オーケストラ・ディスカバリー2011 〜こどものためのオーケストラ入門〜 「オーケストラの世界!」第1回「オーケストラ&バレエ」


   
      
2011年6月19日(日)15:00開演
京都コンサートホール大ホール

広上淳一指揮/京都市交響楽団
桧垣バレエ団
ガレッジセール(ナビゲーター)

チャイコフスキー/バレエ「くるみ割り人形」から「花のワルツ」「中国の踊り」「あし笛の踊り」「トレパーク」
チャイコフスキー/バレエ「白鳥の湖」から「情景」「四羽の白鳥の踊り」「オデットと王子のパ・ド・ドゥ」
ドリーブ/バレエ「コッペリア」(ダイジェスト版)

座席:指定席 2階L−3列59番


2009年度から始まった「オーケストラ・ディスカバリー 〜こどものためのオーケストラ入門〜」も今年で3年目を迎えました。2011年度のテーマは「オーケストラの世界!」。第1回となる今回は「オーケストラ&バレエ」と題して、バレエ音楽を聴きながらバレエを観るという好企画です。出演の桧垣バレエ団は、京都府京田辺市に本拠を置いています。1986年に設立されたので、25年の歴史を誇るようです。
指揮は常任指揮者の広上淳一。ナビゲーターは昨年度まではロザンの2人が務めていましたが、今年度は輪番制になり、今回はガレッジセールの2人が担当しました。

チケットは、4回シリーズ通し券のあとに1回券が発売されました。4回通し券でかなり埋まったようで、1回券ではあまりいい席が残っていませんでした。1ヶ月以上前の早いタイミングで全席完売しました。演出の都合という理由で、ポディウム席やバルコニー席は販売されませんでした。

ステージのひな壇を高さいっぱいまで上げて、オーケストラの後方にバレエ用のステージを設置。両サイドにはついたてを置いていました。座席は2階バルコニー席の2列目でしたが、ステージはそれなりに見える席でした。ただし、ステージ左側の打楽器などは見えませんでした。
「こどものためのオーケストラ入門」と銘打っているだけあって、客層は子供が多い。ロビーイベント「バレエの衣装を見てみよう!」では、バレエの衣装を展示していました。衣装製作も桧垣バレエ団が自分たちで行なっているようです。

プログラム1曲目は、チャイコフスキー作曲/バレエ「くるみ割り人形」から「花のワルツ」。広上淳一が登場。ピンク色のチュチュを着た女性がバレエステージに登場。普段何気なく聴いている独奏ハープの部分が、バレエでは大きな役割を果たしていることが分かりました。男性のジャンプが実に軽やか。
広上淳一に紹介されて、ガレッジセールの2人がマイクを持って登場。黒色の京響オリジナルTシャツ2011年版を着ていました。川ちゃん(川田広樹)はメガネをかけていました。2人とも普段はクラシック音楽を聴かないとのこと。川田は「くるみ割り人形は森三中と踊ったことがある」と話しました。
桧垣バレエ団のプリマバレリーナ小西裕紀子が登場して、4人でトーク。まず、バレエの歴史について説明。イタリアで始まり、フランスに伝わり、ロシアで大成したと紹介。イタリアが発祥というのは確かに意外です。バレエはマイムで言葉を表現するということで、「私はあなたが大好きです」を例にとって紹介。両腕と両脚でハートを形作ります。このポーズは万国共通とのこと。続いて、重要な足のポジションの紹介。第1ポジションは両足が10時10分の角度、第2ポジションは9時15分の角度、第5ポジションは片方のつま先をかかとに合わせる。第5ポジションが大事とのこと。
ふたたび演奏へ。「中国の踊り」は、チャイナ服を着た3人が登場。「あし笛の踊り」は、女性が5人登場。ゴリによるとソフトバンクのCMで使われているようです。「トレパーク」は、パジャマのような衣装を着た3人が高速で回転しながらジャンプ。
広上が「バレエの伴奏では普段はオーケストラは地下のピットにもぐっている」と話すと、ゴリから目立たないがいいのかと質問。広上は「ピットに入って支えるのもわれわれの喜びのひとつ」「若い頃は目立つように指揮していた」と笑って話しました。ゴリが続けて「オーケストラの団員があまり広上の指揮を見ていないのではないか」「同じ楽器が何人もいてオーケストラの半分はいらないのではないか」などと質問。広上が「横目で指揮を見てくれている」「オーケストラの進化とともに人数が増えてきた」と的確に答えました。ゴリはよくしゃべります。トークも勢いがあります。ボケや突っ込みが炸裂しました。

プログラム2曲目は、チャイコフスキー作曲/バレエ「白鳥の湖」から「情景」「四羽の白鳥の踊り」「オデットと王子のパ・ド・ドゥ」。「情景」は、もっとも有名な曲。オーケストラの演奏のみでバレエの登場はなし。「四羽の白鳥の踊り」もバレエの定番。4人が横列に並んで踊りました。「オデットと王子のパ・ド・ドゥ」は、あまり聞かない曲で、ハープの伴奏に乗って、ヴァイオリンソロがメロディーを奏でます。バレエは2人のみ。男性のお尻をゴリが「夕張メロン2つ」と形容して場内爆笑。

休憩後のプログラム3曲目は、ドリーブ作曲/バレエ「コッペリア」(ダイジェスト版)。ステージの照明を暗くして、オーケストラは譜面台にライトをつけて演奏しました。バレエが少し見にくかったので、もう少し照明が明るくてもよかったでしょう。ガレッジセールがナレーションを担当して、ストーリーを紹介。2回暗転があったので、おそらく全3幕を意識した構成になっていたようです。照明が暗いのと、音楽が心地よいのとで、途中で眠くなってしまいました。
前半に出てくる「前奏曲とマズルカ」は、京都市交響楽団みんなのコンサート「サウンド・オブ・ドリーム」 で聴きました。第1幕ではポディウム席に男女が登場。第2幕ではコッペリアの動きが本当に人形のようにカクカクしていてうまい。コッペリウスじいさんの動きにこどもたちから笑いが起きていました。第3幕の「フィナーレ」では客席から手拍子が起こりました。

終了後に、ゴリが小西にインタビュー。「養老の滝のような汗ですね」と話しました。「手拍子が起こったときに来てよかったと思った」「機会があればまたぜひ呼んでください」と話しました。

初めての2階バルコニー席でしたが、ヴィオラなどいつもはあまり聴こえない楽器がよく聴こえました。打楽器が反響で遅れているように聴こえるのが少し気持ち悪かったです。

(2011.6.23記)


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