ロームシアター京都 パークプラザ１階ロビー
寒川晶子（トイピアノ、オルゴール）
音についてのおはなし
ケージ／おもちゃのピアノのための組曲より�機↓供↓�
藤田帯のイメージのためにより 帯名「さざ波」、帯名「夏経二層ムーブ白南風」（オルゴール使用）
オルゴールと織物のための習作より
響紡ぎ織（トイピアノ版）
座席：全席自由
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２０１６年８月２７日（土）16:00開演 ロームシアター京都 パークプラザ１階ロビー 寒川晶子（トイピアノ、オルゴール） 音についてのおはなし 座席：全席自由 |
ロームシアター京都が2016年1月10日（日）にリニューアルオープンしました。京都会館が2012年3月31日に閉館して以降、改修工事が進められ、「京都会館第一ホール」は「メインホール」（2005席）に、「第二ホール」は「サウスホール」（716席）に生まれ変わりました。また、多目的ホールとして、「ノーススタジオ」（約200席）が新設されました。ファミリーマート、蔦谷書店、スターバックス、京都モダンテラスなどのテナントも入店しました。
リニューアルオープンに先立って、2015年11月22日（日）〜25日（水）の４日間にわたって、内覧会が開催されました。申し込みましたが、残念ながら落選しました。また、2016年1月10日（日）には「開館記念公演・記念式典」がメインホールで行われ、井上八千代（祝舞）、片山九郎右衛門、金剛永謹（能楽）、広上淳一指揮／京都市交響楽団などが出演しました。チケットは全席招待で、申し込みましたが、約１万人から応募があったようで、これも残念ながら落選しました。
今回の演奏会は、2016年9月24日（土）にサウスホールで開催される「寒川晶子ピアノコンサート 〜未知ににじむド音の色音（いろおと）〜」のプレイベントとして開催されました。9月24日に行われる演奏会では鍵盤をすべてドの音に調律した「ド音ピアノ」が演奏されますが、今回のプレイベントでは「ド音ピアノ」は使用されず、主に「トイピアノ」と「オルゴール」での演奏で、曲目も異なりました。
予約不要で入場無料でした。会場は、パークプラザ１階ロビー。スターバックスの隣にあるフリースペースです。ちなみに、この日はメインホールで、関西吹奏楽コンクール（中学校の部）が行われていて、にぎやかでした。
寒川晶子が登場。はじめに、音についてのおはなし。「非常勤講師（女子美術大学アート・デザイン表現学科アートプロデュース表現領域）として教えることもあり、音について考えることが多くなった。虫の音は海外ではノイズとして考えられている」 などと音に対する考えを語りました。
プログラム１曲目は、ケージ作曲／おもちゃのピアノのための組曲より�機↓供↓�（1948年作曲）。寒川は「ケージは日本が好きだった」「トイピアノが芸術楽器であることを証明した」と解説しました。�機銑垢裡偽覆�ら成りますが、�靴鉢犬亘榮�使用するトイピアノ（河合楽器製）では、低音の鍵盤が一音足りないとのこと。寒川晶子は全曲立って演奏しました。メロディーは単音の羅列で、片手でも弾けるほど。数分程度の短い曲でした。
プログラム２曲目は、藤田帯のイメージのためにより 帯名「さざ波」、帯名「夏経二層（なつけいにそう）ムーブ白南風（しらはえ）」（オルゴール使用）（2015年作曲）。寒川は西陣に育ったので、織物は身近に感じられる環境だったとのこと。自動演奏ピアノのための作品ですが、今回は紋紙を手回しオルゴール（オルガニータ）に通して演奏しました。藤田織物株式会社の協力で、紋紙を通し終わるまでの１分程度の作品です。かわいらしい音で、周囲の雑音でかき消されそうなほど小さな音でした。
プログラム３曲目は、オルゴールと織物のための習作より（2015年作曲）。寒川は「作ってみた」と話したので、自作でしょうか。前曲で使ったオルガニータは白鍵だけでしたが、この曲で使用するのは黒鍵も使えるオルゴールとのこと。１分程度でした。
プログラム４曲目は、響紡ぎ織（トイピアノ版）（2016年作曲）。ふたたびトイピアノでの演奏ですが、9月24日の「寒川晶子ピアノコンサート 〜未知ににじむド音の色音（いろおと）〜」では、寒川晶子（ド音ピアノ）、檜垣智也（アクースモニウム）、伊藤悟（音の織機）の３名で演奏されます。楽譜はないようですが、癒し系の音楽でした。
なお、9月24日の「寒川晶子ピアノコンサート 〜未知ににじむド音の色音（いろおと）〜」で演奏される「ド音ピアノ」については随所で解説され、「ドとド＃を細分化したが、オクターヴは変化なし」「習字の墨のグラデーションに似ている」「2010年に初めて演奏したときは、客席の１列目のお客さんがみんな寝た。催眠効果があるようで、トゲもなく癒される」「通常は会場にあるピアノをすべてド音に調律することはできないが、今回は調律を変えられることになった。京都市に認められたからかもしれない」「共演するアクースモニウムはスピーカーのオーケストラで、今回は30台用意した」などと紹介しました。寒川は話し出すと止まらないようで、16：40終演予定でしたが、大幅にオーバーして17：05に終演しました。
寒川は音に対する興味関心が幅広く、「ド音ピアノ」「トイピアノ」「紋紙」など、珍しい楽器を使って演奏します。着眼点がユニークで、将来が期待されるアーティストの一人と言えるでしょう。今回は「ド音ピアノ」の演奏はありませんでしたが、興味を持ったので、9月24日の「寒川晶子ピアノコンサート 〜未知ににじむド音の色音（いろおと）〜」のチケットを購入しました。楽しみです。
(2016.9.21記)
