親鸞聖人750回大遠忌法要記念 本願寺御影堂平成大修復完成記念 相愛大学相愛オーケストラ御堂演奏会


      
2009年9月20日(日)11:40開演
西本願寺御影堂

酒井睦雄指揮/相愛オーケストラ
相愛学園創立120周年女声合唱団

エルガー/威風堂々第1番
大前哲/交響讃歌「親鸞」オーケストラと讃歌のための

座席:全席自由


西本願寺で1999年から10年間に渡って行なわれた御影堂(ごえいどう)平成大修復が、今年4月に完成しました。それを記念して、相愛オーケストラが御影堂内で演奏会を開きました。こんな場所でオーケストラを聴く機会はめったにありません。インターネットでたまたま見つけて、しかも入場無料ということで行ってきました。なお、西本願寺の正式の寺号は本願寺ですが、本稿では西本願寺と表記します。

西本願寺は世界文化遺産に登録されていて、御影堂は国の重要文化財に指定されています。京都市民でありながら、西本願寺に入るのは今回が初めてでした。京都駅から徒歩10分ほど、11:00頃に到着。御影堂の大きさにびっくり。最大で1200名を収容できるとのこと。さすが浄土真宗総本山ですね。近くで見ましたが、修復工事をした感じはまったく分かりませんでした。時間をかけて丁寧に修復されたようです。
御影堂内は土足厳禁なので、靴を脱いで上がります。相愛オーケストラは御影堂の南側に陣取って、リハーサルをしていました。御影堂正面に安置されている親鸞聖人御真影(木像)に背を向けて演奏することはさすがにできないようです。指揮者の酒井睦雄が指導していました。酒井は相愛大学音楽学部音楽学科管・弦・打楽器専攻教授です。すでに客が集まっていて、畳に座って聴いていました。最終的には200名ほどが集まりました。新聞社も何社か来ていました。

11:40になってコンサートミストレスが立ち上がってチューニング。酒井睦雄が登場して開演。プログラム1曲目は、エルガー作曲/威風堂々第1番。中間部(TRIO Largamente.)の有名なメロディーだけを2回繰り返しました。演奏が終わると、西本願寺の方がマイクで相愛オーケストラの紹介。総勢100名での演奏とのこと。酒井が再び登場して、冒頭から通し演奏。御影堂で演奏するにふさわしい格調高い演奏でした。酒井の指揮も聴かせどころを押さえています。小細工が効いていて楽しめました。

プログラム2曲目は、大前哲作曲/交響讃歌「親鸞」オーケストラと讃歌のための。大前は相愛大学音楽学部音楽学科作曲専攻教授。相愛学園創立120周年記念特別委嘱作品として、2008年3月に作曲され、2008年10月に初演されました。親鸞聖人御真影(木像)の前で演奏します。後ろの障子が開いて、相愛学園創立120周年女声合唱団が入場。20名ほどでした。
作品は「道程」「讃歌」「光明」の3つの章からなります。第1章「道程」は、不協和音で怪しげに始まります。親鸞が聴いたら腰を抜かすでしょう。ゆっくりしたテンポが親鸞の歩みを表しているとのこと。第2章「讃歌」は一転して厳かな音楽。女声合唱が入ります。歌詞は、九條武子(1887〜1928)の「心の合掌」(『無憂華』巻頭の歌)。なかなかいいメロディーです。歌詞は2回繰り返して歌われます。女声合唱はきれいな歌声でした。弦楽器も美しい。第3章「光明」は、第1章同様に現代的な音楽。明日への希望を表現しているようですが、神聖な感じはせず、混沌とした音楽です。怪獣映画のBGMで使われてもおかしくないでしょう。第2章「讃歌」だけあれば、両端の章はなくてもいいように感じました。

演奏終了後は作曲者の大前哲が前に歩み出て拍手を受けていました。拍手に応えてアンコール。第2章「讃歌」を再度演奏。最後は、西本願寺の方のマイクの合図で、最後は親鸞聖人ご真影を振り向いて、念仏「南無阿弥陀仏」を唱えました。12:30に終了。交響讃歌「親鸞」のCDが定価1000円のところを期間限定700円で販売されていたので購入して帰りました。

相愛オーケストラの演奏は初めて聴きました。暗くて暑いというコンディションがよくない状況の中で、レベルの高い演奏を聴かせてくれました。賽銭のチャリンという音が聴こえる中でオーケストラを聴くのも斬新でした。機会があれば、定期演奏会にも行きたいです。

西本願寺御影堂門 西本願寺御影堂 西本願寺御影堂(相愛オーケストラ) 親鸞聖人御真影

(2009.9.22記)




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