リムスキー=コルサコフ/交響組曲「シェエラザード」

演奏時間 約46分


作品について


「ロシア5人組」の1人、リムスキー=コルサコフの代表作。
中世アラビアの説話集『千夜一夜物語(アラビアン・ナイト)』の中の4つの物語をもとにして作曲された。
この本のストーリーは、以下のようなものである。

暴君シャリアール王は、毎晩処女を迎えては、翌朝かならず殺すということを3年も続けていた。
才色兼備の女性シェエラザードは、進んで王妃とない、シャリアール王におもしろい話を聞かせた。
王は、次第にシェエラザードが語る話に引き込まれていき、
その話の続きが聞きたいばかりに、彼女を殺すのを1日1日と延期していく。
そのうち、王は恐ろしい考えを捨て、2人は幸せな生活を送るようになった。

曲は次の4つの楽章からなる。





名盤ランキング
順位 評価 演奏団体 録音年代 演奏時間 CD番号
第1位 コンドラシン指揮/王立アムステルダム・コンセルトヘボウ管弦楽団・クレバース(vn) 1979 43'59" PHCP-9302
第2位 プレヴィン指揮/ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団・キュッヒル(vn) 1981 45'55" PHCP-10531
第3位 ストコフスキー指揮/ロンドン交響楽団・グリューエンバーグ(vn) 1964 45'40" KICC-9270
第4位 アシュケナージ指揮/フィルハーモニア管弦楽団・ワレン=グリーン(vn) 1986 45'44" POCL-9832



第1位 コンドラシン指揮/コンセルトヘボウ管
東洋的な雰囲気がただよう演奏。
低音がよく鳴って重厚な演奏になっている。各ソロもよい。
第4楽章のクライマックスは粗いが、緊迫感があってよい。
ただアンサンブルの乱れが多々見られるのが残念〔評価B〕。


第2位 プレヴィン指揮/ウィーンフィル
演奏そのものは安心して聴いていられるが、曲の雰囲気にふさわしいのかどうかが疑問。
豊かな響きやソフトなまとめ方はよいが、洗練されすぎているように感じる。
あまりにも上手すぎて、聴いていておもしろくない〔評価C〕。


第3位 ストコフスキー指揮/ロンドン響
スコアの指示を無視し、独自の音楽を展開するストコフスキーだが、
この曲では大胆なカット等もなく、まともな演奏になっている。
演奏は、金管がうるさく、木管があまり聞こえないのが特徴。
全体として、東洋的というよりは、ロシア的といった演奏。
最大の難点は、録音が悪いこと。
強奏部にかなりの雑音が混じる〔評価C〕。


第4位 アシュケナージ指揮/フィルハーモニア管
落ち着きはあるのだが、どうも説得力に欠ける演奏。
全体的に軽い印象を受ける。
ところどころアンサンブルのうすさや響きのかたさが気になる。
個性が感じられず、表面的な演奏になっている〔評価D〕。



2000年8月10日 記

レスピーギ/交響詩「ローマの祭」 シェーンベルク/浄められた夜