シベリウス/交響詩「フィンランディア」
演奏時間 約8分
作品について
シベリウスがロシアの支配下にあった祖国フィンランドへの情熱を込めて作曲。
圧迫された重苦しい冒頭から、勝利を祈願するような終結部まで、フィンランド民族の心の叫びが表現されている。
初演後、あまりにも民族意識を鼓舞するという理由から、ロシアによって演奏禁止処分にもなっている。
中間部の賛歌はフィンランドの第2の国歌とまで呼ばれている。
名盤ランキング
順位 |
評価 |
演奏団体 |
録音年代 |
演奏時間 |
CD番号 |
第1位 |
A |
バルビローリ指揮/ハレ管弦楽団 |
1966 |
8'22" |
TOCE-8920 |
第2位 |
B |
カラヤン指揮/ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団 |
1984 |
9'23" |
POCG-90023 |
第3位 |
C |
ベルグルンド指揮/フィルハーモニア管弦楽団 |
1982 |
7'41" |
TOCE-7039 |
第4位 |
D |
トスカニーニ指揮/NBC交響楽団
| 1952 |
8'52" |
BVCC-9934 |
第5位 |
D |
カム指揮/ヘルシンキ・フィルハーモニー管弦楽団
| 1987 |
8'17" |
WPCS-21024 |
第1位 バルビローリ指揮/ハレ管
冒頭の金管は音が割れる寸前でバリバリいいまくっている。
暴力的に聞こえるが、その威力は凄まじいものがある。
シンバルやティンパニもやたら張り切って叩いている。
賛歌の部分は、一転してテンポを落とし、その対比が素晴らしい。
弦のトレモロひとつを取っても、思いが伝わってくる。
金管の連符の粒がそろわないなど、アンサンブルの乱れは多々見られるが、
それを補ってあまりある演奏である。
テクニックを越えた何かが聞こえる〔評価A〕。
第2位 カラヤン指揮/ベルリンフィル
カラヤンの演奏にしては、自我の表出が少ないほうである。
前半は非常に遅めのテンポでたっぷり歌いこんでいる。
賛歌の部分も自然にまとめている〔評価B〕。
第3位 ベルグルンド指揮/フィルハーモニア管
カラヤン盤をさらに洗練したような演奏。
冒頭は低音がよく響いていて、重厚に仕上がっている。
アンサンブルは非常に安定感があるが、もっと歌いこんで欲しい気もする。
あまりにも洗練されすぎて、ダイナミクスや表情の変化に乏しくなっている〔評価C〕。
第4位 トスカニーニ指揮/NBC響
全体的に弦や木管があまり聞こえず、バランスが悪い。
特にティンパニとシンバルがうるさい。
冒頭は1つ1つの音符を思いを入れてテヌートのように処理している。
賛歌の部分もどんどん先に行ってしまうのが残念。
ラストの盛り上げ方もやや物足りない〔評価D〕。
第5位 カム指揮/ヘルシンキフィル
全体的にあっさり流しすぎている。
録音のせいか、音像が遠く、オケとの距離があるように感じる。
オケの編成が薄手なのか、重厚さに不足する〔評価D〕。
2000年9月16日 記