京都市交響楽団第501回定期演奏会


   
      
2007年6月22日(金)19:00開演
京都コンサートホール大ホール

大友直人指揮/京都市交響楽団
小川典子(ピアノ)、平松英子(ソプラノ)

ラフマニノフ/パガニーニの主題による狂詩曲
マーラー/交響曲第4番

座席:S席 3階 C−4列26番


先月に続いて、京都市交響楽団の定期演奏会に行きました。開演前の18:20から、ロビーコンサートがありました。もともと昨年の創立50周年を記念したイベントでしたが、好評のため今年も不定期で開催するとのことです。今回は、ヴィオラ(高村明代)、フルート(西尾牧子)、ハープ(松村衣里)による三重奏。3人は「アンサンブル アンフィニ」として活動しているようです。西尾の司会で作品紹介の後、バックス作曲/エレゲイアック・トリオを演奏。演奏会向けのけっこう長い曲でした。身近で楽器が聴けるので、ぜひ今後もロビーコンサートを継続して欲しいです。

ホールの入りは、7割程度でした。プログラム1曲目は、ラフマニノフ作曲/パガニーニの主題による狂詩曲。ピアノ独奏は小川典子。茶色のドレスで登場しました。
小川典子のピアノは、重すぎず軽すぎず、ほどよく響きました。はっきりした強めの打鍵で、のめりこむように演奏しました。最初は少しミスタッチもあったのでさすが難曲だと思いましたが、徐々に調子を上げました。オーケストラは、全体的に上品で冷静な演奏でした。この作品を演奏会で聴いたのは初めてでしたが、弦楽器の細かな動きがよく聴こえてCDでは気がつかなかった新発見がありました。少しおとなしめの伴奏だったので、小川のテンションにあわせてもっと狂気じみたところが欲しいです。ちなみに、主題の3〜4小節は1〜2小節よりも少し音量を落として演奏していました。大友直人は、いつものように指揮棒なしで指揮しました。

演奏終了後は、大友に促されて小川がアンコール。「ドビュッシー作曲 月の光」と客席に告げて、ドビュッシー作曲/月の光を演奏。先ほどとは打って変わって、柔らかい音色で演奏しました。やや速めのテンポで弾きました。

休憩後のプログラム2曲目は、マーラー作曲/交響曲第4番。ソプラノ独唱は平松英子
全体的によくソルフェージュされた演奏でした。弦楽器(特にヴァイオリン)が美しく、密度の濃い演奏を聴かせました。第3楽章の前に全体でチューニングするなど音程もよくそろっていました。演奏は悪くないのですが、作品がちょっと長くて、退屈してしまいました。この作品はマーラーの交響曲の中では短いほうですが、それでも1時間近くあるのですね。意外に長かったです。第3楽章ラストでは、ホルンとティンパニが爆発。なかなかの威力でした。それまでうたた寝していた人が一気に飛び起きたようで、見ていておもしろかったです。視覚的には、クラリネットのベルアップがよく目立ちました。
ソプラノ独唱の平松英子は、第3楽章の前に入場。指揮者の左前のイスに座りました。第4楽章で立ち上がって歌いましたが、声があまり聴こえませんでした。もっと声量が欲しいと感じましたが、ホールの音響の問題でしょうか。

演奏はよかったものの、金曜日の夜の演奏会としては選曲があまりよくなかったのかもしれません。


(2007.6.24記)


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