立命館大学交響楽団第100回定期演奏会


   
      
2008年12月12日(金)19:00開演
滋賀県立芸術劇場びわ湖ホール大ホール

阪哲朗指揮/立命館大学交響楽団
中橋健太郎左衛門(ピアノ)

ワーグナー/楽劇「ニュルンベルクのマイスタージンガー」より第1幕への前奏曲
モーツァルト/ピアノ協奏曲第20番
ストラヴィンスキー/バレエ音楽「春の祭典」

座席:自由


立命館大学交響楽団の記念すべき第100回定期演奏会に行きました。指揮は、京都出身で、2006年からオーケストラアドヴァイザーを務める阪哲朗。立命館大学交響楽団の演奏を聴くのは、第91回定期演奏会以来、4年半ぶりです。
仕事帰りに行ったので、びわ湖ホールに着いたのは開演10分前。全席自由なので、客席がかなり埋まっていました。空席を探して、3階席の左側に座りました。3階席は全席が雨宿り席ですが、仕方ないですね。ほぼ満員の大入りでした。

団員が入場。なかなかの大人数です。団員の座席表を見ると、現役団員のほかに、OB・OGや、パートトレーナーの先生も加わっているようです。チューニングに長い時間をかけるのが、学生オーケストラらしいと思いました。プログラム前に、立命館大学校歌(近衛秀麿作曲)を演奏。学生指揮者の佐藤功が指揮しました。

プログラム1曲目は、ワーグナー作曲/楽劇「ニュルンベルクのマイスタージンガー」より第1幕への前奏曲。阪哲朗が登場。これまでの定期演奏会では、プログラム1曲目は学生指揮者が指揮していましたが、今回はプログラムの全曲を阪が指揮しました。これまでの演奏会に比べて明らかにレベルアップしていました。弦楽器の音程がよく、表情もついています。びわ湖ホールは音抜けがよくないせいか、何をやっているのかよく分からない部分がありました。左に配置されたホルンは、後ろにパーテーションを立てていました。反響板のような効果を狙っていましたが、私の座席ではかなり直線的に聴こえました。多くの学生を出演させるためか、シンバル、トライアングル、ティンパニは各2名で演奏させていました。
演奏が終わると、いきなり15分間の休憩。1曲目ですぐ休憩とは珍しい。

プログラム2曲目は、モーツァルト作曲/ピアノ協奏曲第20番。ピアノ独奏は、オーケストラトレーナーを務める中橋健太郎左衛門。オーケストラは少人数です。ピアノはやわらかいタッチで存在感をあまり誇示しません。しかし、ホールの音響のせいで響きすぎでした。譜面をめくりながら演奏しました。オーケストラは伴奏とのバランスが悪い。弦楽器、管楽器、ピアノが別々に聴こえましたが、次第に改善されました。主旋律を主張してほしいです。第2楽章は時間が長く感じました。第3楽章のスピード感はよかったです。
拍手に応えて、アンコール。阪哲朗と中橋健太郎左衛門が同じイスに2ケツで座って、モーツァルト作曲/アイネ・クライネ・ナハトムジーク第3楽章をピアノ連弾で演奏しました。左が阪、右が中橋。粋なアンコールです。演奏後はまた15分休憩。

プログラム最後の3曲目は、ストラヴィンスキー作曲/バレエ音楽「春の祭典」。若々しいエネルギーが感じられて、野性的な雰囲気がよく出た演奏でした。事故がいくつかあったものの大惨事にはなりませんでした。細部はいろいろ求めたい部分はありますが、聴くべきところが多かったです。変拍子が多い難曲に対して健闘していました。弦楽器はまとまって聴こえましたが、もう少し音量がほしい。管楽器はソロを含めて少し頑張って欲しいです。打楽器は思い切りのいい叩き込みなど好演。阪哲朗は両手両足をフルに活用して指揮しました。
「春のきざし(乙女たちの踊り)」では弦楽器が力強い。「春の輪舞」では、コントラバスが大きめの音量で重い響き。プロのオーケストラではなかなか聴けないでしょう。

阪哲朗や中橋健太郎左衛門がトレーナーとして指導するようになってから、オーケストラが確実にレベルアップしていることが分かりました。弦楽器によりも管楽器により技術向上を求めたいです。残念なのは、私語や演奏中の出入りなど客席のマナーがあまりよくなかったこと。阪氏も演奏を始める前に少し気になったようです。また、私の近くで撮影していた公認カメラマンが、カメラのシャッターを切る音がかなり耳につきました。

(2008.12.24記)


石場駅 石場駅 びわ湖ホール



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