、チャイコフスキー作曲/弦楽セレナーデより第1、3、4楽章。左から、第1ヴァイオリン6、チェロ3、ヴィオラ4、第2ヴァイオリン2の対向配置で、中央後ろにコントラバスを配置。弦楽アンサンブルではあまり見られない珍しい配置ですが、第3楽章で、第2ヴァイオリンとヴィオラ、チェロとコントラバスが一緒に演奏して、第1ヴァイオリンのみがメロディーを演奏する部分が多いので、パートごとに分かれたなかなか効果的な配置です。響きが緊密で一体感がありました。第4楽章のAllegro con spiritoは、やや遅めのテンポ。整然としたアンサンブルでした。
15:35に終演。終演予定は16:00と案内されていたので、せっかくなので抜粋ではなく全楽章聴きたかったです。コロナ禍でも完成度が高い演奏で安心しました。
なお、ホールの出口で、京都市立芸術大学の移転にあたっての募金活動をされていました。2023年に京都駅東部に移転予定ですが、ウエスティの場所からは遠くに移転するので、この「音暦」が継続されるかどうか気になるところです。京都芸術大学(学校法人瓜生山学園)との裁判がようやく7月に和解して、「京都芸大」と「京芸」の略称が使えるようになったのはひとまずよかったように思います。
(2021.12.6記)