同志社女子大学音楽学科管弦楽団大津演奏会


   
       2009年9月12日(土)14:00開演
滋賀県立芸術劇場びわ湖ホール大ホール

黒岩英臣指揮/同志社女子大学音楽学科管弦楽団
中野慶理(ピアノ)

R.シュトラウス/交響詩「ティル・オイレンシュピーゲルの愉快ないたずら」
リスト/ピアノ協奏曲第1番
ショスタコーヴィチ/交響曲第5番

座席:全席自由


同志社女子大学音楽学科管弦楽団の演奏会がびわ湖ホールで開催されるというので聴きに行きました。京田辺キャンパスでたまにコンサートをやっていますが、平日が多くてなかなか行けないのでいい機会でした。全席自由で1,000円。
13:30開場にあわせて行ったところ、すでに開場待ちの大行列ができていました。お客さんが予想外に多くてびっくり。客入りは8割程度で、学生オーケストラにしてはなかなかの動員数でしょう。ホールに入ったところに、同志社女子大学の大学案内などの資料が置かれていて、自由に取ることができました。全席自由なので、1階席中央で聴きました。
パンフレットによると、同志社女子大学音楽学科管弦楽団は、同志社女子大学学芸学部音楽学科演奏専攻管弦打楽器コースの学生で構成されています。課外活動ではなく、正課授業「オーケストラ」の一環で、管弦打楽器コースの学生は1回生から4回生まで必修科目になっているようです。
同志社女子大学音楽学科管弦楽団は、京都での定期演奏会以外に国内演奏会を隔年で開催しています。今年は、大津と名古屋の2ヶ所で開催。大津演奏会の翌日に、愛知県芸術劇場コンサートホールで愛知演奏会が行なわれます。また、メンバー表を見ると、楽器構成がアンバランス。クラリネットは全員で13人もいます。逆にチェロは0人、コントラバスは3人。女子に人気のない楽器とは思えませんが、足りない分は卒業生やコーチなどが加わっていました。女子大学なので団員は女子だけですが、コーチには男性も数人含まれています。

開演前に、学長?が英語を交えながらあいさつ。理事長も来場していることを紹介しました。団員が入場。黒一色の衣装で統一されていました。指揮者の黒岩英臣が登場。桐朋学園大学音楽学部指揮専攻准教授で、同志社女子大学学芸学部音楽学科では講師を務めています。白の上着でした。
プログラム1曲目は、R.シュトラウス作曲/交響詩「ティル・オイレンシュピーゲルの愉快ないたずら」。ヴァイオリンが磨かれた音色です。ボウイングの体の動きまできれいに揃っています。バランスが悪いですが、ホールのせいでしょう。ステージの天井が高いので、弦楽器は響きすぎてぼやけてしまい、客席にまで音が飛んできません。輪郭がぼやけてしまうのは、R.シュトラウスの演奏としては不適合でしょう。逆に最後列のトランペットとトロンボーンは、ベルが前を向いているので、音がストレートに客席に突き刺さります。強奏では金管楽器ががんばりすぎて、弦楽器がほとんど聴こえません。トランペットとトロンボーンの音色も汚い。ホルンなど金管楽器がたまに音を外しました。
黒岩の指揮は、指揮棒を左右に大きく動かすことが多いです。また、うなり声や鼻歌が大きくてけっこううるさい。

プログラム2曲目は、リスト作曲/ピアノ協奏曲第1番。ピアノ独奏は、同志社女子大学学芸学部音楽学科准教授の中野慶理。男性です。第1楽章からミスタッチが目立って、大丈夫なのか心配になりました。この作品は4つの楽章が休みなく演奏されますが、第1楽章が終わった後に、黒岩が中野に声をかけていました。オーケストラも元気がない。伴奏の域を出ない演奏でした。もう少し積極的に表情を作って欲しいです。

休憩後のプログラム3曲目は、ショスタコーヴィチ作曲/交響曲第5番。大人数での演奏で、フルートとクラリネットは5人、他の管楽器も4人います。演奏は男性がいないことを感じさせません。丁寧に演奏しました。第1楽章はpでもあまり音量を落としません。第2楽章はテンポ感が統一されていない。走ったり遅くなったりします。第4楽章はやや速めのテンポ。終盤の練習番号121から速いテンポ。練習番号128でシンバルの一発が落ちました。練習番号131からは高速テンポ。スコアに書かれた四分音符=188をそのまま採用しました。

花束贈呈の後、アンコール。黒岩が曲名を言って、グリーグ作曲/2つの悲しい旋律より「過ぎにし春」を演奏。弦楽器のみ演奏。そんなに悲しい旋律ではありません。黒岩が「せっかくですから、もう1曲」と話して、アンコール2曲目は、ドヴォルザーク作曲/スラブ舞曲第1番。演奏会本編よりもうまいように感じました。こういう明るい曲を選曲したほうがよかったかもしれません。

次は他のホールで演奏を聴きたいです。また長調系の作品を聴きたいです。

(2009.9.13記)


滋賀県立芸術劇場びわ湖ホール(におの浜1丁目交差点から望む)



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