京都市ジュニアオーケストラ ミュージック・サマー・キャンプ@UKYO
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2019年7月18日(木)19:00開演
京都市右京ふれあい文化会館ホール
ブラームス/交響曲第1番第4楽章
ロン-ディルク・エントロイトナー指揮/ライプツィヒ ユース シンフォニー オーケストラ
グリンカ/歌劇「ルスランとリュドミラ」序曲
ドヴォルザーク/交響曲第9番「新世界より」第4楽章
広上淳一指揮/京都市ジュニアオーケストラ
ムソルグスキー(ラヴェル編)/「展覧会の絵」よりバーバヤーガの小屋〜キエフの大門
広上淳一指揮/京都市ジュニアオーケストラ、ライプツィヒ ユース シンフォニー オーケストラ
座席:自由
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京都市ジュニアオーケストラの「ミュージック・サマー・キャンプ」に行きました。今回は来日中のライプツィヒ ユース シンフォニー オーケストラとの合同演奏が実現しました。ライプツィヒ ユース シンフォニー オーケストラにとっては、前日の「ライプツィヒ ユース シンフォニー オーケストラ演奏会」に続いて、2日連続での出演です。
入場は無料でしたが、整理券が必要でした。整理券の配布は窓口で行われましたが、13日(土)に予定枚数が終了したことが、京都市交響楽団の公式Twitter(@kyotosymphony)でアナウンスされました。
会場は京都市右京ふれあい文化会館ホール(452席)。開場前かなりの行列で、あっという間にほぼ満席になりました。
演奏前に男性の司会者が登場。名乗りませんでしたが、おそらく京都市交響楽団シニアマネージャー代行兼チーフマネージャーの柴田智靖氏と思われます。「ミュージック・サマー・キャンプ」では毎年夏に集中練習をしていて、今年は京都市右京ふれあい文化会館で開催するので、「@UKYO」と付されていると説明しました。京都市ジュニアオーケストラのホームページによると、夏にイベントを開催するのは、今年で3回目になるようです。2017年度は8月14日に「公開練習」として、京都市右京ふれあい文化会館において開催されました(指揮は喜古恵理香)。2018年度は8月18日に「ミュージック・サマー・キャンプ@KITABUN」として、京都市北文化会館において開催され、練習公開&ミニコンサートが行われました(指揮は鈴木衛)。
司会によると、いつもは練習公開とミニコンサートで構成されているが、今年はライプツィヒ ユース シンフォニー オーケストラとの合同演奏を企画したとのこと。「ライプツィヒ ユース シンフォニー オーケストラは14歳から20歳までで構成されていて、10歳から22歳までで構成される京都市ジュニアオーケストラとほぼ同世代」と紹介されました。ライプツィヒ ユース シンフォニー オーケストラは今回の演奏旅行ではこの日が日本最後の公演になるとのこと。京都には16日(火)に来て、滞在中は二条城を訪れたり、今日も観光に行ったとのことです。なお、これまでの日本演奏旅行のスケジュールについては、「ライプツィヒ ユース シンフォニー オーケストラ演奏会」をご参照ください。
ライプツィヒ ユース シンフォニー オーケストラが入場。昨日の
ライプツィヒ ユース シンフォニー オーケストラ演奏会と同じ黄緑のシンボルカラーを身につけた服装でした。対向配置で、ステージが昨日の京都市北文化会館よりも狭く、約55名のメンバーでいっぱいになりました。コンサートミストレスは昨日とは違う女性が務めました。
プログラム1曲目の
ブラームス作曲/交響曲第1番第4楽章を演奏。指揮はロン-ディルク・エントロイトナー。昨日の
ライプツィヒ ユース シンフォニー オーケストラ演奏会では全楽章を聴きました。ステージの幅が昨日よりも狭いためか、響きが密になって聴こえました。昨日よりもテンポが遅めで、セカセカせずに余裕がありました。演奏への集中度という点では昨日のほうが高かったです。
休憩後は、京都市ジュニアオーケストラが登場。司会の紹介によると、現在の団員は120名いるとのことですが、この日のメンバーは40名ほどでした。まだ終業式が終わっていない時期なので、大学生が中心でしょうか。この演奏会のために新たに用意した2曲を演奏するとのこと。こちらもコンサートマスターは女性でした。対向配置ではなく、左から、ヴァイオリン、チェロ、ヴィオラの通常配置でした。指揮は、京都市ジュニアオーケストラスーパーヴァイザーを務める広上淳一。ライプツィヒ ユース シンフォニー オーケストラのメンバーと、指揮者のロン-ディルク・エントロイトナーは客席で聴きました。
プログラム2曲目は、グリンカ作曲/歌劇「ルスランとリュドミラ」序曲。なかなかうまい演奏。弦楽器は細かな音符が続きますが、滑らかに歌います。よくそろっていて、音程も安定しています。以前よりもレベルアップしていました。個人の演奏レベルは、京都市ジュニアオーケストラのほうがライプツィヒ ユース シンフォニー オーケストラよりも上です。ただし、後述するように、今回はエキストラが多く参加しているからかもしれません。
プログラム3曲目は、ドヴォルザーク作曲/交響曲第9番「新世界より」第4楽章。こちらも期待以上の演奏。人数は少ないものの、音量も大きい。ラストの全音符は短めで、あまりデクレッシェンドしませんでした。
司会によると、「ミュージック・サマー・キャンプはいつもは8月に開催しているが、今年はせっかくライプツィヒ ユース シンフォニー オーケストラが来られるので、前倒しになった。練習量が心配だったが、OBOGもメンバーとして加わってくれた」と話しました。また、「楽譜という共通言語があれば、音楽は見事につながる」と音楽による国際交流についても話しました。
プログラム4曲目は、京都市ジュニアオーケストラとライプツィヒ ユース シンフォニー オーケストラとの合同演奏で、ムソルグスキー作曲(ラヴェル編)/「展覧会の絵」よりバーバヤーガの小屋〜キエフの大門を演奏。通常配置で、ジュニアオーケストラとライプツィヒユースのメンバーが隣同士で混ざっています。コンサートマスターは、Twitterによると、アマチュアオーケストラのオーケストラリガーレ(Orchestra Ligare)のコンサートマスターとのこと。指揮は広上淳一。黒ぶちメガネをかけて指揮しました。
「バーバヤーガの小屋」はシンバルが2名体制で強力。「キエフの大門」はテンポが速い。ラストも速め。広上が指揮台の上でジャンプしました。一期一会の合同演奏ですが、まとまりのある音楽になっていました。ところで、どうやってリハーサルをしたのか興味があります。ドイツ語の通訳を入れたのでしょうか。
司会が登場。今の「展覧会の絵」で乗っていなかったメンバーを含めて全員で演奏するとのこと。ライプツィヒ ユース シンフォニー オーケストラの降り番だったメンバーが左右の花道に立って演奏。アンコールは、J.シュトラウスI世作曲/ラデツキー行進曲を演奏。指揮はロン-ディルク・エントロイトナー。広上淳一は鍵盤ハーモニカをハープの前で立って吹きました。客席から手拍子が起こりました。
演奏後は、京都市ジュニアオーケストラのメンバーが折ったツルと、ライプツィヒ ユース シンフォニー オーケストラのツアーステッカーを舞台上で交換しました。20:30に終演しました。日本とドイツの音楽を通じた国際交流を図るすばらしい演奏会となりました。このような取り組みは今後とも増やしてほしいです。