京都市交響楽団特別演奏会


   
      
2011年7月17日(日)15:00開演
八幡市文化センター大ホール

広上淳一指揮/京都市交響楽団
朴葵姫(ギター)

ロッシーニ/セヴィリアの理髪師序曲
ロドリーゴ/アランフェス協奏曲
ドヴォルザーク/交響曲第9番「新世界より」

座席:一般席 22列25番


広上淳一と京都市交響楽団が八幡市に凱旋公演です。これまで演奏されていないオリジナルプログラムが興味深かったので聴きに行きました。「宝くじ文化公演」ということで、宝くじ収益金から助成を受けているとのこと。そのため、チケットがやや安めの設定(3000円)です。翌日には同一プログラムで宮津市でも公演します。
会場の八幡市文化センターは、京阪八幡市駅から徒歩15分(1.5キロ)。高校と大学の吹奏楽部で何度か演奏したことがあります。行くのは10年ぶりくらいでした。懐かしい。

開場後のホワイエで、ギター独奏の朴葵姫(パク・キュヒ)のCD「Sueno(夢)」(2520円)を販売していました。CDを購入すると、終演後のサイン会に参加できるとのこと。せっかくなので、購入しました。ポストカードつき。後で調べたところ、2010年7月に発売された朴のCDデビュー盤で、『レコード芸術』誌で特選盤になっています。
大ホールの席数は1220席で、客の入りは8割ほどでした。後ろは空席が目立ちました。この日は祇園祭の山鉾巡行があり、八幡市内でも高良神社の太鼓祭りがあったので、こんなものでしょうか。

プログラム1曲目は、ロッシーニ作曲/セヴィリアの理髪師序曲。八幡市文化センターは京都コンサートホールよりも響くので、いつもよりうまく聴こえました。響きに厚みが出て、和音も鮮やかに響きます。直接音が多く聴こえるので、表情も豊か。広上淳一はこの日は全曲で指揮棒なしで指揮しました。

プログラム2曲目は、ロドリーゴ作曲/アランフェス協奏曲。ギター独奏は、朴葵姫(パク・キュヒ)。朴は1985年韓国生まれなので、今年で27歳。2000年から日本に在住しているようです。白いワンピースに、黒のズボン、黒のシースルーの上着で登場。後ろ髪を束ねて、団子にしていました。台の上に置かれたイスに座って演奏します。左足を足台に載せて弾きました。
朴のギターの音量が小さくてびっくり。頼りなく聴こえて、オーケストラ伴奏にも負けていますが、もともと大きな音で弾く気はないようです。ギターを弾く動きも小さい。あまりギターらしくない音色で、リュートやハープに近いやさしい音色でした。指揮台の横に球形スピーカーが置かれていて、マイクで集音してギターの音量を大きくしていたようですが、効果があったのかは不明です。第1楽章は、冒頭から続く八分音符+十六分音符+十六分音符+八分音符のリズム音型がはまっていない。第2楽章のカデンツァは静かに弾きましたが、練習番号11のfffから激しくギターをかき鳴らしました。
オーケストラ伴奏は、情熱的で明るい音色。第3楽章はギターに遠慮して音量を落としました。

休憩後のプログラム3曲目は、ドヴォルザーク作曲/交響曲第9番「新世界より」。暑さを吹き飛ばす快演になりました。広上と京響の一体感もさらに増しました。ステージと客席との距離が近いので、響きがより濃密です。弦楽器のボウイングがいつもよりも伝わります。強奏は逆に響きすぎるほどでした。
第2楽章は美しいソロを堪能。第3楽章は広上は軽い力で指揮。第4楽章は金管楽器の鳴りがすばらしい。最後の小節のデクレシェンドは、pppまで落とさずにpくらいでした。

カーテンコールの後、広上がひとこと話して、アンコール。ドヴォルザーク作曲/スラブ舞曲作品72−2を演奏。広上の動きにオーケストラが機敏に反応しました。

広上淳一は全曲指揮棒なしで軽めの指揮でした。ホールがよく響くからなのか、オーケストラとの関係が成熟したからなのか、いつもよりアクションは大きくありませんでした。

終演後にロビーで朴葵姫のサイン会が開かれ、50人ほど並びました。写真同様にかわいく、aikoに似たルックスでした。「KyuHee Park 2011.7.17」の文字と、ギターのイラストをサインしました。

(2011.7.24記)


八幡市文化センター



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