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2014年11月23日(日)14:30開演 京都コンサートホール大ホール 飯守泰次郎指揮/京都市交響楽団 ワーグナー/歌劇「さまよえるオランダ人」序曲 座席:S席 3階 C−3列26番 |
京響定期を聴きに行くのはひさしぶりです。飯守泰次郎がワーグナー3曲とブラームスを指揮しました。公演のチラシには「日本のワーグナー振りといえばこの人、飯守泰次郎。」の文字が踊りました。ワーグナーは好きではありませんが、聴きに行きました。飯守泰次郎が京都市交響楽団を指揮するのはひさびさでした。
飯守泰次郎は74歳で、関西フィルハーモニー管弦楽団桂冠名誉指揮者および東京シティ・フィルハーモニック管弦楽団桂冠名誉指揮者を務めています。飯守泰次郎を聴くのはラ・フォル・ジュルネ・オ・ジャポン「熱狂の日」音楽祭2005「ベートーヴェンと仲間たち」��114以来でした。
チケットは11月6日に全席完売したため、当日券はなし。しかし、空席がチラホラありました。なぜでしょう。なお、定期演奏会チケット完売記録が第564回(2013年1月)から続いていましたが、第580回(2014年6月、ジェームズ・ジャッド指揮)、第581回(2014年7月、外山雄三指揮)、第584回(2014年10月、チャールズ・オリヴィエリ=モンロー指揮)は完売にならなかったようです。
14:10からプレトーク。飯守泰次郎は、まず集まった客の多さに感謝の言葉を述べました。今日のプログラムについて「ドイツロマン派の巨匠を聴く欲張りのプログラム」「酔ってしまうかもしれない。満腹になる。今日はちょっと寝られないかもしれない」と興奮気味に話しました。
この日のコンサートマスターは客演の豊嶋泰嗣(とよしまやすし)。豊嶋は兵庫芸術文化センター管弦楽団コンサートマスター、新日本フィルハーモニー交響楽団ソロ・コンサートマスター、九州交響楽団桂冠コンサートマスター、京都アルティ弦楽四重奏団メンバー、京都市立芸術大学准教授などを務めています。定期演奏会で客演コンサートマスターが起用されるのは珍しい。
プログラム1曲目は、ワーグナー作曲/歌劇「さまよえるオランダ人」序曲。プレトークで飯守は「まさに激情。大嵐で命が危ない。そのあとは救済の音楽」と話しました。冒頭のホルンはもっと硬質な響きのほうがよかったでしょう。響きが全体的に柔らかく、強奏では少し物足りなく感じました。飯守泰次郎は全プログラムを譜面台なしで指揮しました。
プログラム2曲目は、ワーグナー作曲/ジークフリート牧歌。プレトークで飯守は「静かに室内楽的に演奏される。家の中でそっと演奏された曲」と話しました。金管楽器が一気に減って、トランペット1とホルン2だけ。音量は小さめ。しっとりした響きで、心穏やかになりました。弦楽器がよくそろっていて、繊細な表現を高い集中力で聴かせました。最後はオルガンのような響きがしました。意外に長い曲ですね。
プログラム3曲目は、ワーグナー作曲/歌劇「リエンツィ」序曲。プレトークで飯守は「劇的で、若いワーグナーの魅力と天才にあふれている」と話しました。トランペットソロのGの伸ばしから始まります。金管楽器のスタッカートがうまい。後半は小太鼓が入ってヨハン・シュトラウスの行進曲のよう。この日一番の名演で、素晴らしいの一言。京響の実力を遺憾なく発揮しました。ワーグナーは3曲だけでしたが、もっと聴きたかったです。ワーグナーが好きになったわけではありませんが、演奏がうまいとサマになりますね。
休憩後のプログラム4曲目は、ブラームス作曲/交響曲第4番。プレトークで飯守は「ブラームスはワーグナーのライバル扱いだった。第1楽章の出だしは自分が終わっていくさびしさがある。第3楽章はスケルツォで思い切って遊ぶ。ブラームスらしくないユーモアがある。第4楽章は8小節のテーマを30回繰り返す。立派な終わり方。老人パワー」と話しました。
演奏は正攻法で自然体。特別なことはしません。オーケストラがよく鳴ってすばらしい。チェロとコントラバスも効いています。第1楽章は1小節のアーフタクトを長めに取りました。第1主題は鳥肌もののいい出来。80小節からの木管楽器のスタッカートはやや大きめ。第2楽章は弦楽器の音色が融合して渋くて落ち着いた響き。第3楽章はのびやかに演奏。最後のティンパニ3発は強打で締めくくりました。第4楽章は29小節からホルンを強調。金管が強力でしたが、音色が汚い。第4楽章しか出番がないトロンボーンが頑張りすぎたようで、粗くなってしまったのが残念。
なお、演奏中に珍しいハプニングが起こりました。第1楽章の途中で、第1ヴァイオリンの最後列の奏者が楽器を持って舞台袖に走って退場しました。第3楽章が始まる前に楽器を持って再入場。楽器はバケツリレーの要領で前の奏者に受け渡されて、前から2列目の奏者に手渡りました。体調が悪くなって退場したのかと思いましたが、他の奏者の楽器を交換するために退場したようです。
カーテンコールでは飯守泰次郎は指揮台には上がらず、指揮台の手前で礼をしました。謙虚な態度です。
飯守泰次郎は京響をひさびさに指揮したためか、アインザッツが揃わないことがたまにありました。しかし、京都市交響楽団の魅力を引き出してくれたので、ぜひ再度の客演に期待したいです。