京都女子中学高等学校オーケストラ部第35回定期演奏会


2019年3月31日(日)14:00開演
京都コンサートホール大ホール

成瀬浩健指揮/京都女子中学高等学校オーケストラ部

バーンスタイン/序曲「キャンディード」
グノー/歌劇「ファウスト」よりバレエ音楽
ドヴォルザーク/序曲「謝肉祭」
ドヴォルザーク/交響曲第9番「新世界より」

座席:全席自由


京都女子中学高等学校オーケストラ部の定期演奏会に行きました。入場無料で整理券も不要でした。

プログラムによると、メンバーは中学1年生から高校2年生まで(と卒業生)で、高校2年生は本日がラストステージになるとのこと。当然ですが全員が女子です。 プログラムに掲載されたメンバーは143名で、中学1年生17名、中学2年生23名、中学3年生17名、高校1年生26名、高校2年生22名、卒業生38名です。 パート別では、第1ヴァイオリン17名、第2ヴァイオリン17名、ヴィオラ19名、チェロ18名、コントラバス8名、フルート11名、オーボエ7名、クラリネット10名、ファゴット6名、ホルン9名、トランペット8名、トロンボーン&テューバ9名、打楽器4名です。中高にオーケストラ部がある自体が珍しいですが、100名以上を擁するのは全国でも屈指の規模です。

3階席とポディウム席を開放しませんでしたが、ほぼ満席でした。中学生と高校生は制服が違って、中学生はセーラー服です。同じパートでは、高校生が前列もしくは首席に近い席に座り、中学生は後列でした。開演前に舞台袖で部長がマイクで挨拶しました。コンサートミストレスが立ち上がってチューニング。 

指揮の成瀬浩健はオーケストラ部顧問。関西学院大学吹奏楽部出身で、1985年から指導しています。音楽科ではなく情報科の教諭とのこと。指揮台はなく、指揮棒なしで指揮しました。眼鏡をかけていて、神父さんのような顔立ちでした(京女は仏教系ですが)。

プログラム1曲目は、バーンスタイン作曲/序曲「キャンディード」。大人数での演奏ですが、人数が多い割にはあまり響きません。強奏でもあまり鳴りません。もっと表情をつけられればいいでしょう。やや遅めのテンポでしたが、音の跳躍が難しそうでした。

プログラム2曲目は、グノー作曲/歌劇「ファウスト」よりバレエ音楽。12月に出場した「第25回全国高等学校選抜オーケストラフェスタ」(日本青年館ホール)で演奏したとのこと。全7曲をほぼ同じメンバーで演奏しました。ハープも生徒が演奏しました。ゆったりしたテンポの曲が多く、落ち着いて聴けました。第3曲「ヌビア奴隷の踊り」は、ピッコロとファゴットががんばりました。

プログラム3曲目は、ドヴォルザーク作曲/序曲「謝肉祭」。この曲のみ卒業生も演奏に参加しました。卒業生は黒い服を着ていますが、現役生と年齢はあまり離れていないように見えました。冒頭は主旋律が聴こえませんでした。サウンドが濁っているので、もっとクリアーに聴きたいです。

休憩後の プログラム4曲目は、ドヴォルザーク作曲/交響曲第9番「新世界より」。ふたたび現役生のみの演奏ですが、完成度が上がりました。弦楽器(特にチェロ)は音量が欲しいです。管楽器が多いから弦楽器が聴こえにくいというわけではないようでした。雛壇にいるクラリネット7名がよく聴こえて、意外な発見がありました。第3楽章はティンパニがおとなしい、強奏も弱々しいので、もっと力強く。第4楽章の金管はもっとのびのび吹いて欲しい。抑えられた感じが残念。

カーテンコールでは、この日でクラブを卒業する高校2年生に、OGから花束が贈呈されました。ドラムロールに続いてアンコールは、J.シュトラウスI世作曲/ラデツキー行進曲。客席から手拍子が起こり、打楽器が元気に鳴りました。

このオーケストラ部はクラブ活動なので、あくまで授業外の活動です。演奏水準はまだまだ向上の余地はありますが、中学生からオーケストラで演奏できる機会は全国的に見ても貴重でしょう。これだけの大人数の演奏をまとめるのは大変ですが、今後の活動に期待したいです。

(2019.5.15記)


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